ケープタウン

 最近多発する“子供が犠牲になる事件・事故”。本当に心痛まれるものだ。悲しみを通り越して怒りすら覚えるほど。どうしたというのだろう?ちょっと前まではハリウッド映画を見ながら「子供の通学を専用バスとか車で送り迎えしなければいけないなんて、こんな治安の悪い国は大変だなぁ・・・・」と思っていたけれど(ま、学校までの距離の問題もあるのだろうが)、ココ日本もそんな国になってきているのだろうか。確かに、うちの子供が通う小学校にも我が子を車で送り迎えしている親もいるし(決して歩けない距離ではない)、理解不能な事件をニュースで見る度、僕自身「娘が学校に通うようになったら送迎をしてやらなければ・・・・」なんて親バカ心で思うものだ。

 舞台は南アフリカ、ケープ州にある“ケープタウン”。1.元・有名ラグビー選手の娘が撲殺死体で発見される。2.スラム街の子供が次々と行方不明になる。3.突如、尋常じゃなく凶暴化する若者。4.その辺のゴロツキが何故か最新武装していた。5.わずか11歳の子供が自殺とか殺し合い。6.海辺にある謎の空き家。7.ずっと追っていたラグビー娘の犯人が惨殺死体で発見される・・・・どう?メチャクチャ面白そうでしょ?!人から「こんな映画だよ」と聞けば僕は絶対に観たくなると思うのだけど(笑)。で、それらに共通するのは未知の分子を含む新薬物・・・・「な〜んだ、結局“ドラッグ”か」と思いきや、それをまた更に一歩踏み込んだ展開が凄い!そうそう、それこそ“ドラッグ”なんて異国の問題だと思っていたけれど、最近は“脱法ハーブ”?なるモノも国内で蔓延しているようで・・・・。マリファナくらいはいいんじゃないか?と昔から勝手に思っている僕ですら、ニュースを見る度にいくらなんでも“脱法ハーブ”はダメだろうと思わせる質の悪さ。少量であんなになるなんてよっぽど酷いモノであるのは誰でも想像できるのに、そんなモノがココ日本にも蔓延してきているなんて・・・・一体どうしたというのだろう?

 この映画は冒頭のシーンから全編を通してとにかく重くて暗くてイタいのだけど、にも関わらずこんなにもスタイリッシュに見せるのはフォレスト・ウィテカーとオーランド・ブルームの主演2人による功績に他ならない。この2人がW主演なんて!?この組み合わせでやれば大概の映画はスタイリッシュになるでしょ、って感じだ。まず何と言ってもフォレスト・ウィテカー!『フォーン・ブース』(01年)や『ラストキング・オブ・スコットランド』(06年)、それに『大統領の執事の涙』(13年)等など、味のある奥深い役で印象に残ってきた名優で、何か分からないけど物凄い“お洒落な雰囲気”があるのだなぁ〜・・・・大好きな俳優だ。それと、その相棒役に、オーランド・ブルーム!『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ(01年〜)や『パイレーツ・オブ・カビリアン』シリーズ(03年〜)で大ブレイクした、言わずと知れた超イケメン俳優だ。なのだけど、今まであまりにも正統派イケメン俳優過ぎてどうにも好きになれなかった・・・・ってのは、きっと僕だけではないんじゃないだろうか?が!本作での彼は凄い!まるで79年の『マッドマックス』の“マックス”ような・・・・いや、それ以上の荒くれキャラ!いっつも酒浸り、女浸りという・・・・個人的に最高に大好きなキャラをまるで地で行くようなダメっぷり(カッコ良さ!)もう僕はきっぱりと「オーランド・ブルームの大ファンです」と公言したい。これまで正統派のイメージがあったフォレスト・ウィテカーとオーランド・ブルームだけど、そのイメージを覆す貴重な1本だ。

 こんなに凄い映画を撮ったのはジェローム・サル監督!・・・・って、誰?すみません、僕は監督についてはよく知らないのだけど、全編を貫く雰囲気はまるでデヴィッド・フィンチャーの『セブン』(95年)と、フェルナンド・メイレレスのブラジル映画『シティ・オブ・ゴッド』(02年)を足して2で割ったような感じだし、エンタメ感は『リーサル・ウェポン』(87年)のメル・ギブソンとダニー・グローバーに匹敵する傑作“バディ・ムービー”!・・・・にも関わらず「続編はもう創れないよね?」というラストの絶望感というか潔さまでも含めて、これほど魅力的な映画はなかなか無いと思う。映画ファンは必見(勿論R指定)。

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