#158 キッズ・リターン

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世界の北野武映画

アキサン 『あの夏、いちばん静かな海』を最初に観たときは「あれ?」って思いましたね。たけし居ないしヤクザいないし。何か『稲村ジェーン』とイメージ被るし。やっぱ「たけし映画」は暴力要素タップリのヤクザ映画じゃないと、と思ってたら今回のテーマの『キッズ・リターン』・・・・。
坂元 「映画」っていう角度のみで勝負して、そして勝てた、みたいな、正に「北野武」映画ってのを確立した1本だよね。
アキサン また“たけし”出てないし・・・・って思ってたら凄い青春映画。キラキラした素直な爽やかさじゃないけど、何かしら自分にもある似たような思い出と後ろめたさに浸れるような心地良い爽やかさ。
上木原 懐かしいですね~、『キッズ・リターン』。今度『キッズ・リターン 再会の時』って続編があるそうで。独特の空気感と雰囲気。仲間がそれぞれ違う道でトップになる「サンクチュアリ」ってマンガあったんだけど知ってる?史村翔原作で池上遼一さんの漫画なんだけど面白いよ。カンボジア戦乱から帰国した二人の男が日本の政治体制を改革するため表と裏の世界からトップに立つ・・・・っていう。これがボクシングとヤクザでトップになろうとするとこが似てるの思い出した。
坂元 この『キッズ~』以降、武映画にはこんな設定多いんだよね。
上木原 っていうか、キャストも北野組にモロ師岡にクドカンと今日本を代表するリッチな俳優がいっぱい。
最後母校の校庭で有名なあの台詞「俺達、もう終わったのかな」「まだ始まっちゃいねぇよ」・・・・あの会話から10年後の設定の『キッズ・リターン 再会の時』。再びマサルとシンジが人生を賭けていく。時が過ぎて変わるものと変わっていくもの。マサルとシンジがどんな結末になるか楽しみで観てみたいけど、前作で終わって欲しかったのも事実だよね。まぁ、バイオレンス要素もあるけどカッコイイ青春映画だよね~。
アキサン 金子賢演じるマサルはチンピラヤクザみたいになっちゃうけどバカじゃないんですよね。ジムに遊びに来た時にも会長に気を遣って帰ったりできるし。感化されやすい運転手もヤクザなのに何か憎めない。
一方、シンジは真面目そうに見えるけど結構要領がよくて悪ガキ要素タップリ。けど、マサルの舎弟の前ではマサルに対して敬語で喋る気遣いも忘れない。出来る子ですよね。ジム先輩のハヤシもロクデナシだけど憎めない。出てくるキャラクターのほとんどが何かしらダメな一面を持ってて何かしら良い面を持ってるんですよ。
金子みすずの「みんなちがって、みんないい」じゃあないけど。
坂元 今や武の代表作とも云える『アウトレイジ』シリーズも正にそれだよね。っていうか、真逆の「みんなちがって、みんなわる」みたいな(笑)。それぞれの個性がしっかりしてて、色んな角度から見れるから、例えば飲みながらみんなで語れば朝まで尽きない(笑)。
まるで、コッポラの『ゴッド・ファーザー』みたいな奥深さ。彼の名実ともに一番のヒット作だよね。
アキサン でも、数字的には『座頭市』の方が売れてるみたいだけど。しかし、『アウトレイジ』は最高ですよね。まず何より言葉の暴力が気持ち良い(笑)。「コノヤロー!」「バカヤロウ!」・・・・もはや挨拶ですよ。おはようコノヤロウ。おやすみバカヤロウ。
そして肉体的な暴力。気の弱い人は目を背けちゃうような痛々しいシーンが盛り沢山。『ビヨンド』になれば関西弁も入り乱れてドエライことに。西田敏行の関西弁は「白い巨塔」の時と同じで相変わらずアレでしたけど・・・・。
上木原 『ビヨンド』の、松村邦洋の武、西田、中尾の激似モノマネアフレコCMがマジ爆笑!「バカヤロー!」の連発がスゴイ。共感も感動も何もない「なんだこのヤロー」「バカヤロー」しかないんだけど、面白いんだよねぇ~・・・・。
やっぱ久しぶりのバイオレンス映画は北野流の独特の世界感と魅力、これに限るよね。特に大友を裏切って山王会の若頭になった石原に扮する加瀬亮がイイ!そして刑事の片岡もすごくイイ!超豪華キャストなのにバランスがよく出過ぎてないとこが不思議。『ビヨンド』では怒号も東西バトル!今度は「ボケ!」「カス!」まで・・・・西田&塩見の花菱幹部がチビリそうなくらい怖いんだって。
坂元 でも上木原さんは常日頃鍛えているその身体だから怒鳴られたくらいじゃビビらないでしょ?オレ、上木原さんと一緒の時は常に周りに喧嘩売ってるもん。だって上木原さんがいれば大概勝てるって!
上木原 いやいや、俺はそんな野蛮じゃないよ。そう言えば随分そんな怒号発してないなぁ・・・・『アウトレイジ』観て何かスッキリするのは、きっと怒号・罵声のせいかもしれないですね。僕も言ってみたいな・・・・例えば材料間違えて持ってきた坂元さんとこの会社「ソニック」の担当・福田さんに「オイ!何ボーッとしてんじゃ!バカヤロウ!」って(笑)。
坂元 上木原さんに言われたらもうタダですよ、タダ。取り敢えず「半年間美容商材タダ」ってことで勘弁して貰えませんでしょうか?(笑)

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