特攻野郎Aチーム THE MOVIE

 30代後半~40代世代の人は知らない人は居ないだろう。まさかの、『Aチーム』最新劇場版である。このところすっかりネタ切れしているハリウッドは往年のヒット作をやたらとリメイクしているが、そのお陰でたま~にこうやって「マジ!?」っというリメイク作に当たるから、コレは嬉しい流れでもあったりする。
 83年~87年に掛けて全米で放送され大人気を誇ったこのTVシリーズは、ココ日本では85年~88年に渡りTV放送されたのだが、僕はどうにもTVドラマを観続けた記憶は無く、ずっとコレを“映画”だと思っていたのは何故だろう?と疑問に思い調べてみると、当時は日曜洋画劇場で2時間枠に編集されたものが頻繁に放送されていたらしいのだ。なるほど、きっと僕はこの“日本独自編集版”を観ていたのだろう。「なるほど」ついでに、僕らにとって(『ロッキー3』の影響で)1番人気だったコング(ミスター・T)は、オリジナルでは“B・A”というネーミングであり、そもそも“コング”というのは日本サイドが勝手に付けた名前なのだそうだ・・・・なんだか残念な話である。だって、コングはどう見たってコングなのだから。変装の名人であるチーム・リーダー“ハンニバル”と、武器調達担当の2枚目“フェイスマン”、それに凄腕パイロットの“クレイジー・モンキー”に、先に挙げた天才メカニック“コング”の4人組み“Aチーム”は、とにかく4人が4人共、極端に個性的で自己中心的性格。更にクレイジー・モンキー以外はみんな指名手配中!で、そのクレイジー・モンキーも指名手配中では無いけど精神病院を脱走中なのである。メチャクチャである。今現在、この設定はOKなのか?というくらいのメチャクチャぶり、正にコレが80年代なんだなぁ~(笑)。で、このメチャクチャな4人が繰り広げるミッションが精密な計画であるわけがなく、いつでも行き当たりばったり。時には武器すら現地調達の「まぁ、取り敢えず行ってみようぜ・・・・えっ!?鍵掛かってんの?マジ?・・・・壊してしまおうか?」「ギャハハハッ!壊してん!(笑)」「・・・・・うわぁ!なんで壁ごと全部壊しちゃうんだよ!」一同「ギャハハハハハッ!!!(笑)壊れてるし!!!(笑)」ってな感じのノリなのである。このノリを損なうことなく、見事にアップデートさせた本作。
 監督は、誤って一般市民を撃ち殺してしまい、その自責の念から立ち直れない麻薬捜査官を描いた『NARC』(02年)のジョー・カーナハン。恐ろしくダークな世界観を斬新でスタイリッシュな映像で描き一躍有名になった彼は、続く『スモーキン・エース』(07年)で、ライアン・レイノルズにレイ・リオッタ、ベン・アフレックやマシュー・フォックス、それにアンディ・ガルシアといった超個性派俳優を集結させ大ヒットを記録。そして彼の4作目となる最新作がこの『Aチーム』だ。経歴や作風から何となくダニー・ボイルと被るのは僕だけだろうか?今年40歳のジョー・カーナハンは、僕の2コ上ということになるのだが、正に“同世代”といった感覚が随所に散りばめられ、やたらと親近感を覚えてしまう(笑)。本作が、涙が出るほどの、正に“特攻野郎Aチーム”であっただけに、懸念されるのは今の若者がコレを観てどう反応するのか?ということ。ともすれば「ストーリーが単純」「バカバカし過ぎ」「知性が無い」仕舞いには「中身が無い」だのを彼女にほざく、ショーユ顔のイケメンが頭に浮かぶが、もしも僕がそれを目の当たりにしたら迷わずぶっ飛ばしてやるだろう。確かに物語に繊細さは無く小洒落感も無いかもしれない。が、それが“Aチーム”なのだ!「おい、ショーユ!お前も裸でメチャクチャやってみろ!」と言いたい。80年代に青春時代を送ってきた僕らは、あの頃、高音質な音もドラッグも(携帯すら)何も無く、仲間内で1人持ってるか持ってないかのポケベルで友達に連絡し、居るか居ないかの彼のアパートに取り敢えず向かってみたものである。車のカッティングシートも数週間も掛けて手作りし、車高だって自分で落としたのだ!・・・・な~んて言ったところで、今やただの笑い者だろう。とにかく、この『Aチーム』を観ると、何故だかあの頃のメチャクチャぶりを思い出すと同時に、今でもこんな仲間が身近に居ることに少しぞっとしたりもする(笑)。出来れば、男同士、こんなメチャクチャな仲間とビールでも飲みながら観たい1本だ。

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