エイリアン:コヴェナント

 個人的にココ数年で一番楽しみにしていた映画がこの『エイリアン コヴェナント』だった。名作『エイリアン』(79年)の生みの親であるリドリー・スコット本人が「『エイリアン』へと続く前日譚としての三部作を作る」と公表し、その第一弾として12年に公開された『プロメテウス』が正直ちょっとアレだったのは否めなく・・・・だけどもそれがリドリー・スコット本人の作品だったので(特に映画評論家ほど)誰も文句を言えなかったワケだが、その続編としての本作『エイリアン コヴェナント』。なるほど~、そういうことか!

 まずは前作『プロメテウス』(12年)のおさらいから。以前にもココ“Go to Theaters”で書いたのでそこからの抜粋でいくと、舞台は2089年。考古学者のエリザベスとチャーリーは年代も異なる複数の古代遺跡から共通する星図を発見する。その星図が示す星に“人類の起源”の謎の答えが見つかるのではないか?ということで宇宙船「プロメテウス」に乗り込み未知の星へと調査へ。そこで見つけた“見た目は人間と全く変わらない巨人”の死体を調べると、なんとそれは人間のDNAと一致!この“エンジニア”と名付けられた巨人が自分らに似せて人間を創ったのか?まるで人間が自分らの姿に似せて“人型アンドロイド”を創ったように・・・・。しかし何故にこの星は今や“死の惑星”と化しているのか?何故に巨人たちは独り残らず死体となっているのか?・・・・はい、その通り!エイリアン登場~!実はその“エイリアン”ってのはエンジニアが創った生物兵器であることが判明。更にはそれの卵を大量に積んだ宇宙船が地球に向けて出発する直前に彼らが絶滅し、出発が失敗に終わったことまで分かるのだが・・・・では何故に、エンジニアは“人間”を創造し、そしてそれを絶滅させようとしたのか?っていうか、そもそも何故に出発前に絶滅してしまったのか?・・・・の続きが『エイリアン コヴェナント』だ。そして本作は・・・敢えてストーリーは伏せておきたい。公開された今やwikipediaにでさえ細かいストリーが書かれているのだけど「この次どうなるのだ?」を瞬間瞬間で楽しんでもらうためにも、一切の情報を持たずに観て頂きたいのだ。前作『プロメテウス』が無ければ成立しない本作。「そういうことなのか!」と、とにかく素晴らしい!途端に前作『プロメテウス』を観直したくなるくらいの傑作だ。前半は前作『プロメテウス』同様なかなか見慣れた“エイリアン”が登場しないのだが(逆に新エイリアンはキモ過ぎる!)あの“卵”から“フェイスハガー”、“チェストバスター”そして“ビッグボーイ”といったお馴染みのゼノモーフが続々と登場する後半は「コレぞ僕らが観たかったエイリアン!」と、本作が紛れもない“元祖”だということを再認識させられ興奮必至だ。

 「エイリアン」シリーズってのは、“”哲学的&独創的&閉鎖的”ってのが他の「SFパニック」モノと決定的に一線を画していた特徴であったのだけど、本作のその振り幅も凄まじい。一歩間違うと「何言ってんだ?」と開き直れるくらいの暴走ストーリーなのだけど“R指定”を受けるくらいの残虐描写が究極のエンターテインメント作として絶妙なバランスを取っているのだな。本作のおかげ(物語が繋がらなくなるという理由)で『第9地区』(09年)や『チャッピー』(15年)のニール・ブロムカンプ監督が手掛けるはずの『エイリアン 5』はボツになってしまったのは残念だけど、「エイリアン」の生みの親であるリドリー・スコットの最新作続編が観れるのは夢のようではないか。自身の代表作のひとつである『ブレードランナー』(82年)の続編も今年公開されるし、80歳のジーサンがこれほどの斬新な大傑作を創り出せるのが凄い。僕の身近な80代ではちょっと想像すら出来ない。

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