ドラえもん 新・のび太の日本誕生

 のび太を取り巻くいつものメンバーが家出を決意し、誰もいない7万年前の日本に住むことにする。一方、現代の日本(っていうか、のび太んちの屋根の上)には、時空乱流により7万年前の中国から少年クルルがやってきて・・・・。その少年クルルの家族を含むヒカリ族は“ギガゾンビ”という精霊王に囚われていたのだ。で、そこは映画(アニメ)なので、当然ながら両者が偶然に出会い「じゃ、その“ギガゾンビ”からヒカリ族を救い出そう!」ということに。89年に公開された映画「ドラえもん」10周年記念作品『のび太の日本誕生』のリメイク作が、今回の最新作『ドラえもん 新・のび太の日本誕生』だ。

 去年か一昨年だったか?遂にアメリカでも放送が始まった「ドラえもん」。とっくに海外でも放送されていた「ポケモン」や「クレヨンしんちゃん」「ドラゴンボール」なんかを考えると、「っていうか、まだアメリカでは放送されてなかったの?」と疑問に思ったのは僕だけではないだろう。「何故今までアメリカで放送されなかったのか?」&「フランスでは放送禁止」とかいうネタは、ネットではのび太のダメさ加減が理由とされているけれど、真相はどうなのだろうか?前作『のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ)』はアメリカ市場で認知度が広まってから初の劇場版だったのであんなことになってしまったのは仕方無いとして(どんなことになってしまったか?は、ココ Go to Theaters で過去に紹介した『ドラえもん のび太の宇宙英雄記』を読んで頂きたい。あの時は絶賛公開中!だったのであまり書けなかったのだけど、アレは僕にとって正直「ドラえもん史上一番残念な映画」だった)、今回は謂わば“世界基準第二弾”。“続編”というのはバックボーンにある基本設定や人物紹介は既に終わっているので、そこを飛ばして物語に入れる為その真価を問われる重要な一本になるワケで・・・・。で、選ばれたのが『のび太の日本誕生』(89年)のリメイク!前作『宇宙英雄記』終了後の特別映像で、例の“色々な食べ物が入っている大根”と物語のキモとなる“ペガサス”が出てきたのでドラ好きの間では「次回はアレか」と既に分かっていたのだけど、ホント「なるほど~」って感じの選択だと思った。

 家出をするにも日本中何処の土地も誰かの私有地であり巧くいかず、挙句「まだ日本が誰の物でもなかった時代に行きたい!」と。が、そこも他所(未来)から来た“よそ者”が先住民を奴隷として扱い、自分の私利私欲のために住みやすい場所を作っていこうとしていて・・・・。「この地球(土地)は誰のものなのだ?」という、深いようで全然深くないストレートなメッセージ性と、そこが「ドラえもん」にとっての巨大な“新規客”であるアメリカの歴史と被るため、やはり今回のターゲットも明らかに~とかってのを探るのは野暮なことだろう。オリジナルはもう27年も前の映画だというのに、最新作である本作は細部に至るまで結構そのまんまなのがある意味凄い(例えば、家出をする為に住むカプセル(?)のデザイン・設定が全く同じだったり、昼食でとる食べ物がハンバーガーってのは「流石に今回用に合わせてきたな」と思いきやオリジナルもやはりハンバーガーだったり・・・・)。今見ても近未来な世界観が27年前に既に作られていたってのは改めて「ドラえもんって、やっぱ凄い!」って感じだ。

 「ドラえもん」の劇場版と云えば毎回話題になるのがその主題歌なのだけど、今回は山崎まさよし「空へ」。因みに89年のオリジナル版の時は西田敏行の「時空の旅人」(作詞:武田鉄矢、作曲:堀内孝雄!)で、考えてみたら80~90年代当時からその主題歌は海援隊(武田鉄矢)を中心に、小泉今日子とか矢沢永吉、SPEEDなど、なかなかの大御所が名曲を提供していたのだな。最近ではBUMP OF CHICKENの「友達の唄」や、Perfume「未来のミュージアム」、秦基博「ひまわりの約束」なんかがヒットしたけど、今回の「空へ」もそれらを担う名曲なんじゃないだろうか。1980年3月15日に公開された映画版第一作目『のび太の恐竜』から、毎年決まって春休み前のこの時期に公開される「ドラえもん」。うちでは『新・のび太と鉄人兵団』(11年)辺りから毎年家族全員で「ドラえもん」の新作を公開二日目(公開初日は土曜日で仕事が休みじゃないため、翌日曜日)に観に行くのが恒例となっているのだけど、この春に中学生になる長男が「僕は行かない」と、とうとう言い出しやがった。「いやダメ。一緒に行くぞ」と強引に連れて行ったのだけど、長男の隣で映画を観ながら「コレが最後かなぁ~」と、ちょっと涙が出た(笑)。無理やり連れて行ったにも関わらず「面白かった~」という長男。やっぱり「ドラえもん」は凄い。老若男女みんな大好きなのだ。

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