バイオハザードⅣ アフターライフ

 もう13~4年前になるだろうか?今でも仲の良いKというバンドメンバーと「今度のGW何する?」って話になったのだと思う。当時、お互い独り暮らしで偶然に部屋も近く、更に2人共ちょうど彼女が居ない時期であった。「ゲームでもすっか?」どちらが言い出したのかは覚えていないが、何とも暗い若者のGWである。その友人も僕も、特にゲームが好きなわけでもなくハマった経験も無いので、何故にそういうことになったのかどうしても思い出せず不思議なのだが、きっと「男2人だし、金もねぇし・・・・」みたいなノリだったのだろう。で、選んだゲームが“エネミーゼロ”・・・・流れ的に、“バイオハザード”じゃないんかい!って感じだが、“エネミーゼロ”だったのだから仕方が無い。当時、発売されたばかりのそのゲームは難易度が高いことで話題になっていたのも選んだ理由の1つだが、何より“音の強弱や高低”だけで見えない敵の位置をつかみ、更に相手との距離感までも計って倒さなければいけないというルールに惹かれたのだった。「オレたち耳良いし、全然問題ねぇじゃん!つーか、コレきっと得意じゃんねー」と。それはただ自分らが「バンドをやっているから」というだけの全く根拠の無い自信であった。食事と寝る時間を交代で取り、正に三日三晩掛けて脱出に成功した小型宇宙船!あの時の達成感が今も二人の絆となっている・・・・かどうかは分からないが、今では二人とも父親になり、子どもたちに「ゲームばっか、すんな!」と怒鳴っているのだから大したものである。とにかく僕にとって“ゲームをクリアする”というのは後にも先にもあれっきりの経験だ。
 調べてみると、メガシリーズ“バイオハザード”1作目がカプコンからリリースされたのは奇しくも“エネミーゼロ”と同じ1996年であった。もしも僕らがあのGWに“バイオハザード”を選んでいたなら、この原稿の前半部はもっと意味のある有意義なものになっていたに違いない。友人K、僕らはあの連休に何故“バイオハザード”を選ばなかったのだろう?ゾンビ映画が大好きな僕は当然ながら“バイオハザード”は大好きなゲームで何作か持ってはいるけれど、そのどれもが解けない謎の部分で中断されたままだ。
 そして2001年、このゲームは遂にハリウッドで映画化され巨大なフランチャイズとなっていくわけだが、この1作目の出来が異常に良かったことが、今回の『4』まで廃れることなくクオリティを維持出来ている最大の要因だろうと思う。それと、何と言っても主演のミラ・ジョヴォヴィッチ!これだけの美貌を持ちながらチャラ系の映画には殆ど顔を見せず、ダークでマニアックな映画ばかりを選んで出ているような彼女の出演作ラインナップが、この『バイオハザード』シリーズのイメージを維持させているのだろう。(2000年のヴィム・ヴェンダース監督『ミリオンダラー・ホテル』でのミラは神懸かっているほど!)で、『2』ではなんとゲームでの主人公ジル・バレンタインが実写で登場!巧い!コレは巧い戦略(笑)!しかも動きまでゲームに似ているし(笑)で、更に続く『3』ではまさかのクレア登場!第一作目で(ゲームには登場しない)ミラ扮するアリスを主人公に設定し、ゲーム版とは全く異なった世界を描くと見せかけつつの、続編で次々と出てくるゲーム版での主役。世界中のゲームファンを黙らせたばかりか一気に虜にさせてしまった『バイオハザード』シリーズは、この戦略・設定勝ちなのである。『3』のラストシーンに出てきた東京から始まる最新作は、やはり、というか当然の流れとも云えるシリーズ初の「3D」で公開される(冒頭にサプライズゲストとも云える日本人俳優も登場!)。他の数多くあるゾンビ・モンスターものと明らかに一線を画す本シリーズ。カップルや友達同士でポップコーン食べながら観るのだったら、今一番のお薦め作だ。
 コレを機に、中途半端になっているゲームを全部クリアさせてみようと再開してみたのだけど、やはりダメだった。どうも僕は独りきりで謎や恐怖に立ち向かうのが苦手のようである。友人Kは今では全くゲームに興味なさそうだし、嫁はビックリするくらいのゲーム音痴なんで一緒にやったところで即死だろうし、子どもはまだ小さ過ぎるし・・・・やはり、あのGWにクリアしとくべきだったのだ。

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