オーズ・電王・オールライダー
レッツゴー仮面ライダー

 僕が生まれる前年の1971年にスタートした仮面ライダー。そのシリーズ40周年を記念して制作された超大作だ。長年この世の平和と秩序を守ってきた、仮面ライダーの姿が見えない2011年の現代。その間、悪の組織ショッカーたちは着実にその勢力を増し、今正に世界中を手中に収めようとしていた。仮面ライダーたちは何処へ行ったのか?何故、姿を現さないのか?このままではこの世は悪に支配されてしまうぞ!?悪がはびこる中“ヒーロー不在”という何気にリアルな設定を描くのは金田治監督62歳。71年の初代仮面ライダーから携わっていて、79年の『バトルフィーバーJ』や『宇宙刑事ギャバン』(82年)などなど歴史的なヒーローモノ・戦隊モノを手掛けている大御所。正に“原点を知っている”と言える存在だろう。で、『クウガ』や『アギト』『響鬼』といった“平成仮面ライダー”で現代に再びライダーたちを復活させた立役者の1人でもある。タイトルに“オールライダー”とある通り、仮面ライダー1号からこれまでの全ライダーが集結している40周年に相応しい記念碑的な作品だ。最近の「ウルトラマン」シリーズといい、「遂に!?」的な『海賊戦隊ゴーカイジャー』といい、過去の同系列の主人公が一堂に会する、シリーズの総まとめのような作品が次々と制作されているのは最近の流行りなのだろうか?子どもの親世代を巻き込んで、そのキャラ商品などの購買を促進させる戦略なんじゃないだろうか?と勘繰るのは厭らしいとして、実際にその親世代である年代からしてみても、本当に嬉しくて子ども以上に興奮したりするものだろう。正にその世代の僕なんか子どもと一緒に『ゴーカイジャー』を観ながら過去の『ゴレンジャー』の解説を自慢げに聞かせたりしてウザがられたりしているのだから。
 で、今回も一瞬「またか」と思ったのだけど、仮面ライダーに関してはこれまでも度々、TV版や劇場番でも過去の作品とのコラボをしてきている・・・・はず。だって、昔からちょいちょい複数のライダーの共演を観てきた記憶があるから。ウルトラマンは、その40周年を記念して06年制作の『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』で初めて大々的に過去の登場人物との共演を果たしただろうし、ヒーロー戦隊モノなんて今の『ゴーカイジャー』が初めてだろう(5月に公開予定されていた劇場版は東北地方太平洋沖地震に配慮して公開延期になっているけれど)。そう考えると、この手のコラボ作品では仮面ライダーがハシリなのではないだろうか(あくまで僕の記憶の話なので間違っていたらゴメンなさい!)。それにしても、劇場に貼ってあるこの映画の巨大ポスター・・・・カッコ良いなぁ、いやマジで欲しい・・・・なぁ~んてココで書いたりすればたまにホントに貰えたりするからイヤらしく期待してみたりもするのだけど、今回はマジで欲しいんです。
 その日、前後の詳細は覚えていないのだけど、とにかく今は亡き親父と2人で車に乗って、母ちゃんを職場へ迎えに行ったのだ。どんどん道路が浸水し渋滞する車両の列。そして道路になぎ倒されている木々。「普段からトラックに乗ってるの?」と言われるほどその当時はまだ稀な四駆(ハイラックスサーフ)に乗っていたので、車が進めず渋滞している急な上り坂で、自車を放置して歩いている人たちを乗せて坂の上まで何往復もしたのだった。僕が「母ちゃんが待ってるよ」と言っても、親父は「乗れるだけ乗せろ、この人たちを安全な場所まで」と言って数時間も往復したように思う。今から約20年近く前の93年8・6水害の日のことだ。
 歴史的には約70名の死者を出したと公表されているけれど、僕の周りだけでも何人も被災しているし、天文館(鹿児島の1番の繁華街)の地下街はほぼ全滅だったろう。それに前後が崖崩れで行きも帰りも塞がれた海沿いの10号線内。閉じ込められた無数の車の列は、全員が臨時救出船に救出されたのだろうか?・・・・とか。現実にはそういう時に颯爽と現れて皆を救ってくれるヒーロー・仮面ライダーなんて者はいない。特別な能力なんて持たない僕らと変わらない人たちが必死に救出作業にあたりお互いを助け合っているのだ。だけど、それでもこういう映画を観ると少しでも元気が出るのかなぁ、とも思う。例えば、音楽は世界を救えないにしても、何処かの個人を勇気付けられることは出来るように、例え架空のヒーローであっても何処かの誰かを勇気付けられることは出来るのかもしれない。結局、“ヒーロー”ってのは各々自分自身なのだろう。そのヒーローらが集結して世界を救うのだ。

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