#111 レザボア・ドッグス

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そして1つの頂点へ

パスキア タランティーノが万人に受けいれられたのは『キル・ビル』あたりではないかと。お馴染みのBGMに、サニー千葉、『バトル・ロワイアル』の栗山千明ら日本勢も好演。
魅災流 オイラは誰がどの作品の監督なのかとかあんまり興味ないんですけども、クエン酸・タレチンチン監督と言えば『キル・ビル』ってことくらいは知ってます。
坂元 ・・・・・・・・・・。
魅災流 拾わなくて良いです。
坂元 拾ってません。
魅災流 確か、女の人が「ヤッチマイナー」と叫ぶ映画ですよね。
坂元 ホントに観た?
魅災流 観ました、観ました。コレはフェイバリットギタリストである布袋寅泰の「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」がテーマ曲だった絡みで『キル・ビル Vol.1』『Vol.2』も観ましたが、血みどろの映画でしたね。たしか、宇宙刑事ギャバンが寿司屋で働いていたのを覚えています。
坂元 えぇ!?あのテーマ曲って布袋寅泰なの!?・・・・知らなかった。
魅災流 布袋寅泰と言えば、『SF サムライ・フィクション』 とか『新・仁義なき戦い』に出演してましたけども、ギタリスト以外の部分にはあまり関心がないので・・・・一応、観たけどあんまり覚えてないです。
アキサン そうかぁ・・・・『キル・ビル』に関しては一流のB級映画としての印象しか・・・・。そういや『Vol.2』を観てないことに気付きました。
私的にはタランティーノと言えばやっぱ『パルプ・フィクション』。コレは面白かったですね。タランティーノの映画はコレが初見だったので、とにかく衝撃的でした。
坂元 面白かったね!大傑作だと思います。オレもタランティーノと言えばこの映画かな・・・。『レザボア〜』のハーヴェイ・カイテルやティム・ロス、サミュエル・L・ジャクソン、それにクリストファー・ウォーケンにスティーヴ・ブシェミといった“極道系俳優”大集合で、日本刀を持ったブルース・ウィリスがまたカッコ良かった!
アキサン あと、何と言ってもジョン・トラボルタ!実はトラボルタの事をこの映画で知ったんです。『サタデー・ナイト・フィーバー』なんて映画は当時の私にとっては悪い冗談というか、時代遅れのハヤリ映画のような気がして観る気もしなかったんです。
坂元 この映画でトラボルタは復活したもんね。
アキサン まぁ、とにかく格好良いんですね、トラボルタが。タバコを吸う仕草も真似したりしましたし。今考えると恥ずかしきこと山の如し(笑)。で、アッサリ死んじゃうのも衝撃。
ウィキペディア読んでいて知ったんですが、トラボルタ演じるビンセント・ベガと『レザボア〜』のMr.ブロンドが兄弟って裏設定らしいですね。どうでも良いけど何か嬉しい。そんな設定。
坂元 トラボルタもいつの間にか“極道系俳優”って感じになってるよね?この前観た『サブウェイ123』なんか、凄い迫力だった。カッコ良いよなぁ~・・・同じ男としてこういうカッコ良さって憧れる。だって、決して“見た目”はカッコ良くは無いでしょ?
プライベートも凄いカッコ良いんだよな。大の航空機好きで、小型機から大型旅客機まで何台も所有していて、しかもそれを自分で操縦する!前に、ボーイング707を自分で操縦して来日したこともあるんだよね。しかし、何故だか彼には不幸も付きまとう人生らしく、今年(2009年)初めに16歳の息子が浴室で倒れて死んじゃったんだよね。80年代にも、当時交際していた女優のダイアナ・ハイランドが病死したりもしているし。
魅災流 しかし、何故自分でボーイングを操縦する必要があるんだろう・・・?どっちかと言えば迷惑な話ですよね?

