オール・ユー・ニード・イズ・キル

 スーパースター、トム・クルーズがロボットみたいなパワードスーツを着ている“画”を見ただけで、きっと一般的な大人の方々は「マンガっぽすぎる」と敬遠するのだろう・・・・僕はどんなジャンルの映画でも「拘りってものがないのか?」と言われるほど何でも見境なく観るし、40過ぎても尚、SFやアクションものの“超大作”が一番のお気に入りなのだけど、そんな僕でも流石に本作のポスターは「いやぁ〜、コレはちょっと・・・・」と失笑してしまったほどだったから。だって、“パワードスーツを着たトム・クルーズ”ってのがなんかもう解りやすく完璧過ぎだろう?(当初の予定だったブラッド・ピットだったらまだ少しは違ったのだろうけど・・・・)もしも、そんな敬遠から見逃してしまおうとするならば、こんなに勿体無いことはない。

 舞台は近未来。突如、飛来した宇宙人“ギタイ”により攻撃を受ける人類は、その圧倒的な攻撃力によって地球上を次々に侵略・占領されていた。対“ギタイ”用に開発された「パワードスーツ」を着た兵士たちは猛反撃に出るのだが・・・・という、出尽くされたようなよくある物語。が!本作のキモはそこではない。トム・クルーズ扮する“ケイジ少佐”が基地に到着。翌日初出撃しました、はい、すぐ殺られました。目が覚めたらちょうど基地に到着したとこでした。翌日出撃しました。また殺られました。目が覚めたら基地に到着したとこでした・・・・「戦う、死ぬ、目覚める」というキャッチコピー通り、いわゆる「ループもの」なのだ。うわぁ〜、コレは面白い!メチャクチャ面白い!しかも、その“記憶”だけは残っているので「どうすれば死を回避できるか?」「どうすれば仲間を助けられるか?」更には「どうすれば先に進めるか?」が、死ぬ度に分かってくるという・・・・まるで、ゲームのような物語。加えて、死んだ数だけ戦闘を重ねているので、ケイジ少佐がどんどん強くなりスキルアップしていくってのも面白い。そこに、作戦を共にする女性軍人リタが絡み物語は深みを増していくのだ。美しい女性兵士リタに段々と心を惹かれていくケイジ少佐。もうコレ以上、彼女の死を何度も何度も見たくない、という・・・・。まるで『愛と青春の旅立ち』(82年)のようなラストも含め、本当に“面白い映画”だと断言したい。

 この手の“ループもの”と言えば、やっぱり何と言っても98年の『ラン・ローラ・ラン』か04年の『バタフライ・エフェクト』がダントツでその“金字塔”なのだろうけど、間違いなく本作『オール・ユー・ニード・イズ・キル』はそれらと並ぶ大傑作だと云われるのだろう・・・・ってことは、スーパースターであるトム・クルーズが出ている分、こっちに軍配が上がり、今後“ループもの”と云えば『オール・ユー〜』になるのだろうか?

 本作は桜坂洋が04年に発表したライトノベルを原作とした映画化作品なのだそう。驚いた。日本人の、しかも“ライトノベル”がハリウッドで映画化されるなんて初めてのことではないだろうか?僕は原作は読んだことはないのだけど、確かにハリウッド映画向きのアメリカ人にウケそうな物語で、しかも“いかにも”日本のサブカル的なところがまた良い!コレを機に日本の原作が注目され、どんどんハリウッドで映画化されたりしたら嬉しいのだけど。

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