キングコング 髑髏島の巨神

 「川口浩が~洞窟に入る~カメラマンと照明さんの~あとに入る~」と嘉門達夫が歌っていた「川口浩探検隊」をご存知だろうか?川口隊長率いる探検隊が世界中のミステリースポットに探検に行くという特番だ。小学生の頃、僕はあの番組が大好きだった。危機迫るドキュメンタリーの作りに、時に『インディ・ジョーンズ』よりも夢中にさられたものだった。そうそう、その番組に影響されてか?友達とよく“探検”に行っていたのを思い出す。近所の山とか洞窟(防空壕)、中でも一番記憶に残っているのが、大きな貯水池の中にある・・・あれは何だろう?普段は水の中に収まっているのだけど、水が退いた時にだけ現れる洞窟みたいな道。子供なら普通に立って歩けるくらいの洞窟だ(きっと町中の側溝が最後にそこに流れ着くとこなのだろうと思う)。小学校の3~4年生だったろうか、土曜日の午前授業を終え、各々昼ごはんを食べ終えてからそこに何人かの友達で探検に入ったのだ。各自懐中電灯を持参して。勿論、そう簡単に入れるところではない。高い金網を乗り越えてこっそりと入り口まで走ったのを覚えている。足元に少し残る水をバシャバシャいわせコンクリートに囲まれた真っ暗な洞窟を歩き続け・・・・今でも物凄く不思議なのだけど、本当に何気なく足元を懐中電灯で照らしたのだ。ライトに照らされた場所は、決して大袈裟ではなく“あと一歩”のところで数メートル下に段差があり、その下には水が溜まっていて、水深はどれくらいかは想像も付かなかった。慌てて一緒に歩いていた友達を大声で止めたのを覚えている。何故あそこで足元にライトを向けたか?「ご先祖様に守られている」という思いを胸に墓参りを欠かさないのはあの日の思い出が今でも大きいのかもしれない。

 『キングコング 髑髏島の巨神』は、学者や軍人、カメラマンなどその道のプロフェッショナルで編成される探検隊が、未知なる生物を調査するため太平洋の孤島“スカルアイランド(髑髏島)”にやってきて、そこでキングコングを筆頭に見たこともない巨大生物に遭遇する~という物語だ。ちっぽけな“エサ”でしかない彼らは無事に髑髏島から脱出できるのか?!・・・・いやぁ~、面白い!面白すぎる!子供の頃に夢中になった「川口浩探検隊」を思い出させる究極の探検物語!こういう映画、最近なかったよなぁ~。老若男女家族全員楽しめる、この春休み一番のエンタメ映画だ。

 本作はキングコング映画としては通算6作目になり、その第一作目となるのはなんと1933年、今から80年以上前になるそうだ。僕が観たのは、当時、洋画劇場とかのテレビでよくやっていたジョン・ギラーミン監督でジェシカ・ラング主演の76年『キングコング』リメイク作で、ラストのエンパイア・ステート・ビルのシーンが有名な作品だ。・・・・と思っていたのだけど、76年の『キングコング』はエンパイア・ステート・ビルではなく、世界貿易センタービルなのだそう。ってことは、僕が慣れ親しんで観てたのは33年のオリジナル版なのか?・・・・う~ん、混乱する。が、まぁ、そこはどうでもいいだろう。で、オリジナル(第一作目)の大ヒットを受け、同33年には続編である『コングの復讐』をリリース(僕は観たことない・・・っていうか、この映画の存在すらしらなかった)、そして先にも書いたようにジョン・ギラーミンが76年にリメイク。この流れで86年にはやはりギラーミン監督が『キングコング 2』(86年)を製作しているのだな。『ターミネーター』(84年)のサラ・コナー役で有名なリンダ・ハミルトンが主演(しかもタイミング的に『ターミネーター』の直後)だったにも関わらず、僕はこの映画も多分観たことがないと思う。それから比較的記憶に新しい(とは言っても12年も前)『ロード・オブ・ザ・リング』三部作のピーター・ジャクソン監督&ナオミ・ワッツ主演の『キング・コング』(05年)を経て、今回の『キングコング 髑髏島の巨神』という流れになるのだが、前作05年の『キングコング』はオリジナル「キングコング」の3度目のリメイク作だったのに対し、今回の『髑髏島~』は時代設定も新たにしたオリジナルストーリーとなっているのがポイントだ。「リメイク」とは異なり、元ネタというかその設定だけをパクって、全くのオリジナルものを創るものを「リ・イマジネーション」とか「リ・ボーン」とか「リ・ブート」とか云うけれど、最近流行りみたいだな。この流れは01年のティム・バートン監督&マーク・ウォールバーグ主演の『PLANET OF THE APES / 猿の惑星』辺りからじゃないだろうか。

 “キングコング”と言えば、それに対抗する・・・というか、色んな意味でそれと同等の存在感を誇る“ゴジラ”を思い出すのだけど、なんと本作『キングコング~』の続編として、いずれこの怪獣界の二大巨頭が共演するのだそう!そもそもの話で言えば、本作『キングコング~』は14年に公開された『GODZILLA ゴジラ』の続編になるようで、今後『Godzilla 2 : King of Monsters』(19年)、そして『Godzilla vs Kong』(20年)に続くのだという。この一連の流れは「モンスター・バース」と名付けられ巨大なフランチャイズ・プロジェクトになっているようだ(マーベルの「アベンジャーズ・プロジェクト」のようなものか?)。このプロジェクトを動かしているのはどこなのだろう?と気になって調べてみたが、いやぁ~、ややこしい。元々はハリウッドのレジェンダリー・ピクチャーズが提携先であるワーナー・ブラザーズと共にゴジラの著作権を持つ東宝と組んで立ち上げたプロジェクトらしいけど、レジェンダリーが中国の大連万達クループに買収され、それを機にモスラやラドン、キングギドラにメカゴジラといった主要キャラの著作権を東宝から獲得(が、ゴジラの著作権だけは東宝)。そこに配給元としてユニバーサル・ピクチャーズも絡んできてるみたいだし、なんだかとても泥沼な感じがするのだが。なるほど、だから98年に初めてハリウッド版として製作された『GODZILLA』が、マシュー・ブロデリックにジャン・レノが出演し、パニック映画の巨匠ローランド・エメリッヒが監督を務めたにも関わらず“無かったこと”になっているのか。あの映画はソニーの傘下であるトライスター・ピクチャーズが作ってたから、よくは分からないけど、なんか面倒くさい“著作権”とか“フランチャイズ権”とかに巻き込まれたのだろうな。ま、何はともあれこれだけ面白い映画になったのだから、続編も無事に製作されることを願いたい。

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