ワイルド・スピード ICE BREAK

 僕はカレーライスが大好きだ。カレー(とビール)だけで生きていけると確信できるほどに。随分と昔の話だけど実際に僕はそれを実行してみたことがある。当時の習慣で朝は何も食べないとして、昼と夜はカレーだけを食べて過ごしてみた。結果は11日間であった。それも決して挫折したワケではなく、12日目にまだ結婚前だった嫁の実家に泊まりに行った際「今夜の晩御飯はカレーにして下さい」と言えなかったのだ。カレー(とビール)だけの日々、全く苦ではなかったのは言うまでもない。鹿児島で“カレー”と言えば「伊場カレー」か「薩摩剛家&あめいろたまねぎ」だとして、僕は「ココイチ」のカレーも大好きだ。何が好きかって、あの“辛さ”。子どもからお年寄りまで正に老若男女どなたでも!という間口の広さにも関わらず“辛口”の容赦ない辛さはもう感動の域だと思う。大概のカレー屋さんで“大辛”もしくは“激辛”を頼んでもいまいち物足りないほど辛いカレーが大好きな僕でも「ココイチ」では“4辛”までしか食べることができないほどで。このお店の大衆向けイメージと容赦ない辛さのギャップがファミリー層からカレーマニアまでをも惹きつける「ココイチ」の魅力だと思うのだ。

 姶良イオン内にオープンしたシネマサンシャイン。ココにできた「4DX」シアターが凄い!座席シートが前後左右、更には上下にまで動くのは、まぁ、想定内だったにしても、それにバイブレーション等が加わり、香り、風(劇場内に加え、顔や耳とか部分的にも)、雨、泡、煙、他にも雪とか嵐とか・・・・更には館内の照明効果まで!その全ての演出が過剰なのにまず驚いた。ちょっと濡れた感じがする~どころではなくガッツリ降りかかる雨の演出や、座席から振り落とされそうになるくらい“むちうちレベル”のシートの揺れ具合などがいちいち容赦なく・・・。正に老若男女全ての人が対象であるはずの「映画」というメディアでココまで容赦ない演出をしてくるところに「ココイチ」を思い出したのはきっと僕だけではないだろう。いやきっと誰もがそう思ったに違いない。例えば、ミュージシャンのLiveにレーザーを駆使した演出が登場し(多分、70年代後半くらいか?)それから映像、炎、更にはアーティストが宙を舞いながら歌う&ドラムを叩くなどなど、単に「音楽を聴かす」だけではなく様々な演出で観るものを驚かせ発展し続けてきたのと同様に、「映画」も進化発展し続け、“3D”の更に次のシーンに入ってきているのだと実感。新しいエンタメというのはいつだって「驚き」なのだな。色なんものが出尽くしてきたと思っていたけれど、エンタメはまだまだ進化していくのだ。

 今、その「4DX」を一番満喫できるのが『ワイルド・スピード ICE BREAK』だろう。車のエンジンをかけた瞬間、その馬力のあるエンジンの振動が座席にくるのだから。そしてカーチェイスのシーンでは右へ左へ激しく揺さぶられ、ジャンプ~着地!では舌を噛みそうになるほどの衝撃感!これほどシンクロ率の高い映画もなかなか無いと思う。通常の鑑賞料金にプラス1,000円というのが最初は「高いなぁ」と正直思ったけれど、これを体験した後ではむしろ安いと思えるほど。コレはもう完全に新しいエンターテインメントだ。

 「カー・アクション」というジャンルではもう“唯一ぶっちぎり”の存在である『ワイルド・スピード』シリーズ。前作『SKY MISSION』(15年)の撮影途中に主演のポール・ウォーカーが事故死をしてしまい、「彼のいないワイスピ・シリーズはありえない」とキャスト・スタッフが声を揃えて追悼コメントとして公言したものだから撮影中の最新作は完成しないままお蔵入りか?と心配されたが、彼の弟コディ・ウォーカーを代役に立てそれをCGで加工して何とか完成!そのエンディングがシリーズの完結編に相応しい感動の名シーンだったのは未だ記憶に新しいだろう。そしてシリーズ最新作で8作目となるのが本作『ワイルド・スピード ICE BREAK』だ。前作で終わりじゃなかったのか?というのは、まぁ、やっぱりというか当然というか。これだけ稼いでいるシリーズをそう簡単には終わらせるワケにはいかないだろうし、前作が超特大ヒットしているだけに尚更。

 今回“ファミリー”が相手にするのは、なんと“ドミニク”(ヴィン・ディーゼル)!主役のブライアン(ポール・ウォーカー)がいなくなった今、シリーズを更なるレベルに更新させるには“ファミリー”にかつてない最強の敵を登場させ、それを乗り越えることで“ファミリー”の絆を深めよう、それを糧にブライアンの死を乗り越えさせよう、という流れだ。「しかし、最強の敵を登場させるって言ったって、ファミリーにドミニクがいる限り安心感があり過ぎて観客は何が起こっても怖くないよね・・・」「・・・なるほど!じゃ、いっそのことドミニクを敵にまわしてしまうか?!」「あ、それはヤバイな!」という、企画会議の会話が目に浮かぶ。確かにドミニクが相手では“ファミリー”にとっては勝算は薄く、間違いなくシリーズ最強の敵になるだろう。誰よりも仲間を大事にするドミニクが何故に仲間“ファミリー”を敵にまわすのか?勿論、彼が誰かに脅され屈したワケでも、金や地位のためであるワケでもなく、前々作『EURO MISSION』(13年)のドミニクの元恋人レティ(ミシェル・ロドリゲス)のように記憶喪失になったワケでもない。この謎が本作の最大のミッションか?と思うもそれも早々に解決。それからは車がバーン!となってドカ~ン!ボカ~ン!ぐわ~ん、ドカ~ン!!「ヤバイぞ、頑張れ!」うわぁ~!ドカ~ン!!!となる展開だ。

 残念ながら流石にポール・ウォーカーは出てこないものの、ヴィン・ディーゼルは勿論、ドウェイン・ジョンソンはじめ、ミシェル・ロドリゲスやタイリース・ギブソン、クリス・ブリッジス・・・などなど、おなじみの主要キャストは全て同じで、更には前作『SKY MISSION』(15年)から登場したジェイソン・ステイサムやカート・ラッセルに加え、シャーリーズ・セロンや巨匠クリント・イーストウッドの息子スコット・イーストウッドらも初登場!このシリーズはどこまで豪華になっていくのだろうか。シリーズが大ヒットを更新し続けるが故、どうしてもエスカレートせざるを得ないだろう本作は遂には潜水艦まで登場!(笑)エンジンがついてれば何でもいいのか!?という感じだが、この笑えるくらいの“やり過ぎ感”が「ワイスピ・シリーズ」の魅力なのだとも思う。『ワイルド・スピード ICE BREAK』を「4DX」で観る。全てに於いて「やり過ぎ感」がMAXだ。

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