#147 ゴールデンスランバー

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「たいへんよくできました」

上木原 首相暗殺の濡れ衣着せられた男性の逃亡劇・・・・ジャック・バウアーだったら絶対阻止できたと思うんだけどねぇ・・・・って、それは次回でしたかね?
坂元 次回は『プリズン・ブレイク』なんで“次回”でもないです。
上木原 けどアメリカじゃこんな映画(物語)多い気がする。『逃亡者』とか、あと『追跡者』・・・・そういえばスタローンも『追撃者』『暗殺者』やってるよね~!
坂元 1回スタローンから離れましょう!しかし、『ゴールデンスランバー』結構な酷評だなぁ・・・・。オレ、原作も映画化も大好きなんだけど。凄い面白かったじゃん!
上木原 なんでそんなに好き?ビートルズだから?けど確かに「たいへんよくできました」ってハンコ押したくなる作品でした。面白かったよね。
りん 『ゴールデンスランバー』は、真実か虚実かも分からない「情報操作」ってのが1つのテーマだったんだよね。その情報に知らず知らずに踊らされている恐ろしさ、踊らされている事に気付く事なく流される不思議さ、そして様々な手法で行われている「情報収集」。
本当に小説の中だけの世界なのか?実は実際に今現在も起こり得る、起こっている事実なのでは?と感じさせる妙な「もやもや感」。
そういうのが(原作では)良かった。けど映画化作には原作に漂ってた『ケネディ暗殺』や『エネミー・オブ・アメリカ』的な感じのストーリー展開がなかったなぁ。何故総理は殺され、何故主人公が逃亡しなければならなかったのか。そして主人公は一体どうなってしまったのか?主人公の逃亡の裏にある膨大な「情報」の世界。そして見えそうで見えていない組織かどうかも分からないけど確かに感じられる"何か"大きな存在。そういうスリルと言うかドキドキ感満載の世界観が、映画には全然。。。主人公を取り巻く登場人物の魅力も、うーん。。。な感じで。なのに妙に原作に忠実な台詞を使ってたり。台詞がモッタイナイ感じになってたじゃないか。活かされてないよなぁ。
上木原 しかも物語的に疑問も多いよね・・・・例えば結局犯人は誰?政府?どっかの組織?。キルオはなぜ助けたのか?
佐々木の正体は?・・・・ま、そんなことよりも仲間との絆がテーマっぽいんでその辺はご想像にお任せしますって感じなのかな。
けどやっぱり引っかかる佐々木さん・・・・彼は最後のマンホールから青柳撃った際、本部長から「本物でしたか?」と言われてびっくりしてたよね?佐々木は無実で国家権力で濡れ衣着せられてるのを確信したのか?それとも、もともと偽者いるって知ってて本人撃った?はたまた計画立案者で主犯とか?まあ原作読んでないからいろんな想像ができて面白かった。
あと、晴子が元カレの青柳を助けるトコ。結局最後?ってか最初?のシーンに会うだけで、途中は学生時代の思い出だけ。最後のエレベーター親指で押して慌てて指変えたトコロで晴子が青柳だと確信して「たいへんよくできました」と・・・・。
って、整形後は『踊る~』の王さんじゃないですか!しかも普通に喋ってる。見終わったトキ、昔の彼女思い出し、ガキの頃の仲間思いだし、就職したての頃の仲間思い出し、伊藤四郎みてオヤジ思い出した。「アイツのコトはすべて知ってるんだ!」そんなオヤジの言葉にウルッときちゃったよ。やっぱり「信じること」って大事だよね。宅配屋のロック先輩とのカラミシーンで思った「どんなことがあってもあきらめちゃいけない!」「人間生きててナンボ!!」
坂元 そうそう、僕としてはこの原作の魅力ってどんなに大きな陰謀が渦巻いていようと、大きな罠にはめられようと結局は人と人との絆とか信頼関係ってのが要だってのと、あと、音楽ね。音楽は世界までは救えないにしても一人の人間を勇気付けることは絶対に出来るんだっていう。その辺をテーマに観てたら大満足でした。音楽に関して言えば、本を読みながら頭の中で流れていたビートルズが実際に流れるワケだし(笑)。
上木原 『ゴールデン〜』で描かれる「冤罪の被害者と冤罪で作られた社会の怖さ」というテーマだと『それでもボクはやってない』とか、冤罪映画の代表的作品とも言える『日本の黒い夏』とか、怖いよねぇ・・・・。実際に冤罪で終身刑、死刑になった人ってきっといるだろうし。たまに事件で無罪主張する人見てて、コノ人が実は冤罪で警察にでっち上げられた架空の犯人だったら?って思うこともしばしば。
冤罪で被害者側になった人はどう思うんだろう?俺がもし濡れ衣着せられたらどうしよう?『日本の黒い夏』みたいな拷問うけて無罪を主張する自信がない・・・・冤罪で仕立て上げられた犯人の家族、友人はどんな思いなんだろう?この『ゴールデン〜』でも元カノ、友人、家族とそれぞれの思いが上手に描かれているよね。
坂元 『日本の黒い夏』は本当に衝撃的な映画だった。サリン事件もリアルタイムでニュースとかで見てきたからね。今は鹿児島に住んでいる河野さんに1度会ってみたい。心底敬意を表するよね、あれだけの事がありながらも始終立派で強かった。
上木原 『それでもボクはやってない』で被告人に対し取調べ室で怒鳴りあげ全く耳を貸さない刑事。とにかく自白させ調書を作ろうとする場面・・・・否認する撤平に対しトイレで「白かもしれねえと思ったら落ちねえゾ」ってセリフ。警察って・・・・。犯罪者は大体言い逃れしようとするんだけど、それに対して信じない許さない気持ちって確かに大事だと思う。けど、その現実がたまに冤罪を生むんじゃないかな?とも。大森扮する山田刑事のように正義感の強い人間こそ陥るというか・・・・。この映画は警察と被疑者の間違いの様子をうまくリアルに表現した作品だったと思う。けどまぁ、下着ドロとか痴漢とかで犯罪起こしたくないよね・・・・なんてったって恥ずかしい!

タシーロみたいな人生送りたくない。“痴漢は犯罪”(笑)。

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