ロスト・バケーション

 先日、とあるニュースサイトで「人間を殺す生き物ランキング(一年間当たりの死者数)」みたいなコラムを読んだのだけど、真っ先に思い浮かんだのがサメだった。やっぱ、人を襲う生き物といえばサメだろう。が、サメは意外にも10人(全世界中での年間死者数)で14位。で、次に浮かんだのがクマ。秋田で熊に襲われて何人もの犠牲者が出ているというニュースが記憶に新しかったので。しかしクマはランキング圏外。上位を見ると2位は“人間”で年間なんと47万5000人!サメの10人に比べて恐るべき数字である。殺人や交通事故、更には戦争やテロなどによるもので、そうか、そうだよな・・・・と思うも、逆にそれでも2位?!じゃ、1位は?っていうとなんと“蚊”なのだそう。年間に72万5000人にもなり統計が取れない地域を合わせれば150万〜200万人になるのでは?とのこと。2位の“人間”の実に3〜4倍もの犠牲者が出ているってのが凄い。因みにそれは蚊取り線香の「フマキラー」がインドネシアで絶好調!という記事だった。

 世界中の誰もが「人を襲う生き物と言えば?」と訊かれたら真っ先にサメを思い浮かべるだろうと思っていたのだけど、試しに小学生になるうちの次男に訊いてみたらピラニアと答えた。長男の中学生はワニ。このイメージの違いは何なのだ?と考えると・・・・当時、この映画のせいで海に入れなくなったという人が続出し社会現象まで巻き起こしたスティーヴン・スピルバーグの大傑作『ジョーズ』(75年)なんじゃないかと。僕自身、今でも海に行けば(「スター・ウォーズ」や「スーパーマン」、「E.T.」に「インディ・ジョーンズ」などでお馴染みの)ジョン・ウィリアムズが手掛ける例のテーマソングが頭の中で流れ出し、いつ海面からあの背びれが出てくるか想像してしまうくらいトラウマになっている。その後、続編としては当時最高興行収入を記録した『ジョーズ 2』(78年)を経て、史上初の3D映画として公開された『ジョーズ 3』(83年)に続き「クソ映画」として歴史に残る『ジョーズ 4 復讐篇』(87年)をもって完結した大ヒットシリーズ。「サメが怖い」ってのは、もしかしたら僕の世代的な話なのか。何にしろ映画の影響力ってのは凄い。その後も『ディープ・ブルー』(99年)や『オープン・ウォーター』(03年)みたいな傑作もあったけど、この『ロスト・バケーション』、「サメ映画」としては『ジョーズ』以来と言っても過言ではないほど久しぶりの大傑作じゃないだろうか。

 亡き母から教えてもらった秘境のビーチを訪れた医学生のナンシー。サーフィンを楽しむ彼女に突如悲劇が!はい、サメ登場〜!足を噛まれ大量に出血しながらもなんとか岩場に逃げ込むが、満潮のために徐々に岩場も浸水してきて・・・・岸までの距離は200メートル。どんどん沈んでいく岩場の廻りを旋回するサメ。絶体絶命の中、彼女が決意した作戦とは?!本作のポイントは、主人公ナンシーが医大生という設定なので応急処置能力にも長けていて、サメの行動パターンを見極めて生き残るための作戦を練っていくというサバイバル要素にある。この辺は『ゼロ・グラビティ』(13年)や『オデッセイ』(15年)、『キャスト・アウェイ』(00年)なんかに近いかもしれない。それと、きっと誰もが「行ってみたい〜!」と憧れる美しいビーチを舞台に登場人物はほぼ一人という設定で描かれるので、パニックモノとしては勿論だが、ワンシチュエーション・ムービーとしてもかなりの秀作だと思う。

 全編に渡ってほぼ主人公のナンシー(とサメ)だけなのでナンシー演じるブレイク・ライヴリーの一人芝居に近く、どうやったって彼女に共感し惹かれてしまうワケで。“頭のキレる大人の女性”として物凄く魅力的に感じるブレイク・ライヴリー・・・・って誰だ?ハリウッドにはこんなに凄い無名女優がまだいたのか?!と、調べてみるとTVドラマ『ゴシップガール』で有名な〜とのこと。しかし僕は『ゴシップガール』を観たことがないのでやっぱり「だから誰なのだ?」となり、もっと調べてみると結構な数の映画に出演しているのだな。でも僕はその殆どの映画を観たことが無く、唯一観たベン・アフレック監督&主演の『ザ・タウン』(10年)も彼女が何役だったかすら思い出せなく・・・・。とにかく、間違いなく今後大ブレイクするであろうブレイク・ライヴリー、次作が楽しみだ。いやぁ〜面白かった!この夏の思い出づくりに是非。

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