ベイマックス

 公開されてからもう随分経っているので既に観た人も多いだろうけど、やっぱりこの冬は『ベイマックス』だろう。ディズニーの長編アニメとして54作目となる本作は、ディズニー史上最高の記録を樹立した『アナと雪の女王』(13年)の次作ということもあり、いつにない期待と注目度を世界中から集めていたはず。それほどの大きな期待を全く裏切らない本作は「やっぱ、ディズニーすげぇなぁ~・・・・」の一言に尽きる大傑作だ。『アナ雪』が女の子向けの大傑作だとすれば『ベイマックス』は男の向けの大傑作といったところだろうか。ココ日本ではあの『妖怪ウォッチ』と公開日が同日で、世紀のガチンコ対決か!?と思いきや、劇場の長蛇の列&満席案内はどれも『妖怪ウォッチ』ばかり・・・・まさかディズニーですら相手にならないとは!恐るべし『妖怪ウォッチ』。正直、その作品レベルやクオリティ・物語・完成度、どれを取っても『ベイマックス』の方が数段どころか数百段も上を行っているのに(勿論僕だって『妖怪ウォッチ』も観たけれど)この扱いは何なのだ?!良くも悪くも、日本の独自文化というのは素晴らしくも恐ろしい・・・・。本当に、良くも悪くも。子供たちが周りの反応に流されることなく、しっかりと自分の目と心で本当に良いものを判断できるようになってもらいたいと心から願うばかりだ。

 舞台は近未来の“日本”がベースとなっている架空都市“サンフランソウキョウ”。主人公は14歳の科学オタク“ヒロ・ハマダ”だ。大学の火災により最愛の兄タダシと、尊敬するロバート・キャラハン教授を同時に亡くし意気消沈する日々を送っていたある日、兄が作った“ベイマックス”が作動。「傷ついた人の心とカラダを守る」ことをプログラムされたケアロボット“ベイマックス”に対しおせっかいでウザいと感じながらも行動を共にするうち、学校の火災が実は何者かに仕組まれた陰謀だったのでは?そのせいで兄は命を落としたのでは?という疑惑が浮上・・・・と同時に、ヒロが開発した“マイクロボット”が大量に作られている現場を発見する。黒幕は誰なのか?!一体、何のために?!兄の復讐のため、戦闘力は勿論、戦闘意欲も全くゼロの“ベイマックス”を改造し仲間と共に敵に立ち向かう!・・・・というストーリー。ポイントは“ベイマックス”は自分を起動させた主人から「ベイマックス、もう大丈夫だよ」と言われるまで任務を完了できず、ご主人の元を離れられないということ。

 09年にディズニーがマーベルを買収した後、映画化できそうなのは?と探してコレだったのだそうで、本作は初のマーベル・コミックが原作となったディズニー作となる。正に「ディズニー×マーベル」夢の1本だ。その原作となったのは「ビッグ・ヒーロー・シックス」というコミックで、「広島と長崎への原爆投下によって被害を受けた日本は核兵器を廃絶し、その代わりに自国を守る手段として超能力を持つ人間を集め、ビッグ・ヒーロー・シックスを結成した(wikipediaより)」という・・・・正直、僕は日本を舞台にしたマーベル・コミックが存在していたことすら知らなかったので驚いた(しかも初版は98年!?そんなに昔でも無いし)。が、連載開始からわずか一年足らずで打ち切りになったのだそうで・・・そりゃあそうだろ、こんな設定の漫画がアメリカで人気が出るとは思えない。しかし、興味を持って調べれば調べるほど本作『ベイマックス』はオリジナルを忠実に~とは言い難い、どころかかなりオリジナルとは異なる物語設定だとは思うけど、とにかくこの原作をよくぞディズニー映画として持ってきたなぁ~って感じである。

 マーベルと言えば、「アベンジャーズ」に「スパイダーマン」、「トランスフォーマー」、「アイアンマン」、「キャプテン・アメリカ」、「ハルク」、「マイティ・ソー」、「Xーメン」、「ファンタスティック・フォー」、「ブレイド」、「デアデビル」・・・・などなど、代表作を挙げればキリが無いが、コレもディズニーの傘下に入ってからだろうと思う。だって、僕は少なくともつい最近まではせいぜい「スパイダーマン」と「トランスフォーマー」くらいしか知らなかったから。やっぱ、ディズニーが凄いのだなぁ~・・・・。 基本、ヒーローものを中心とした子供向けの漫画なのにも関わらず「全年齢」から「9歳~」「13歳~」「15歳~」「18歳~」という自社レイティング(対象年齢)を設けているところもまた粋じゃないか。この際、「スーパーマン」や「バットマン」の DCコミック まで買収したら色んなしがらみが無くなって夢が広がると思うのだけど・・・・。

 オープニングとして同時上映された短編『愛犬とごちそう』も実にディズニーらしい、温かく素敵な1本だ。もうこの時点で観客はすっかりディズニー・ワールドに惹き込まれているのだな。『妖怪ウォッチ』だけ連れて行ったお父さん・お母さん、子供たちに是非とも『ベイマックス』の方も観せてあげて頂きたい!

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