アメイジング・スパイダーマン 2

 「ゴールデン・ウィーク」という言葉は1951年(昭和26年)の5月3日~5日の連休に、映画会社「大映」が製作した『自由学校』がお正月や夏休みの興行収入を超えて日本映画史上(当時)最高の動員・売上を記録したことから「この連休にみんな映画を観ましょう!」と映画業界の活性化の為に大映常務取締役の松山英夫が(ラジオで最も聴取率の高い時間帯を指す「ゴールデン・タイム」に因んで)命名した・・・・っていう話を、「併せて、11月頭の連休を“シルバー・ウィーク”と名付けてこの日もみんな映画を観ましょう・・・・までは流石に調子に乗り過ぎだろう」という件も含めて僕は毎年この時期に書いているような気がするのだけど、それにしても、今年のGWの映画館は凄かった!連休序盤の“日並び”の悪さや4月の増税に加えて、特に天気の悪かった5日こどもの日!うちも「天気が悪いし映画でも行くか」と、長男&友達チームは『名探偵コナン』を、そして僕と嫁&次男・長女チームは『ネイチャー』を目当てに(観たいと思う他の公開中の映画は既に全部観ていたので比較的地味なこの選択に・・・・)ミッテに行ったのだけど、フロア全体を埋め尽くす物凄い人の列!「チケットを買うまで2時間待ち」と言われTOHOに移動するもやはりこちらも凄い列!そうだろうと思って事前にネットで座席を確保していたので待ち時間はゼロだったのだけど「何故にみんなネットで取らないのか?」「何故に劇場の人もこれだけの長蛇の列を2時間待ちさせといてネット予約だと待ち時間が無くなることを積極的に案内しないのだろうか?」と不思議にも思えてきたり・・・・。とにかく、これだけ多くの人が劇場に並ぶなんて光景は久しぶりで映画ファンとしては何だかとても嬉しい気持ちになった。一昔前、まだアーケード内に映画館があった頃は『タイタニック』とか『シックス・センス』なんかアーケード入口のタカプラ周辺まで長蛇の列が出来ていたものだけど、最近ではなかなか見ない光景だろう。『アバター』の時もここまではなかったと思う。流石“ゴールデン・ウィーク”!

 今年のこの“映画祭り”は、きっと、ディズニーの『アナと雪の女王』を筆頭に『テルマエ・ロマエⅡ』や『相棒 劇場版Ⅲ』の影響が大きかったのではないだろうか?と思う。何故なら、劇場内でしきりに「何時何分の◯◯(特にこの3本の映画名)は満席となりました」というアナウンスが流れ、その度に長蛇の列の間で落胆のため息が聞こえていたから。で、連休恒例のハリウッド大作としては何と言っても『アメイジング・スパイダーマン 2』と『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』の2本柱が要だっただろう(因みに、アメリカでの同時期の興行成績は『スパイダーマン』が圧倒的1位!)。最近の“マーベル”は本当に凄い。『キャプテン・アメリカ』もさる事ながら、本作『アメイジング・スパイダーマン 2』は今のところ間違いなく“マーベル”の最高傑作と言えるだろう。一言で言えば「とにかくバカでかい映画」だ。特に、マンハッタンでのジェイミー・フォックス扮する“エレクトロ”の初登場&初VSスパイダーマンのシーン!もう、思わず「バカバカしい~・・・・」と笑ってしまうほどの桁外れのスケール感。この10分間を劇場の大画面&大音響で体感するだけで1,800円払う価値があると思う。これぞ“ハリウッド超大作!”な歴史に残るワンシーンだろう。

