世界侵略:ロサンゼルス決戦

 僕は昔から、寝る前にベッドに寝転がりながら本を読む習慣がある。それはどんなに泥酔していても必ず行われる“寝付くまでの儀式”のようなものだ。まぁ、流石に泥酔していると翌日続きを読もうと本を手にとっても栞の挟んである場所から数ページは遡らないといけないのだが。そんなわけで僕が毎晩みる夢はその日に読んだ本の内容に大きく左右される・・・・って言うか、本の世界と直結しているとも言えるだろう。百田尚樹の『永遠のゼロ』を読んでいた間の約1週間は毎晩、哀しくて切なくて何ともやるせない気持ちでうなされて目が覚めたものだ。特別攻撃隊としての任務を果たし亡くなった、会ったことのないお祖父さんのことを調べる為にかつてのお祖父さんの戦友を訪ねて話を訊いて廻るという物語で、今までに幾度となく語り継がれてきた、僕らが決して忘れてはならない歴史本でもある。考えたら、そういう話を実際に体験した人から聞けるというのは今がもうギリギリなのだな。読み終えてすぐに知覧の特攻会館に行ってみた。既に何度か足を運んだ事があるのだが、その本を読んだ後だったのでまた一段と深く心に染みて重たかった。「泣ける」とかを通り越して「苦しい程に切ない」という感じだろうか。その日『俺は、君のためにこそ死ににいく』を借りて帰ったのは言うまでもないだろう。

 時を同じくして第二次世界大戦時のちょうどその頃、日本軍からの攻撃に備えていたアメリカ・ロサンゼルスの上空に突如、謎の飛行物体が押し寄せる、という出来事があった。全く持って不意を突かれた米軍は慌てて攻撃を開始。1400発以上の砲弾を放つが1機も撃ち落とせないまま飛行物体は引き揚げてしまうのだ。しかしその日、日本は勿論どこの飛行隊もロサンゼルスの上空など飛んでいなかったことが後に判明し、それは“ロサンゼルスの戦い”と命名され歴史に残る怪事件として語り継がれることに。1942年2月25日の夜に起こった実話である。その怪事件をベースに、現代版に置き換えて映画化されたのが今回の『世界侵略:ロサンゼルス決戦』だ。時は現代2011年8月、世界中の海岸に謎の隕石が大量に降り注ぎ、直後、海中から未知の兵器が現れて世界中を一斉攻撃。世界中の主要都市が次々と壊滅していく中、人類の希望はかろうじて未だ全滅していないロサンゼルスの海兵小隊の手に委ねられることに・・・・。彼らはロサンゼルスを守りぬけるか!?という「それって何かだよね?」と考えたくなるような、まぁ、今までに何度も観た感のある使い古された設定であるにも関わらず、この手の大御所スピルバーグやジョージ・ルーカスとは真反対のアプローチで仕掛けているところがこの映画が決定的に斬新な映画として成功したポイントだろう。何と言っても“宇宙人との戦い”というぶっ飛んだ設定を、ハンディカムを駆使したドキュメンタリーとして描いているのだから(それを言えば『第9地区』とか『クローバーフィールド』とかもあるし、最近の『スカイライン-征服-』と被らないでもないのだが・・・・)。観ながら「宇宙人と戦ったらこんな感じなのかぁ」と本気で思わせる程のリアル感!故に怖い!怖すぎるのだ。いやホント、こんなの観たら同じ人間同士で戦おうとすることが心底バカらしく思えてくる。そんな場合じゃないだろう、と。だって(攻撃的か友好的かは別として)宇宙人ってのは絶対にいるだろうから。

 幾つになっても、と言うか、いいおっさんになってもこういうネタには恐怖を覚えたりウキウキさせられたりするものだ。去年末くらいだったか?NASAが「地球外生命体についての重大発表をします」と突如アナウンスをしたのは。しかもその発表会場がNASAの本部で、更にネットで全世界に中継!という念の入りようだったので「こりゃあ、もう絶対にアレだろ」と大いにテンションを上げてその日を楽しみにしつつ、当日なんか早朝からPC立ちあげて見てたのに・・・・それは無いよなぁ、と僕は今でも根に持っている。

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