ワイルド・スピード EURO MISSION

 このあいだ、お客様(美容室経営者)であり親戚でもある友人から「ヴァン・ヘイレン行こうぜ」と誘われて東京ドームでの来日ツアーに行ってきた。正直、誘われなければ自身の意志では行っていなかっただろうから彼には本当に感謝だ。いや、ホント行って良かった!元々は去年の秋くらいの来日予定がメンバーの体調不良から延期になり今年の6月になったのだけど、エドワード・ヴァン・ヘイレン(ギター)58歳、兄アレックス(ドラム)60歳、そしてヴォーカルのデヴィッド・リー・ロスが58歳なのだから「体調不良で世界ツアー延期」・・・・ってのも全然納得だし「いつまでも待ちます」って感じだ。オレの親父59で死んでるし。こんなに泣けたLiveってのはポール・マッカートニー以来だったかもしれない。“この歳になってもすげーrockでカッコ良いオヤジたち!”ってのに加え、何より、東京ドーム全体を覆い尽くす「想い」ってのに感動したのだなぁ・・・・巧くは言えないけれど。そもそも、ベースがマイケル・アンソニーに代わりエディの息子ウルフギャングになった時点で世界中の“オヤジ”たちはそれはそれは深い“想い”ってのを味わったはずじゃないだろうか。前ベースのマイケルは抜群の演奏技術を誇りコーラスの要でもあったワケなので、バンドにとってそんな大事な彼をクビにして(少なくともマイケル自身は「いつの間にか辞めさせられていた」と言っている)まだ17~18歳くらいの息子を世界的ビッグ・バンド“ヴァン・ヘイレン”に入れるとは大した“親心”ではないだろうか。その時くらいから往年の“ヴァン・ヘイレン”ファンは理解したはずだ「もう長くは無いな・・・・」と。「オレらはそろそろ終わりだ、次は息子に」とバトンを託したのだろう。だって「エディ・ヴァン・ヘイレンの長男で元“ヴァン・ヘイレン”のベース」という肩書きは間違いなく今後の音楽業界での仕事が約束されるだろうし、正直全く“華”の無い息子ウルフギャングにはとてつもなく重要なことだろう。更に、それに加えヴォーカルが初代のデヴィッド・リー・ロス!世間的には“When It's Love”とか“Why Can't This Be Love”、“Can't Stop Lovin' You"といったサミー・ヘイガーの曲が人気であり個人的にも確かにそれらの曲が好きなのだけど、何故だか僕ら世代にはやっぱりデイヴなんだな。エディ・ヴァン・ヘイレンにその実兄と息子、そして古友(原点)であるデイヴの4人で廻る世界ツアー・・・・なんて小規模でバカデカいロック・ツアーなのだろうか。コレに泣けない“オヤジ”がいるだろうか?ラストの「Jump」で何万人もの“オヤジ”たちが涙目でジャンプ!している場面を共にして泣けない“オヤジ”がいるだろうか?実際にはせいぜい踵が2~3センチ程浮いている程度だったとしても、彼らの心は20年以上前のそれとすっかり入れ替わり、ドームの天井に手が届くほど空高くジャンプしていたはずだから。

 何故だかコレと全く同じような思いを抱いてしまうのが、この『ワイルド・スピード』シリーズだ。全米で初登場1位!アジアでも1位!どこ何処でも1位!とか聞く度、しかもそれを「そりゃそうだろ」とさほど驚きもなく安心して聞く度、バカでかいロックバンドの世界ツアーをイメージしてしまう。そもそも“ヴァン・ヘイレン”の80年代アメリカンrockが『ワイルド~』の持つ世界観とイコールなのだと思うのだ(流石に本編では80'アメリカン・ロックは流れないが)。酒とドラッグと女、そして車。「よぉ、そこのイカした姉ちゃん、オレのデカい排気量のエンジンを積んだモンスター車でハイウェイをぶっ飛ばそうぜ!」と、色んな比喩も含めて80'rockは騒がしく鳴っていたのだ。ヴァン・ヘイレンもモトリーも、エアロもガンズも、みんなそうだった・・・・で、そこにニルヴァーナが現れてPartyをお開きにさせてしまったのだけど。

