外事警察 その男に騙されるな

 僕の夢は“MI6”(もしくは“CIA”でもいい)。呑んでる席、お姉ちゃんから「普段は何してる人?」と訊かれた際「MI6的な?ま、いわゆる“スパイ”ってやつ?ココだけの話だけどね・・・・」とか大ボラではなく本気で言ってみたいから。コレは以前にもこのコーナー(『007』とか)で2回程同じことを書いてきているから、それだけ「ブレてないぜ!本気だぜ!」ということで。でもこういうのって“軍隊”を持たず”自衛隊”というスタンスを持つココ日本ではなんだかあり得ないよな、と思っていたのだけど。

 核兵器になりえる“ウラン”が日本に流出したとアメリカからの警告を受けた日本政府。同時に、その起爆剤となる装置の情報が震災のどさくさに紛れ東北の大学から盗まれる。それに伴い北朝鮮で核の開発を行っていた日本人博士の確保、そしてウランを密輸したと思われる日本の“輸入会社”社長(韓国人)とその妻(日本人)の捜査を極秘に行う“外事警察”を描く。この“妻”を“二重スパイ”に仕立てあげてゆく外事警察が凄い!情報の謝礼である金を紙切れのようにまき散らし、一般人を“金”で、それに応じなければ“脅し”で仲間に引き込み問題を解決させようとしていく超強引さ。表向きには“犯罪者”である側の人たちから「あんたたちって悪魔だな!」と罵倒される“外事警察”。そこに韓国の諜報部員も交じり南北の抗争も絡めているところがこの映画が“普通の邦画”よりもう一歩踏み込んでいるところだろう。騙されているのか?ハメているのか?一体誰を信じていいのか分からない人間関係。そもそも“正義”とは一体何だろう?と根本的な倫理観に挑戦する疑問。始終誰ひとり笑わない登場人物といい全体の粗くモノトーン的な映像といい、珍しいくらい物凄い硬派な邦画だ。徴兵制のある韓国の俳優がたくさん出ているためか?銃の構え方からなんだか“邦画離れ”していて銃撃戦なんかハリウッドのそれよりリアルな感じすらある。加えて「東北震災のどさくさに紛れて大きな犯罪が起こる」だとか、韓国と北朝鮮それに日本を交えた3ヵ国の緊張関係、そして核の脅威と・・・・よくもまぁこの設定を“今”描けたものだと驚愕すると同時に、コレはもう全く“世界水準”、国内よりむしろ海外でウケると映画なのでは?思うほど。

 この“外事警察”、てっきり架空の物語なのだと思っていたら、本当に実在するのだな。主に、極左暴力集団や右翼団体・日本共産党などに対しての捜査・情報収集を行う”公安警察”・・・・ま、コレは知ってたとして、その中でも外国諜報機関の諜報活動や国際テロを捜査するのが“外事課”いわゆる“外事警察”(Wikipediaより抜粋)なのだそうだ。各国大使館やアメリカの中央情報局“CIA”、それにイギリス情報局秘密情報部“MI6”らとも密接な情報交換を行っている、というのだから驚きだ。っていうかオレ、こういうのがココ日本にあるってのを恥ずかしながらホントに知らなかったのだけど、一般的には周知の事実だったのでしょうか?と尋ねたい。

 僕みたいな呑気なヤツが沢山いて油断している為か?ココ日本は至る所に“盗聴器”が仕掛けられていたりと「スパイ天国」と云われているのだそうだ。もしかしたら自分の自宅にそれが仕掛けられていたとしても何にも不思議じゃないということか。誉田哲也の本『春を嫌いになった理由』で描かれているような“死者が普通に見えてしまって、もう誰が幽霊なのかすら分からない”主人公・瑞希”みたく、もしくは映画『メン・イン・ブラック』のように、実はこの地球上には普通に“宇宙人”が混在しているのだよ、みたいな、そんなノリと一緒で“あなたの親友、実は外事警察なのだよ”という感じか?だとしたら物凄くワクワクする話じゃないだろうか?その仕事内容の性質上、同期の人間ですら詳細な所属や作業内容が分からない上、一般人には勿論のこと同業者(?)である警察官に対しても自身の素性を知られることを嫌い、時には家族にすら正体を隠したりするというのだから、コレは正に“007”のそれだろう?!こんなんがココ日本にもあったなんて・・・・何故それを僕が子供の頃に誰も教えてくれなかったのだろう?誰かが教えてくれればきっと僕の人生は変わってかもしれないのに・・・・。ま、今更言っても仕方が無い。こうなったら後は“一般市民がスパイに仕立て上げられたケース”を狙うしか無い。

 ということで、外事警察の方々、是非僕を誘って下さい。そのスケールはデカけりゃデカいほど大歓迎っす!色々と惜しみなく協力致します!ただ、自分が若干イタイ目に合うのは覚悟するとしても家族は絶対に巻き込まれないっていう案件でお願いします!・・・・なんてちょっと本気で願ってみたりして。・・・・せめて家族にだけでも「うちの父ちゃん、もしかしてスパイ?」・・・・と疑われてみたい。

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