シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ

 例えば、大怪獣が街中で大暴れしている中、颯爽と現れたウルトラマンに投げ飛ばされやっつけられる・・・・のだけど、豪快に投げ飛ばされた先にはビルが立ち並んでいて大怪獣の下敷きになり壊滅状態に。むしろ、被害は拡大しているのではないか?確かに戦闘に犠牲は付きものかもしれない。なのだけど、そこにウルトラマン側の責任は全く無いのか?“善”として戦ったから許されるのか?そもそも善悪の区別はどのラインでひかれるのか?・・・・など、きっと誰でも一度は考えたことがあるのではないだろうか。ヒーローものとしてある意味グレーゾーンであったこの問題に真正面から向き合う物語が本作『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』だ。最っ高に面白かった。

 先述した問題から、これからは国連の下にアベンジャーズを置き、政府の指示で出動させることにしよう!という“ソコヴィア協定”を提案される(というか命令される)アベンジャーズ。その協定には100カ国以上が加盟し、もはや断れる術もない状態なのだが「自分の責任は自分で取る!誰の管理下にもならないぜ!」と断固反対するキャプテン・アメリカ。対して「確かに沢山の罪なき人々を巻き込んでしまった」と自責の念に囚われていたアイアンマンは“ソコヴィア協定”に賛成する。正にその行方を決める大事な国連会議の最中に爆弾テロが勃発!その犯人はなんと、前作『キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー』に登場した“ウィンター・ソルジャー”ことバッキーだとされ指名手配されるのだが、共に戦ってきた親友であるバッキーが犯人なワケはない!と政府に楯突き彼を守ってしまったキャプアメ。コレを機に、既に政府の下で動いていたアイアンマンと完全対立することに。

 本作は『キャプテン・アメリカ:ザ・ファースト・アベンジャー』(11年)そして『キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー』(14年)に続き「キャプアメ 3」となるのだけど、(ハルクとソーこそ出てこないものの)「アベンジャーズ」は勢揃いしているし、それに加えて『アントマン』(15年)や「スパイダーマン」まで登場!という、マーベル・コミック・ヒーローが大集結する超大作だ。こうなってくると『アベンジャーズ』(12年~)シリーズと一体何が違うのか?じゃあ「アイアンマン 4」ではいけなかったのか?とか、色々と疑問も湧いてくるのだが(笑)。原作でも絶大な人気を誇るこの「シビル・ウォー」はそもそも「キャプテン・アメリカ」中のエピソードではなくクロスオーバーイベントとしてて発表されているらしいので、むしろ「アベンジャーズ 3」としての方が正解のような気もするのだけど、やはりアベンジャーズが内部対立するという内容からは「アベンジャーズ」シリーズ中の一作としてはしっくりこないのかもしれない。何にしろ「キャプテン・アメリカ」チーム(ホーク・アイ、スカーレット・ウィッチ、アントマン、ファルコン、ウィンター・ソルジャー)VS「アイアンマン」チーム(ブラック・ウィドウ、ヴィジョン、ブラック・パンサー、ウォーマシン、スパイダーマン)の闘いは間違いなく映画史に残る大決戦なので、是非とも劇場の大画面で体感して頂きたい。

 本作の最大の話題は何と言っても「スパイダーマン」が初参加!という点だろう。公開前はカメオ出演と噂されていたけれど、そんなことはない!「アイアンマンとそんな関係だったの?!」という衝撃エピソードを経て、かなり重要な役どころで登場。元々、原作ではアベンジャーズのメンバーであるスパイダーマンだけど、ディズニー傘下であるマーベルの「アベンジャーズ」に対し「スパイダーマン」はソニー・ピクチャーズが権利を所有していたため今までは“大人の事情”で共演が叶わず・・・・が、今回、ソニーとマーベルがパートナーシップ提携をしたために実現となったそう。ソニー・ピクチャーズは、サム・ライミ監督&トビー・マグワイア主演の「スパイダーマン」三部作(02年~07年)の大ヒットの後、調子に乗って更にあと3本+スピンオフ1本の製作を発表したものの、肝心のサム・ライミが降板。「じゃ、オレも」ってな感じでトビー・マグワイアも降板したんで、マーク・ウェブ監督&アンドリュー・ガーフィールド主演の新シリーズを製作!主演が代わったために「4」ではなくリブート作として『アメイジング・スパイダーマン』(12年)として発表するも、『2』(14年)の興行成績が振るわなかった為にソニーがマーベルに歩み寄り先述したパートナーシップ契約を提携。それにより「アメイジング~」シリーズは『2』で打切りになってしまったのだけど(僕は個人的にこの徹底した漫画チックな演出とアトラクション的な映像が大好きだっただけに残念)、代わりにスタートするのが今回登場するトム・ホランド版スパイダーマンというワケだ。この青臭さがきっと原作の学園モノである「スパイダーマン」にピッタリなのだろうけど、トビー・マグワイアが大好きで、ようやくアンドリュー・ガーフィールドにも慣れてきたのに、このブサイクな小僧は誰だ?と思ってしまったのはきっと僕だけではないはず。とにかく、トム・ホランド主演の新シーズン『スパイダーマン:ホームカミング』は来年夏公開なので、それ以降に期待するとしたい(それと、本作に登場するチャドウィック・ボーズマンの「ブラック・パンサー」も来年公開予定!)。

 08年からスタートした「アベンジャーズ・プロジェクト」。『アイアンマン』(08年)、『インクレディブル・ハルク』(08年)、『アイアンマン 2』(10年)、『マイティ・ソー』(11年)、『キャプテン・アメリカ:ザ・ファースト・アベンジャー』(11年)、『アベンジャーズ』(12年)までを「フェイズ 1(シーズン 1)」として一区切りした後、「フェイズ 2(シーズン 2)」は『アイアンマン 3』(13年)を皮切りに『マイティ・ソー 2:ダーク・ワールド』(13年)、『キャプテン・アメリカ 2:ウィンター・ソルジャー』(14年)、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(14年)、『アベンジャーズ 2:エイジ・オブ・ウルトロン』(15年)を経て去年の『アントマン』(15年)で終了。そして、シリーズ13作目となる本作『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』から「フェイズ 3」がスタートするようで、引き続きベネディクト・カンバーバッチ主演の『ドクター・ストレンジ』をはじめ、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 2』、『スパイダーマン:ホームカミング』、『マイティ・ソー 3:ラグナロウ』、『ブラック・パンサー』、『アベンジャーズ 3:インフィニティ・ウォーPART1』、『アントマン&ワスプ』、『アベンジャーズ 3:インフィニティ・ウォーPART 2』(全て公開日未定)までが決定しているとのこと。既にこの「フェイズ」の中に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ(14年~)が入っているのでいずれ合流するのは間違いないとして(『アベンジャーズ 3』辺りか?)、気になるのが、『アベンジャーズ 2:エイジ・オブ・ウルトロン』(15年)から登場し、本作『シビル・ウォー』でも要となる“スカーレット・ウィッチ”の存在。彼女はそもそも『X-MEN』(00年~)シリーズ最強のミュータントで知られる“マグニートー”の娘なので、『X-MEN』シリーズも合流してくるのか、どうなのか?まだまだ巨大化してきそうなアベンジャーズ・プロジェクト。次作以降も楽しみだ。

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