メッセージ

 ある日突然、世界各国12箇所の上空に謎のUFOが出現。その目的は地球侵略か?それとも和平なのか?本作『メッセージ』は、宇宙人からのメッセージを解読するために米軍から依頼された言語学者と数学博士の活躍を描く物語だ。言ってしまえば、もうホントにコレだけの物語。こんな話しなんて今までどれくらい観てきたか?・・・っていうか、宇宙船が地球にやってくるSF映画と云えば基本このパターンだろう。が、なんなのだろうかこの斬新さは?粗筋を書いてしまえば究極なほどベタなSF映画なのに、きっと誰もが観終わった後「こんな映画初めて観た」という余韻に浸ることだろう。その理由は明確に3つあって・・・・

 まず一つめ。主人公である言語学者ルイーズに待望の娘が産まれて愛情あふれる幸せな日々を過ごし、そして娘が幼くして死去。で、地球に宇宙船が飛来。ココまでがなんと映画の冒頭わずか数分間。それから本編が始まるのだけど、上記したベタなストーリーの合間合間にフラッシュバックとしてまだ娘が生きていた頃の幸せな日々が挟まれるのだ。宇宙人の言語を研究する日々の“現実”シーンではいつも曇り空で憂鬱なのに対し、“空想”のシーンは眩しいくらいの光に溢れ明るくて、それが「あの頃は幸せだった」という何ともノスタルジックで切ない。更には後半にいくに連れそのフラッシュバックシーンが増してくるから観進めるに連れてどんどん切なさと悲しさも増してくる・・・・と同時に「っていうか、このシーンなんなの?いるの?」という疑問も増してくるワケで。それが本編の“宇宙人からのメッセージを解読する”という謎と並行して描かれるものだから、正に「謎on謎」。何一つ解けない謎に加えて更にどんどん深まっていく謎に軽く苛立ちすら覚えたタイミングで、その“謎”が全部乗ったチャブ台を丸ごとひっくり返されたような最大の謎が投入~!(笑)しかも「お前がそのセリフ言うか~!」というたった一つのセリフで。全編を包む切なさと大どんでん返しという点では『シックス・センス』以来と言っても過言ではないと思う。

 二つめ。主人公である言語学者ルイーズ演じるエイミー・アダムスと、数学博士イアン演じるジェレミー・レナー。この二人がホントに凄い。全編を通して彼らが相手にしているのは宇宙人なのでそもそも会話が成立しない関係であり、なので目と表情だけでその感情を伝えてくる演技には「極上のお芝居を観ている」という冷静な鑑賞感も満たしてくれるのだ。

 そしてもう一つは宇宙船と宇宙人の描写。先述したように、これほどベタなSF映画には当然ながらベタな宇宙船と宇宙人が出てくるのが当然だろう。だって、我々人類にはその造形イメージが既に出尽くして確立してきているのだから。だからこそ、それらを覆す“初めて観る造形”がまた凄いのだ。「どっかで見たことあるような気がするけど・・・あ~、そうくるか・・・」っていう。

 公開から時間が経てば経つほどネット等で“ネタバレ”含む情報があふれてくるだろうから、なるだけ早く、そして絶対にその“ネタバレ”を見ずに劇場に足を運んで頂きたい。

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