ミュータント・タートルズ

 ラファエロ、ミケランジェロ、レオナルド、ドナテロ、というルネサンスを代表するイタリア芸術家の名前を持つ、身長180cm以上ある巨大な亀の忍者が悪に立ち向かい平和を守るヒーローアニメ。それが「ミュータント・タートルズ」だ。数あるヒーローアニメの中でコレほど“ヒーロー然”としていない容姿を持ち、にも関わらず絶大な人気を誇っているってのは彼らくらいだろう。何と言っても「亀」なのだ。しかも可愛くもカッコよくもない・・・・と思っていると、見ているうちに段々と可愛くもカッコよくも見えてくるから不思議だ。

 アメコミと云えば「DC」か「マーベル」だろうと思い込んでいたのだけど、この『ミュータント・タートルズ』は「ミラージュ・スタジオ」なのだそう。へぇ~、ミラージュ・スタジオかぁ・・・・何それ?世界的な知名度になるほどのアメコミを輩出したスタジオが先述した2大巨頭以外にもあったのだという事実にまず驚く。それにしてもこの『ミュータント・タートルズ』、個人的にはもう随分昔に流行ったシリーズだと思っていたのだけど何故に今?しかも小学生の子供たちが予告編を観て「あ!ミュータント・タートルズだ!この映画観たい!!」と言うので何故知っているのか訊いてみると、最近“Hulu”で配信されていたのだそう(それを聞いてすぐに僕も観てみようと試みたのだけど、既に配信は終わっていたようで見つけきらなかった)。調べてみると、03年からアニメシリーズが再スタートし、その後いくつかのシリーズやCGアニメ版を経て2012年には更なる新シリーズがスタート!最近では日本でも放送が開始されるほど人気を高めているのだそう・・・・今でも続いていたなんて全然知らなかった。で、本作はその生誕30周年を記念して制作された実写版となる。

 実写版といえば、もう25年も前になる90年のスティーヴ・バロン監督作『ミュータント・タートルズ』から、91年の『2』、93年の『3』と続く3部作が有名なので(特に『1』は当時一世を風靡していたM.C.ハマーが音楽を担当したことで話題に!)子供たちが観たのはきっとコレなのだと思う。主要キャラの名前を殆ど知っていたくらいなので、相当に面白かったのだろう。で、今回の最新作『ミュータント・タートルズ』、コレは凄い。正に子供から大人まで老若男女楽しめる一本!彼らの見た目に惑わされてはいけない。かなり本格的なアクション映画に仕上がっているのが最大のポイントだ。加えて、昔の映画は(良くも悪くも)着ぐるみ感満載だったけれど、流石に本作はフルCGで表情豊か!それが物語に奥行きを与えているのだ。全米では去年2014年の夏に公開され、『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』に抜かれるまで2週連続首位という大ヒットを記録し、来年16年には続編の公開も決定しているのだそう。キメ台詞の「カワバンガ!」も健在!子供の頃にファミコンのゲーム「ミュータント~」で遊んでいた世代にもきっと「懐かしい~!」と楽しめると思う。因みにこの「カワバンガ」、恥ずかしながら僕は今まで『ミュータント~』のミケランジェロが考えだした何かの造語だろうと思っていて、どういう意味なんだろう?と調べてみると「60年代のサーファー文化におけるスラングの一つである。主な使用例として、サーフィンでうまく波に乗ることができたときに発せられる「やったぜ!」などがある(Wikipediaより)」とのこと・・・・改めて僕は『ミュータント・タートルズ』のことを何一つ知らなかったのだと実感する。

 物語は、ニューヨークで暴れまわる悪の犯罪組織フット軍団に立ち向かう“ニンジャ・タートルズ”の活躍を描く、という・・・・もう本当にコレだけの映画だ。物語にダークな要素を加え展開を二転三転させる“大人のテイスト”が最近のアメコミ映画の主流だったけれど、本作はもう潔いほどにストレートな物語。そのお陰で映像に集中できるのだ。あと、原題が「Teenage Mutant Ninja Turtles」とある通り、主役の4人がまだ10代だということもポイントだ。“若気の至り”的な無謀な勢いと軽いノリが気持ちイイ!元ネタが子供向けの漫画であるが故に逆にリアルで難解な物語がカッコ良いとされてきたアメコミ映画の歴史を、もしかしたら大きく変える偉大な一本かもしれない。

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