キセキ ―あの日のソビト―

 もう10年近く前になるのか?たまたま嫁がレンタルビデオで借りてきた「ROOKIES」というドラマを観たのは。1話目からすっかりハマり全話イッキ見したのを覚えている。で、同時に覚えているのが主題歌だった“GReeeeN”の「キセキ」。正直僕は“GReeeeN”の曲はこの一曲しか知らないけど、今聴いても「うわぁ~、凄いいい曲・・・・」と聴き入ってしまう。佐藤隆太に市原隼人、小出恵介、城田優、桐谷健太、佐藤健、五十嵐隼人、中尾明慶、高岡奏輔、吹石一恵などなど・・・・思えばしかし物凄いキャストだったのだな。

 本作『キセキ ―あの日のソビト―』は、名曲「キセキ」を生んだ“GReeeeN”がデビューするまでのドラマだ。バンドでプロを目指す“ジン”はようやくそのチャンスを掴みかけるも、医者である厳格な父から「そんなくだらない事は許さん!人の役に立つ(医者とかの)仕事に就け!」と猛反対され、勘当覚悟で家を飛び出す。しかしなかなか思うようにいかない毎日に遂には脱退するメンバーもでてきてバンドは解散状態に・・・・。反発する父親の手前、なんとか音楽で生活していきたいと意地になっていたある日、(その兄の影響で音楽をはじめた)弟“ヒデ”から「曲作りを手伝ってくれ」とデモテープを渡される。弟の才能に嫉妬しながらも自身の夢を重ねる“ジン”。やがて“ヒデ”のグループの作曲からアレンジまでを手掛けるようになり、それを一生懸命にレコード会社に売り込み、遂にはプロデビューにまでこぎつけるのだが、当の“ヒデ”本人は父親からの言いつけ通り歯医者になる道を選びプロデビューはしないと言う・・・・

 弟“ヒデ”が抱く歯医者の夢も妨げないよう「一切素顔を露出しない」という前代未聞の覆面デビューをプロデュースした兄“ジン”と、歯医者とプロミュージシャンの両方の夢を叶えた弟“ヒデ”。なんて素晴らしい物語なのだろう。なんて素晴らしい才能なのだろう。歯医者にもプロミュージシャンにもなれなかった僕にとってはただただその才能に感嘆するしかない。“GReeeeN”にこんな秘話があったとは!今まで知らなかっただけに改めて興味が沸き、今月発売予定のベストアルバムを予約注文してみた。(何気に観た「花唄」のPVでジュンスカのドラマー小林さんがドラム叩いてたし!)

 昔から仲良くさせてもらっているミッテの支配人からの電話で「来週『キセキ』の業務試写があるんだけど来ない?今、若い人たちに大人気の菅田将暉と松坂桃李のW主演なんだよ」とお誘いを受け、咄嗟に「マジか?!“さだまさし”が今再び若者に大人気なのか?!すげ~!!」と思ったのだけど、よくよく聞いてみると“さだまさし”ではなく“すだまさき”なのだという。外国の(特にハリウッドの)俳優や監督についてはそこそこ詳しいつもりなのだけど、基本テレビを観ない僕は日本の俳優さんや「今、誰が人気?」なんかは全くと言っていいほど分からないので、恥をかく前にその辺の勉強もちゃんとしないとなぁ~と思った。

 先述した粗筋を読んでもらえれば分かる通り、単に「バンドのサクセス・ストーリー」と呼ぶにはそう一筋縄ではいかなく、兄弟や家族のドラマを軸に、バンドメンバーとの絆やすれ違い、更には音楽業界の裏側的なエピソードも盛り込まれているので、僕のように永年バンドもやっている“バンドマン”にはたまらなく面白い映画だと思う。なのだけど「今の若者に大人気(特に女子に)の豪華俳優陣」が良くも悪くも微妙な気がしてならない。“GReeeeN”ファンや俳優目当ての観客ならばともかく、実はバンドマンにこそ観てもらいたい音楽映画なのだけど「そうとは知らないバンドマン」は表向きのイメージだけで見逃してしまう可能性が大きいような気がするのだ。・・・・巧く言えないけど、なんか勿体無いと思う。ところで、タイトルにある「ソビト」ってどういう意味なのだろう?“GReeeeN”ファンならば解るのかな?

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