 “宇宙モノ”とか“家族モノ”とか“殺人鬼モノ”とか・・・・よくは覚えていないけど、ハリウッドには幾つかの王道カテゴリー(ジャンル)があるらしく、常にその辺を「今はどれが当たっているか?」「不足しているか?」ってのを検証しながら製作していくそうなのだけど、その1つに“車”というジャンルがあるのだという。そう考えると“車”ジャンルではこの『ワイルド~』シリーズが圧倒的、どころか今のハリウッドでは唯一の存在であることは間違いなく、そりゃあ、予算だって惜しみなく使われるだろうし(戦車が登場するたった4秒のシーンを撮るのに4ヶ月かけて準備し2ヶ国で撮影とか・・・・っていうか、戦車?!遂には“車”の究極である戦車まで登場!笑)、その見返りとしての興行収入のハードルも抜群に高いのだろう。だから「全米で初登場1位!」の宣伝文句にも「そりゃ、そうだろ」となるワケで。確かに、これだけ世界中から集められた超1級のカスタム・カーを見ることができるのはこの映画の中だけだろうし、ましてやそれらがカー・チェイスを繰り広げるシーンを見れるなんて!車にさほど興味の無い人でも“男”ならば誰もが惹かれるだろう。謂わば、この映画自体が男にとって最高の“玩具”に値するのかもしれない。そう考えるとDVD等の売れ行きが抜群に良いことにも納得できたり。

 正直言うと僕はこの『ワイルド~』シリーズは今まで全然興味の無い映画だったのだけど(その証拠に、もう10年以上続けているこのコーナーで過去作を1度も書いたことがない)、でも何故だろう?コレもヴァン・ヘイレンの影響だろうか?(笑)公開前から楽しみで楽しみでしょうがなかったのだなぁ~・・・・。勿論、過去作も全部劇場で観てきたのだけど、これまではどうにも一種の“お祭りごと”にしか思えず「はいはい、凄いです。面白いですね」と。でも改めて気付いたのだ。コレまではとにかく“車”が主役の映画だと楽しんでいたのだけど、実はこの“物語”ってのがなかなか侮れないのだなぁ・・・・全く現実味の無いカー・チェイス・シーンですら現実的だと共感できるのはこの“物語”にあるのかもしれない。例え、車が一切登場しない映画だとしてもちゃんと成り立つ“物語”がそこのあるのだ。そうか、それこそがこのシリーズの本当の魅力なのだな。

 最新作『ワイルド・スピード EURO MISSION』はなんとシリーズ6作目となるのだそう!回を重ねる毎にダメになっていくハリウッド映画の常識から言ってもこの快挙は凄いだろう。『ワイルド・スピード×3 TOKYO DRIFT』から4作目となる監督ジャスティン・リン曰く「コレで、僕がやりたい!と思っていた車映画のシーンは全てやり終えた。もう監督はしないよ」とある通り、シリーズ的には完結編とは謳っていないまでも、ある意味“最終編”である本作はコレまでの最高傑作であり総集編でもあるワケで(過去作のハイライトシーンで繰り広げられる冒頭からしてそれは明らか)、6作目にして頂点に立つなんてなかなか無いことだろう。が!このラストがまた凄い!!!「え?!彼までも?!・・・・しかも、こいつが出てくる?!・・・・っていうか、誰役だったっけ?!」という桁外れな大物登場&大番狂わせな展開!取り敢えず「第一章」が完結して次回作から「第二章」の始まりってことなのだろう。それにしても、ドウェイン・ジョンソン、カッコ良い~!ついこの前『G.I.ジョー』を一緒に観に行った小4の長男が彼の大ファンになり、偶然にこの『ワイルド~』のポスターを見て「G.I.ジョーのリーダーだ!コレ観たい!!!」とせがまれてまたも一緒に連れて行くハメになったのだけど、いや、確かにカッコ良い。子供を奪われたような嫉妬感を覚えながらちょっと調べてみると同じ歳!「タメかよ・・・・」と思いつつも、先日、子供たちと一緒にやったWiiのテニスで筋肉痛になっている今となっては素直に“両極端”だと認めざるをえない。

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