誰も知らない©「誰も知らない」製作委員会

#157 誰も知らない

この映画はやっぱり、柳楽優弥がカンヌで史上最年少&日本人初の最優秀主演男優賞獲った映画、ってのがインパクト大きい。 by アキサン

『誰も知らない』
誰も知らない
発売元:バンダイビジュアル
発売日:2005年3月11日レンタル開始(レンタル中)

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子供が犠牲になる話ってのは、キツい・・・・

アキサン 『誰も知らない』は是枝監督作品というよりも柳楽優弥の映画って印象が強いんですよね。やっぱりカンヌで史上最年少で日本人初の最優秀主演男優賞獲った映画、ってのがインパクト大きい。
坂元 全く同感です。確かあの時はウォン・カーウァイの『2046』もカンヌでノミネートされてて、それに木村拓哉が出てたから凄い話題だったんだよね。日本の記者たちも間違いなくキムタク撮るためにカンヌに行ってたって感じで・・・・。
でも、まさか?!の史上最年少&日本人初で柳楽優弥が最優秀主演男優賞を獲ったもんだからキムタク目当てに偶然行ってた日本の記者団にとっては歴史的な快挙をスクープできてラッキー!みたいな(笑)。「柳楽優弥って誰だよ?」ってのと、すっかり子供に話題を持っていかれたにも関わらずキムタクが凄い喜んでいたのを今でもよく覚えているなぁ。それからキムタクファンになった(笑)。
アキサン 昔観たときは「何かいかにも海外で賞獲りそうな映画ですなあ」とハスに構えて観てた記憶があるんだけど、今回改めて観直したら何かもうキツイ。以前にも言ったけど、子供モノがね、最近キツイんです。
坂元 分かる、分かる!自分に子供ができるともう全然“視点”が違ってくるよね。子供が犯罪に手を染めざるを得ないリオデジャネイロのスラム街の実話を描いたフェルナンド・メイレレスの『シティ・オブ・ゴッド』なんて、今観たら当時と全然違った印象になると思うし(笑)。
アキサン 誰の首が吹っ飛ぼうが輪切りになろうがミンチになろうが、どんな残忍な方法で殺されようが気にならないけど、やっぱ子供が悲惨な目にあうのだけはキツイ。特にゆきちゃんとか僕の娘と同じような年頃だから尚キツイ。死の描写はフンワリした撮り方であんまエグくないんですけどね。観た後はもう娘ギューてしたくなりましたもん。
坂元 絞め殺そうかと?
アキサン ・・・・だから、そういうの全然面白くないし、むしろ不愉快。
上木原 目を覆いたくなるような描写は全く無いのだけど、凄く“残酷な映画”に近いものがあるよね。母の不在によって起こる日常そのものがもう残酷。特に、長男が野球を楽しんでる時に妹が亡くなる瞬間とか。学校へも行かず食べて寝るだけの生活。ただただ生きてる兄弟。金銭的問題をはじめ一生懸命生きてるんだけど、悲しみ苦しむ姿に胸が痛い・・・・。
坂元 こんなに理不尽で非常識な母親なのに、それを敢えてなのか?ごく普通の1人の女性として描かれているところがまた凄いよね。YOUの力量なのか?
上木原 うちの彼女は子供たちを一生懸命愛してる。一緒に笑ったりハグしたり料理したり勉強したり・・・・僕だって勿論愛しているんだけど、どうしても仕事優先で子供のことを理解していないところがいっぱいあるから。だからウチの彼女には凄く感謝し尊敬しているのだけど・・・・彼女とこの作品に出てくる母親役のYOUを比べるとあまりに無責任すぎて・・・・っていうか、比べるにも値しないよね。
坂元 でも、たま~に帰ってきた時はやっぱり母親の顔を見せるし、子供たちもどんだけほっとかれても母親に会えたら心底嬉しそうな顔をして・・・・なんなんだろう?それがまた辛いんだよね。泣けてくる。
上木原 母親も虐待してる訳でもない。ただズレてる母親なだけなんだよね。子供たちも母親を恨んではいなくて、ずっと母親の帰りを待っている。学校いかなくていい、外に出るな。そんなズレた女性なだけなんだ。特に明に言う一言「あんたの父親が一番勝手じゃないの!私は幸せになっちゃいけないの?」マジか・・・・これが母親かよ、って。
坂元 でも、敢えて誤解を恐れずに言うならば「私は幸せになっちゃいけないの?」って、ある意味世の中の「母親」みんな・・・・とまでは言わないにしても、その半数以上の人は心に秘めているんじゃないか?とも思う。子供や家庭の為に自分の時間の殆どを費やしているワケでしょ?むしろそんなグチの1つ2つあって当然なんじゃないかな、っと。・・・・っていうオレも、もしかしてズレてるのかな?(笑)
上木原 子供に対して当たり前だと思っていても、実は世間とズレているのかもしれない?って不安は誰にでもあるかもね(笑)。
坂元 オレはもう“ズレている”という自覚は多々感じているけれど(笑)。

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