キングスマン:ゴールデン・サークル

 まずは物語のベースとなる前作『キングスマン』(14年)のおさらいを。ロンドンにある高級テーラー「キングスマン」は、実はテロと戦うスパイ組織の秘密拠点だ。このキングスマンは何処の国にも属さずに独自で活動している謎の組織でもある。ある日、かつてのキングスマンのメンバーで17年前に殉職したリー・アンウィンの息子エグジー(タロン・エガートン)が些細なことで逮捕される。リーに命を救われたことがあるハリー(コリン・ファース)はエグジーの保釈を手伝い、彼を「キングスマン」の候補生としてスカウトしたのだった。他の候補生たちと共に過酷な試練に耐えるエグジー。一方、リッチモンド・ヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)率いる巨大テロ組織を追い詰めたハリーはあと一歩のところでヴァレンタインに殺されてしまう。キングスマンの内部にも裏切り者がいることを察したエグジーは、唯一信用できる同じ候補生のロキシーと指導教官マーリンと共にハリーの仇打ちに挑むのだが・・・・(そして物語は本作『ゴールデン・サークル』に)ヴァレンタインとの死闘から一年後。ポピー(ジュリアン・ムーア)率いる世界一の麻薬組織“ゴールデン・サークル”にキングスマンは呆気なく壊滅されてしまい、エグジーらはアメリカ・ケンタッキーに拠点を構える“ステイツマン”に助けを求める形で“ゴールデン・サークル”に挑む。

 初めてこの映画の情報を知った時は「続編があるの?!」と凄く意外で驚いた。なにせ、前作でハリーは死んでしまったので続編などあり得るワケが無いと思っていたから。確かに、先述した粗筋を読んで貰えれば分かるように物語的には主人公はハリーではなくエグジーかもしれない。が、あの映画は紛れもなくハリー=コリン・ファースの映画だったのだ。コリン・ファースと云えば、デビュー作『アナザー・カントリー』(84年)から『イングリッシュ・ペイシェント』(96年)、『恋におちたシェイクスピア』(98年)、『ブリジット・ジョーンズの日記』(01年~)、『英国王のスピーチ』(10年)などなど、英国一の“ジェントルマン俳優”というイメージが強く、彼がキレッキレのアクションスターを演じるなんて誰も想像できなかったはずで。だからこそあれだけ大ヒットしたのだろうし、それが『キングスマン』という映画の最大の魅力だったのだ。

 と言うワケで、本作もハリー=コリン・ファースとエグジー=タロン・エガートンを主演に、指導教官マーリン=マーク・ストロング、キングスマン候補生ロキシー=ソフィ・クックソン、同じく候補生チャーリー=エドワード・ホルクロフト(本作では超重要キャラ!)といったお馴染みのメンバーに加え、前作で強烈な悪役を演じたサミュエル・L・ジャクソンの代わりにジュリアン・ムーアを迎え、ハル・ベリーやジェフ・ブリッジス、チャニング・テイタム、ヴィニー・ジョーンズなどなど超豪華俳優が勢揃い!しかも、あのエルトン・ジョンがなんと“本人役”で出演するということで観る前はほんのワンシーンくらいのカメオ出演だと思っていたけど・・・・コレは酷い(けど最高!笑!)

 原作はマーク・ミラーのアメリカンコミックとのことだが、そっち方面に疎い僕にとってはアメコミと云えば“マーベル”か“DC”しか知らないので少し調べてみたのだけど、いやしかしこのマーク・ミラーって凄い人なのだな。“DCコミックス”在籍中に「スーパーマン」や「ジャスティス・リーグ」、「フラッシュ」、「ワンダー・ウーマン」などを手掛け、その後“マーベル・コミック”に移籍し「X-MEN」や「ファンタスティック・フォー」をはじめ「アイアンマン」や「シビル・ウォー」、「ウルヴァリン」など大ヒット作を量産。それから04年に独立して“ミラー・ワールド”という出版社を立ち上げ「ウォンテッド」や「キック・アス」などのヒット作を連発し『ウォンテッド』はジェイムズ・マカヴォイやアンジェリーナ・ジョリー、モーガン・フリーマンなどの豪華出演で08年に映画化。そして『キック・アス』はマシュー・ボーン監督で10年に映画化され続編も製作されるほど世界的な大ヒットを記録したのはまだ記憶に新しいだろう。因みに本作「キングスマン」シリーズも同じくマシュー・ボーン監督だ。まだ30代前半にも関わらず、ダニエル・クレイグ主演のギャングスター映画『レイヤー・ケーキ』(04年)で華々しくデビューした後、『キック・アス』(10年)、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(11年)、『キングスマン』(15年)、そして本作『キングスマン:ゴールデン・サークル』と次々とヒット作を飛ばす売れっ子監督。映像技術が格段に進化し、最近はどんなアクションシーンも見慣れた感があって「いよいよ出尽くしたなぁ~」って思っていたけれど、これほど斬新なアクション映像は実に久しぶりな気がする。前作『キングスマン』も今観ても(例え二度目でも)相当に面白いのでこの機会に観直してから続編に行くことをオススメしたい。いやぁ~面白かった!

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