STAND BY ME ドラえもん

 「このままでは自分らが不幸になる」と、セワシから先祖であるのび太の面倒をみるよう命じられるドラえもん。のび太と一緒に暮らすことを嫌がるドラえもんはセワシによって無理やり「成し遂げプログラム」をセットされる。コレによりドラえもんはのび太が幸せになるまで未来に帰れなくなり、強制的に一緒に暮らすことに・・・・「あぁ、ドラえもんってこんな話だったのか?!」と思ったら、コレは原作にはない本作のオリジナルストーリーなのだそう。更には“のび太が幸せになったら強制的に未来に帰らされる”という設定もまたポイントだ。最初はあんなに嫌がっていたのに、ようやくのび太が幸せになり帰れることになったら「どうしよう、帰りたくない・・・・」という(泣)コレは凄い。原作にはないこの設定を思いついた時点で、本作の勝算はあったのだろう。

 今年から遂にアメリカでも放送が始まった「ドラえもん」!(っていうか、これまで世界35カ国で放送されていたのに、アメリカでは未だ無かったという事の方が意外な気もしたが・・・・)その「ドラえもん」初の3DCG映画となる本作は、藤子・F・不二雄生誕80周年記念作だ。原作第一作「未来の国からはるばると」から始まり、しずかちゃんへプロポーズをするエピソード「雪山のロマンス」を経て結婚式前夜を描いた「のび太の結婚前夜」、からの〜「さよならドラえもん」のオリジナル・エピソード4本を再編集し1本の長編物語になっているという、要は「のび太としずかちゃんの恋愛ドラマを軸に、ドラえもんとの出会いから別れまで」を描いた壮大な1本の物語なのだ!オリジナルの良さを活かしつつも、ただそれを3DCGにしただけではなく、全く新しい物語に・・・・いや、歴史ある「ドラえもん」をたった1本の映画に凝縮してしまったような大傑作である(因みに僕は、ドラえもんが初めてのび太の机の引き出しから出てくる〜という物語は観たことがなかったので新鮮だった。それと、劇中、大人になったのび太が「ドラえもんは僕が子供の頃の友達だから、会うのはやめとく・・・・」と寂しく語るシーンがあるのだけど、ってことは、やはりドラえもんとのび太の決定的な別れはあるってことで・・・・いつかそのエピソードが観てみたい!と思ったり・・・・)実際に観る前は「いっしょに、ドラ泣きしません?」というキャッチコピーに正直「泣かそうという映画なのか?」という斜に構えた感情も抱き「そっちがその気なら絶対に泣かないぜ!」と抵抗もあったのだけど(笑)制作サイドからはそんな意図は全く感じなく、むしろ淡々と物語が描かれているのも本作の魅力だと思う。でも、やっぱり泣けるのだ・・・・だって、オリジナルがどうしたって泣ける話なのだから。もう一つのコピー「すべての子供経験者の皆さんへ」の通り、明らかに“大人”をターゲットにした映画なのだけど、一緒に行った小学生の子供たちも泣いていたので「流石、ドラえもん!」って感じであった(笑)。正に“老若男女”泣ける映画!

 今年42歳になる僕は、間違いなく「ドラえもん世代」だ。で、小学生の僕の子供もやはり「ドラえもん世代」と言えるのだろう。(69年に始まったというからギリギリ50代半ばくらいまでか?60代はもう「ドラえもん世代」とは言えないのかもしれないが)この、世代や性別を超えた愛され方は正に“国民的”!今まで「ドラえもんが嫌い」という人に会ったことないし。僕も幾つかのDVDセットを持っていて、新旧の同エピソードの違いを語れるくらいに“ドラえもん好き”だと豪語しているけれど、マニアックなまでに好きな人は本当にメチャクチャ詳しかったりして、そんな人と“ドラえもん話”をすると僕なんか全然ついて行けなく・・・こういうところでもまた「ドラえもん」の歴史の長さと奥深さを実感させられたりするものだ。

 「ドラえもん」には“泣き”のエピソードが多いってのも有名だけど、本作『STAND BY ME』では、その中でも有名な大傑作「のび太の結婚前夜」と「さよならドラえもん」が描かれているというのがポイントだろう。コレで泣けない人は、この機会に色々と考え直してみてはどうだろうか?因みに、僕個人的にはやっぱり「おばあちゃんの思い出」だ。(79年、86年、06年とこれまで3度にわたって作られているけど、中でも86年版が最高!)コレはもう何度観ても毎回絶対に泣けてしまう・・・・。家族で見る時、子供たちは3人してテレビ画面ではなくずっと僕を観ていて、「そろそろ泣くよ・・・・・ほら、泣いたぁ〜!(笑)」といっつもからかわれるのだけど、それでもやっぱり泣けてしまうという(笑)。

 本作は「ドラえもん」史上、間違いなく一つの節目となる作品だろう。今後、ジャン・レノが登場する“実写版”はまず無いとして、ココまでリアルに描かれた「ドラえもん」は後にも先にももう無いだろうから。あと、秦基博の主題歌「ひまわりの約束」もかなり良い!『鉄人集団』の主題歌「友達の唄」(BUMP OF CHICKEN)以来の名曲だと思う。歴史に残る大傑作。劇場の空間で心底「ドラえもん」に浸ってもらいたい。お見逃しなく!

一番上にもどる      ホームヘもどる