フライトナイト ー恐怖の夜ー

 僕は毎朝、子供を幼稚園に送っていくのが日課となっている。平川に住んでいるのに宇宿幼稚園に通わしているので流石に送迎バスが来てくれないから(帰りは自宅まで送ってくれるのだが)。今小学2年生の長男もずっとそうしてきたし、年中組の次男も同じく。夜が不規則なので、この時間ってのが物凄く大切だ。子供と2人きりで毎朝約30分のドライブ。お陰で子供の事は大体何でも知っている。昨日、給食が何だったとか、何をして遊んだとか、1番仲の良い友達の名前だとか、好きな子の名前とか・・・・。

 そのドライブ中や、寝る前などに僕が聞かせる“お話”で子供たちの1番のお気に入りは、僕の“ヴァンパイア武勇伝”だ。前にも書いた事があるような気がするが、コレはもう我が家では疑いようのない事実であり、僕の仲の良い友達なんかは完全に話を合わせてくれているので、正に僕は“自他共に認める”ヴァンパイアなのである。狼男一族との代々にわたる壮絶な戦いのドラマは子供たちを魅了してやまない。そして血筋的にいつ自分がヴァンパイアとして目覚めるか?にドキドキしているのである。

 そんな僕にとってバイブルとも云える映画は勿論『フライトナイト』だ。そして今回約27年もの時を経て、まさか?まさか!?のリメイクである。やったー!!!コレは嬉しい!だって、あの『フライトナイト』のリメイクだぜ!?『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『ネバーエンディング・ストーリー』に『グーニーズ』、それに『ランボー・怒りの脱出』に、更にはデュラン・デュランの主題歌も大ヒットした『007』シリーズ『美しき獲物たち』など、数々の名作が量産された“ハリウッド当たり年”と云える85年の大傑作である。

 今でこそ『トワイライト』シリーズ等のヒットもあり“ヴァンパイア”が旬的な感じであるが、85年当時はちょうど時代遅れな古典モンスターだったのだ。そういう時代背景の中での大ヒット!コレは本当に偉業とも云える事件であった。何しろ“ドラキュラ”を“ヴァンパイア”として現代に復活させ、再度“映画”として成立させるキャラに仕立て上げたのだから。その勝因として、物語がティーンムービーだったこともあるだろう。公開同年時の他のヒット作を考えても、この映画が単なるホラー映画に留まらず、主人公がティーンエイジャーであり学園モノ・青春モノの要素を含んでいたというポイントは非常に大きいと思うのだ。

 隣に引っ越してきた隣人が「もしや、ヴァンパイアなんじゃね?」という疑惑が徐々に確信に変わっていき、周りに相談するも相手にされず(そりゃそうだろ・・・・)、そして悩んだ挙げ句、テレビで“ヴァンパイア・ハンター”として活躍する大人気タレントにその退治を依頼する。が、「そんなのいるワケないだろ」と一蹴され・・・・。この辺のユーモアさがまた絶妙であった。“ホラーと笑いは紙一重”という点に於いてはその最高傑作である『死霊のはらわたⅡ』が公開されるまだ2年も前の作品なのだ、と言えばその傑作さが分かって貰えるだろうか?

 そしてもう1つ、『フライトナイト』と言えば、その主題歌だ。『堕ちた天使』が有名なJ・ガイルズ・バンドが歌う主題歌『フライトナイト』!コレがまた大好きだったのだなぁ・・・・。当時、ベストヒットUSAやMTVなんかでヘビロテされていたのを思い出す。フロントであるピーター・ウルフが脱退した直後だったのだけど、この曲を聴いて「ピーター・ウルフが抜けてもJ・ガイルズ・バンド、全然問題無いじゃん!」と、きっと誰もが思ったはず、が、その翌年くらいのピーター・ウルフのソロ『Come As You Are』が世に出ると「・・・・やっぱ、ピーター・ウルフだよな・・・・」となったのも事実だろうけど。

 “映画”という娯楽が完全に熟し、もうコレ以上斬新なアイディアもなくベストセラー原作の映画化も殆ど出尽くした今、ハリウッドの旬は、外国(アメリカ以外)映画と過去のヒット作のリメイクである(3D化も含めて)。ま、全く新しいモノに賭けるより、ある程度結果が読めて興行収入も見込める過去のヒット作のリメイクを制作するというこの流れは充分に理解できるし、映画界がその技術も含めて高度成長期であった80年代に映画を観まくった僕ら世代にとってはそれはそれで嬉しい流れでもあったりして。それにしてもこの『フライトナイト』がまた観れるとは!SF映画の金字塔『ブレードランナー』(82年)も遂にリメイクが決まったワケだが(しかも、監督は同じリドリー・スコットで!)、そうなるとあとは『ゴースト・バスターズ』(84年)のリメイク!コレに尽きるだろう・・・・ていうか、何故に未だ作られないのか?不思議なくらいなのだけど。

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