マイ・ベスト・フレンド

 小学生からの幼なじみで大の親友同士であるミリーとジェス。公私共に幸せな生活を送っていた二人だが、ある日ミリーに乳がんがみつかり、ちょうど同じ頃、ずっと不妊治療を続けてきたジェスに待望の子供ができる。お互いを気遣うあまり友情に溝が深まる二人・・・・ま、粗筋はコレくらいで充分だろう。余命が限られた“がん患者”を描いた物語(映画)ってのは今まで沢山あっただろうけど、本作のポイントは、とにかく「女性同士の友情」を描ききっている点に尽きる。“乳がん”や“出産”とか、どうにも男には共感し辛い・・・というか「共感できる」が嘘になってしまうエピソードで畳み掛けてくるので本作が女性向けなのは間違いなく、ハッキリ言って男性が一人で劇場に行くのは抵抗があるくらいの作風なのだけど、コレはもう男女関係なく観て頂きたい。できれば恋人同士とか夫婦とかで。もっと言えば男の方から「観に行きたい映画があるんだけど、独りじゃ行き難いから付き合ってくれない?」ってな感じで、女性を誘って行くと、きっとその女性には最高のプレゼントになると思う。

 僕は10年くらい前に親父をガンで亡くしていて、きっと僕自身も(遺伝的な感じで)「ガンで死ぬんだろうな」と思っている。むしろ、必要以上に長生きしてヨボヨボになりながらも身体に変な管を繋れて、家族にお金と時間と辛さを使わせて生きながらえるよりは、ガンとかになって早死にしたいとすら思っているくらいで。そんな時、周りの家族や友達にそれをどう伝えるか?伝えられるか?伝えたとして、ガン患者の僕に周りにどう接して欲しいか?もっと言えば、その逆の場合に僕は家族や友人にどう接すればいいのか?この映画はそんな葛藤が実にポジティブに描かれているのだ。絶望感を笑いに変えて冗談やノリで乗り越えていく。でも、ホントは何ひとつ乗り越えてはいないということを本人らが一番分かっていて・・・・だから泣けて泣けて仕方ないのだな。

 監督は『トワイライト 初恋』(09年)のキャサリン・ハードウィック。これまでも女性が共感する(逆に男は共感し辛い)映画ばかりを撮っていて「なるほど~、この人か!」って納得である。で、ガンになってしまったミリーにトニ・コレット。『シックス・センス』(99年)でのハーレイのお母さん役をはじめ、『めぐりあう時間たち』(02年)、『イン・ハー・シューズ』(05年)、『リトル・ミス・サンシャイン』(06年)、『いつか眠りにつく前に』(07年)などなど、数々の名作に出ているが、やはり「女性向け」の映画ばかり。こういう女優さんもいるのだな。そして、相方のジェスにドリュー・バリモア!『チャーリーズ・エンジェル』シリーズ(00年~)など沢山の映画(毎年1~2本以上!)にコンスタントに出演しているにも関わらず、僕世代的には『E.T.』(82年)と『炎の少女チャーリー』(84年)の!と言えば充分なあの人だ。とにかく泣けるのだけど、ただのお涙頂戴映画とは明らかに一線を画す珠玉の一本。オススメです。

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