シャーロック・ホームズ

 レッチリからジョン・フルシアンテが脱退したそうだ。っていうか、ホントに“またも”脱退したのか!?だとすれば、あのジョンの復帰作「Californication」、そして名曲「Scar tissue」のドラマティックな感動は何だったのか?!もう2度も3度も同じドラマは通用しないと思うのだけど・・・・が、この時点で既に先手を打って感動的なのが、ジョン自身がバンドの脱退を公言しているにも関わらず、レッチリ・サイドはまだ一切の発表をしていないということである。取り敢えず、後任のギタリストにジョシュ・クリングホッファーなのだそうだが、彼はそもそもレッチリのサポートメンバーであり、ジョンのソロ・プロジェクトにも参加している仲。これは、どう考えてもバンド・サイドとしては“ジョンの後釜を探す”というよりは、ジョンが帰ってくるまでの一時対策としか思えないわけで、「オレらは脱退を認めないぜ」、「いつでも帰ってきてくれ」といった表明だとも思うのだ。僕自身、学生の頃から(もう20年以上)ずっとバンドをやっているのだけど、こういったバンドメンバーの問題ってのは、プロ・アマ、年齢問わず、バンドをやっている人間ならばどこにでも起こる問題であり(っていうか、それで食っていない分、アマチュア・バンドの方が日常的に抱えている問題なのでは?)、そういった問題も含めて実に“バンドらしい”と思うのだ。4~5人で同じ方向を向きながら、それぞれが別々の役割を担い、更に、誰か1人でも欠けてしまうと成立しない。仲が良いだけではやっていけない。メンバーを責めることなく待つレッチリ、そして、オリジナルメンバーで代わることなく20年以上最先端を行くU2、例えどんなアルバムを作っても、僕がもう無条件で「大好きだ」と思えるにはこういった理由がある。
 80年代に『レス・ザン・ゼロ』や『ピックアップ・アーティスト』といった青春映画でブレイクしたロバート・ダウニー・Jr。わずか数本で大ブレイクした彼は“俳優”としての実力にこだわった内面とは裏腹に、世間からは“アイドルスター”としか見られなかった。そのギャップに苦しんだ上、更になかなかヒット作にも恵まれず・・・・そのせいなのか、それとは関係無いのか?彼はドラッグ依存症に陥りあっけなく表舞台から姿を消す。そして世間が彼の存在を忘れかけていた92年に、巨匠リチャード・アッテンボロー監督が喜劇王チャップリンの半生を描いた『チャーリー』でアカデミー主演男優賞にノミネートされる。が、96年に再び麻薬所持で逮捕され、ドラッグ中毒でリハビリ生活を送ることに。そして更に暫くした後、大ヒットTVドラマ『アリー・myラブ』のシーズン4にレギュラー出演をして完全復活か?!と思いきや、またもやドラッグ絡みのトラブルを起こし、番組を途中降板させられてしまう。もうこうなったら完全に終わりだよね・・・・と、思うのが“世間”というものなのだが、なんと彼はそれから約10年の歳月を経て『キスキス、バンバン』とデヴィッド・フィンチャーの『ゾディアック』、そして『アイアンマン』で今度こそ本当に“完全復活”を遂げるのである。こういった経緯を考えると、彼がまさかの“正義のヒーロー”を演じた『アイアンマン』での主演は正に感動的ですらある大復活だったのだ。この物語の背景には、彼の人間性からなのか、決して彼を見捨てることなく支え続けた周りの仲間の存在があるのだ。実は彼は、一見表舞台から消え去ったと思われる間も、仲間のお陰で端役ではあるがコンスタントに映画には出演し続けていたのである。
 英国が世界に誇る、“推理・探偵モノ”史上最も有名なアーサー・コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」の映画化である。一体何冊の原作が出ているのか正直知らないけれど、これまでになんと200本以上の映画化作品があるらしい。しかしながら僕は、巨匠スピルバーグが製作総指揮を務め『レインマン』のバリー・レヴィンソンが監督した『ヤング・シャーロック ピラミッドの謎』(85年)しか観たことがない。ぶっちゃけ、シャーロック・ホームズにそんなに興味があるわけでもないし・・・・しかしながら、この『シャーロック・ホームズ』は全く持ってそれらとは別モノである。まず、監督がガイ・リッチーであること!『ロック、スットク&トゥー・スモーキング・バレルズ』や『スナッチ』の彼の、最新作である。これまで“良質な、低予算のインディペンデント映画”であることが彼の売りだったにも関わらず、今回は初のブロックバスター・ムービーということも大きな話題だ(コレに水を差すようで悪いけど、僕個人的にはマドンナとの離婚で百億円弱とも言われる慰謝料を手にした後の初監督作だけに「金、気にしなくなったんだね・・」とも思わないでも無いけれど・・・)。それに加え、ホームズ役である主演に先に書いたロバート・ダウニー・Jr!そして、シャーロック・ホームズと言えば・・・の、“ワトソン君”になんとジュード・ロウである!どっちかと言えば彼の方がホームズに適任では?とも思うくらい、この映画にはハマリ役だと思うほどの英国人2枚目俳優だ。これまでに数多く作られた“ホームズ映画”の、その頂点に立つ映画、その自信なのか自覚なのか?タイトルはそのまま『シャーロック・ホームズ』。これは観るべきだろう。

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