スパイダーマン:ホームカミング

 本作『スパイダーマン:ホームカミング』は、サム・ライミ監督版『スパイダーマン』三部作(02年~07年)、そしてマーク・ウェブ監督版『アメイジング・スパイダーマン』二部作(12年~14年)に続き3度目のリブート作となるワケだが、同時に『アベンジャーズ』シリーズ(12年~)との初のクロスオーバー作(同一の世界観の中で描かれる作品)ともなる重要な一本だ。トビー・マグワイア、アンドリュー・ガーフィールドに代わり3代目のスパイダーマンを演じるのが1,500人もの中からオーディションで選ばれたという新人トム・ホランド。っていうか、そもそも何故に『アメイジング・スパイダーマン』シリーズが2本で打ち切りになったのだろう?14年の『2』が興行的に振るわなかったために駄作だと云われているけれど(確かにシリーズ全5作中では一番悪いものの)一般的な興行収入としては“大ヒット”の部類に入るだろうし、いやアレはアレでなかなか面白かったじゃないか。

 ・・・と、そんな疑問も本作を観れば全部分かる気がした。まず“アベンジャーズ”と合流するには前作『アメイジング~』は少々シリアス路線に行き過ぎていたし、主人公のピーター・パーカーが高校を卒業してしまったのも致命的だったかもしれない。そして現実問題としても、ただでさえ豪華キャストで金の掛かる“アベンジャーズ”に今や超売れっ子スターとなったアンドリュー・ガーフィールドが加わることで更に制作費がかさばってしまうことも危惧されたのではないだろうか?そう考えると、新スパイダーマン役に無名の新人を起用してくるあたりも納得できるし。僕はアンドリュー・ガーフィールドが結構好きだったので、この新星スパイダーマン=トム・ホランドを『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16年)で初めて見たとき「青臭くてチャラい男だな~」と正直残念だったのだけど、物語が進むにつれ心身ともに成長していくピーター・パーカー=トム・ホランドがどんどんカッコ良く見えてくるから不思議なくらいだった。

 新スパイダーマンの大きな特徴、というか一番の魅力点として、主人公ピーター・パーカーが再び高校生に戻って舞台を学校に据え、徹底した“学園モノ”として描かれているところだ。一昔前に流行ったベッタベタの学園青春モノに作られているのが清々しく「もしもジョン・ヒューズがまだ生きていたらきっとこんな映画を撮るだろうな~」と感慨深いほど(笑)・・・と、思っていたら監督ジョン・ワッツはなんとジョン・ヒューズの大ファンで、本作『スパイダーマン:ホームカミング』も『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』(86年)と『ブレックファスト・クラブ』(84年)、『フェリスはある朝突然に』(86年)を参考にし、制作前にスタッフ・キャストに「観ておくように」と宿題を出していたのだという。「ジョン・ヒューズの映画みたいだったなぁ」と思うシーンが幾つかあったけど、正に彼にオマージュを捧げたシーンだったのだな。原作コミックは読んだことはないのだけど、元々はティーンエイジャーが主人公の学園ドラマという設定なのだそうなので“原作に忠実”に描かれているということなのだろう。

 因みに、この映画を観るのにオススメなのがシネマサンシャイン姶良にある“BESTIA(ベスティア)”。九州初導入となる3D音響フォーマット「dts-X」(チャンネル制限の無いそれぞれが独立した音でシアター内を包み込む超高性能音響)に加え、なんと日本初導入となる「4K・9Pレーザープロジェクションシステム」を駆使した美しい映像を超特大スクリーンで映し出すプレミアムシアターで200円の割増になるけれど、この「映画への没頭感」は通常のシアターとは桁違いだ。「エンドロールが終わるまで席を立ってはいけない」というマーベルの定説通り、本作もエンドロール中と終了後におまけ映像があるので是非とも最後まで楽しんでいただきたい。

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