 本作の大ヒットと完成度の高さを思えば、2012年の前作『アメイジング・スパイダーマン』の凄さを改めて実感せざるを得ない。『スパイダーマン』といえば、2002年~2007年のサム・ライミ監督&ハリウッド・大スター組(トビー・マグワイア&キルスティン・ダンスト、ジェイムズ・フランコ)の3部作があまりにも大傑作で有名だったワケで・・・・。その『3』からまだそれほど時間も経ていないにも関わらず始動してしまった「スパイダーマン」新シリーズは、当時はほとんど(っていうか全く)無名の監督マーク・ウェブに託され、まだほんの駆け出しのアンドリュー・ガーフィールドとエマ・ストーンが大抜擢!・・・・コレはもう当事者にとっては「何かの罰ゲームか?!」というくらいのプレッシャーだったろうし、不運としか言いようのないくらい世間からの目は厳しかったはずである。なのだけど、前作はそれらを軽く超越してしまったのだから凄い(少なくとも僕はサム・ライミ版よりは『アメイジング~』の方が断然好きだ)。勝因としてはまず何より、アンドリュー・ガーフィールドとエマ・ストーンの魅力であることに間違いなく、加えてこの二人の“恋愛”に物語の重心を置いた設定に他ならないだろう。金にモノを言わせ、挙句、自己葛藤に陥る脂ぎった中年ヒーローと一線を画す“現代に生きる若者”が主人公という(笑)。それと“軽さ”・・・・この絶妙な“軽さ”が良いのだなぁ・・・・決して“適当”というワケではなく、若さゆえの“軽さ”(というか“ノリ”)が誰にも共感できて心打たれるのだ。流石は『(500)日のサマー』という大傑作恋愛映画を撮ったマーク・ウェブ!敵と対決する時の“軽さ”は頼れるヒーローとしては限りなく魅力的だし(特に、本作でエレクトロを説得しようとするシーンや、前作での地下道にワナを仕掛けて敵が来るまで携帯のゲームで時間つぶしをするシーンとか・・・・)あと、(コレも前作のシーンだけど)学校に怪物が現れてみんな逃げ惑う中、ピーターだけが怪物に向かって走って行くシーン!他の生徒たちは怪物に背を向けて逃げているんだけど、彼女であるグウェンだけは偶然に振り返ってその勇姿を目撃するという・・・・学園ドラマのお約束的なシーンも盛り込まれる本作は“究極のヒーロー映画”だといえるかも知れない。なのだけど、それを裏切る「まさか?!」のラスト!「この定番的な流れで、それは無いでしょ?!」という展開で・・・・更に、そのラストに呆然としている中、エンドロール終了後の出てくるもっと「まさか?!」の登場人物!!!・・・・「マーベル、凄いなぁ~・・・・」としか、もう言い様がない。

 『アベンジャーズ』が世界的にも認知され大ヒットしているけれど、実は“スパイダーマン”もかつて“アベンジャーズ”のメンバーでもある(解散していたアベンジャーズが再結成する際にメンバーに加わったのだそう)。あと、『ファンタスティック・フォー』が倒された際に“ニュー・ファンタスティック・フォー”として活躍していた時期もあるのだそうだ。しかも他のメンバーは“ウルヴァリン”に“ハルク”それに“ゴーストライダー”!こういった背景も踏まえ、来年5月には『アベンジャーズ 2』の公開も控えて全く衰える気配のない“マーベル”だけど、何故にこの巨大フランチャイズに「スパイダーマン」を参加させないのだろうか?と疑問に思っていたのだけど・・・・来年は、6人の悪役ヒーローが組織する犯罪者チームを描いた『シニスター・シックス』と、サム・ライミ版『スパイダーマン3』に登場した黒いスパイダーコスチュームの“ブラック・スパイダー”が主人公の『ヴェノム』が、『アメイジング・スパイダーマン』のスピンオフ映画として公開予定!で、2016年に、それらが連動して『アメイジング・スパイダーマン 3』の公開予定なのだという!なるほど。この『アメイジング・スパイダーマン』シリーズは『アベンジャーズ』に並ぶ巨大フランチャイズとして計画しているのか・・・・それは楽しみだ!対するDCの方も負けじと2016年には『スーパーマン(ヘンリー・カヴィル)VS バットマン(ベン・アフレック)』を公開予定。この空前のアメコミ・ブームはまだ暫く続きそうだ。

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