“タランティーノ映画”というジャンル

坂元 タランティーノ映画って、そのインパクトやスタイル、映像とかばかりに話が行っちゃうけど、やっぱり基本的にそのストーリーが断然に面白いんだよね。特に『レザボア〜』とか『パルプ・フィクション』とか、時間軸がうまく駆使されていて、後半になればなるほど「なるほど!そういうことか!」と面白さが増す仕掛けになっている。
パスキア そう、タランティーノと言えば“時間軸トリック”が醍醐味です。その時間軸トリックの代表作はと言えば、クリストファー・ノーラン監督『メメント』や、ギャスパー・ノエ監督『アレックス』。前者はのちに『ダークナイト』を生み出す奇才。そういう意味では、『レザボア〜』に通じるものがある。『ダークナイト』『パルプ・フィクション』級の傑作という意味で。後者も完全なバイオレンスもの。かなりえぐい。恋人同士や夫婦、家族団欒での鑑賞にはお薦めできない。
この手の映画に時間軸のトリックは効果的なのかも。人はなぜキレるのか?嫌でも壊れっぷりを印象づけられる。
坂元 『メメント』は面白かったけど、『アレックス』はダメだなぁ・・・・。映画としては凄く引き込まれたし面白かったと言えるかもしれないけど、あの異常な暴力性は思い出しただけでも嫌な気持ちになる。もう2度と観たくない。

パスキア あと、個人的には『デスペラード』のロバート・ロドリゲス監督と組んで撮った、『フロム・ダスク・ティル・ドーン』あたりははずせない珍作。観る人がみればタランティーノ絡みだと一目でわかる仕上がりに。
逃亡中の2人組の凶悪犯とその人質となった牧師一家が、吸血鬼の群れと戦うホラー・アクション!ってそんな荒唐無稽なストーリー普通考えついても撮れないでしょ。
坂元 『フロム・ダスク〜』は面白かったよね!オレもかなり好きな映画です。しかも、“逃亡中の2人組の凶悪犯”ってのがジョージ・クルーニーとタランティーノだからね!この映画にもやっぱりハーヴェイ・カイテルが出てるし。
パスキア それから、タランティーノ・チルドレンともいうべき、ヤン・クーネン監督の『ドーベルマン』もなかなかの出来。暴走する単車に車を横付けして、単車を運転してるゴロつきの胸元に、ピン抜いた手榴弾入れるあたり、なかなかのバイオレンスっぷりでしょ。ヴァンサン・カッセル主演というのもポイント。テリー伊藤に見えるの自分だけ?
坂元 『ドーベルマン』の世界観が凄く好きで、ヤン・クーネンの新作を待ちわびていたけど、この1本だけですっかり居なくなってしまったよね?で、最近久しぶりに彼の名前を聞いたと思ったら、新作が『シャネル&ストラヴィンスキー』っていうココ・シャネルの恋愛ドラマだった。

・・・・何なんだ?一体。ヤン・クーネンのルーツってタランティーノだと思っていたけど、全然受け継がれていない(笑)。
パスキア そのタランティーノのルーツはと言えばジョン・ウー監督の『男たちの晩歌』シリーズ。“香港ノワール”を確立し、その後のハリウッド進出へ繋がる。チョウ・ユンファの爪楊枝くわえ姿と、2丁拳銃がかっちょいいのなんのって。 更に更に、そのルーツに、『仁義なき戦い』『バトル・ロワイアル』で知られる、故・深作欣二監督へつながる。なのでヤクザ、マフィア、狂ったような銃撃戦は、タランティーノ作品しかり、バリューセットというわけ。
坂元 そう言えば、久しくバイオレンス映画って観ていないなぁ・・・・。昔は大好きで、次々とルーツを辿って観あさっていたんだけど。子供が生まれてからはなかなか家でバイオレンス映画って観辛いんだよね。パスキアさんだってそうでしょ?まだ子供小さいから・・・・
パスキア そういう地味なこと言わないで下さいよ!一緒にバイオレンス映画を語り明かしたあの頃みたいに、お互いまだまだカッコ良くいきましょう!

坂元 そうだね・・・じゃあ、なんかカッコ良く締めてよ。
アキサン 秋の夜長はルーツを辿るバイオレンス映画で決まり!

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