#165 最強のふたり

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歴史に残る名シーン

みーちゃん 『最強のふたり』を知ったのはテレビでやってた公開作品の紹介コーナーでした。実話の映画化で、この二人が出した条件が「笑える映画にすること」だったと知り、とても興味がわき・・・・それからしばらくして、他の番組でドキュメントを見たので、ますます公開が楽しみだったのに・・・・結局、劇場で観そびれてレンタルでの観賞でした。大号泣だったので劇場じゃなくてよかったかも・・・・と、自分でフォロー(笑)。
アキサン 僕は珍しく嫁と一緒に映画館に観に行ったんですけど、初めて映画館で声出して笑いましたよ。当然、オペラのシーンですね。もうあのシーン大好きです。畳み掛ける誘い笑い。笑ってはいけないオペラ状態。
坂元 あのシーンは最高だよね!
上木原 オペラ会場で木の役者出たトキ、僕も「ヤバいコレ絶対ツッコむ!」って思ったもん(笑)。あと、フィリップの誕生会のクラシック演奏シーンでの「これCMで聞いた」「職安の電話の待ちメロだ」「トムとジェリー」・・・・とかの庶民的発言が最高!それと、ハングライダーのシーンやヒゲのシーンとか・・・・コレってコメディ?何回笑ったんだろう・・・・てか、ドリスの笑顔が最高すぎる。
坂元 ホント、どのシーンを思い出しても微笑ましくグッとくるよね。中でも一番好きなシーンは?
上木原 「荷物を積むんじゃあるまいし、後ろになんか乗せられるか」ってシーン。福祉車両じゃなくコッチに乗せて4L・V8サウンドに「スゲ~」の連呼。そしてフィリップが「判る?」と。ただドリスが乗りたかっただけじゃないの?って思ったけど素敵なシーンだった。そして屋敷にはフィアット500との2ショット。解ってらっしゃる。フェラーリでもランボでもなくそんなシチュエーションが素敵。あと、二人でマッポをからかうシーン。まあ楽しいヤツだわドリスは・・・・。
シリアスとコメディが絶妙すぎるよね。こんなに最初からグイグイ引き込まれていく作品は久しぶりだった。てか、こんなフランス映画観たのは初めてだった。介助や介護の大変さはもちろん壮絶だけど敢えてソコに重点を置かない作品。館内でも多くの人が笑って泣いて、終わった後の余韻がすごくいい感じだった。
アキサン 僕は友人・知人に車イス乗ってる人がいるので、大分壁は低くなってると思うんです。でも、最初は壁というか、ハードルが高く感じられたんですよね。遠慮というかなんというか気ィ遣っちゃう。大丈夫かな?押してあげようかな?みたいな。病院で車いすに乗ってる病人の患者さんとの区別がつかなかったんです。でも違うんですよ。車イスに乗ってるだけの普通の人なんですよね。逆に腕なんかムッキムキだし煙草も吸うし酒も飲むしエロいし。だから多分そんなこと知らなきゃやっぱり気を遣っちゃうんです。しかも映画のフィリップは首から下がマヒしてる。でもドリスはそんな人を介護、というか“介護”でもなくて友達になっちゃってましたもんね。
上木原 全く真逆の二人。全身麻痺のフィリップとスラム出身のドリス。フィリップに対し全く憐みを持たないドリス。もし一緒の環境だったら僕はドリスになれないと思う・・・・てか逆に普通キレるでしょアレ。彼の一言の冗談がデリカシーなさ過ぎてる感じがして・・・・。健常者用のチョコのシーンや文通相手に電話するシーンはヒヤヒヤしたもん。けど、ドリスは乱暴なようで優しさもあるんだよね。笑顔がとても素敵。秘書や演奏家ら他の出演者らも付き合うほどにステキな人ばかり。けど、あのフィリップ役の人初めて見たんだけどスゴクない?頭と表情しか動かせないのにあの演技。特にサテンでドリスに妻の話をするシーンと「本採用」を告げた後の一言を告げたあの表情。スゴイよね・・・・。
みーちゃん ロバート・デ・ニーロに似てて素敵でした!
アキサン 健常者と障害者の間にある壁、そんな壁を気にもしない。多分そんなもの最初から無いから触れようともしない。僕は原題の意味をそんな風に感じました。・・・・でも邦題は「最強のふたり」。なんか、キン肉マンのウルフマンとブロッケンJr.のモーストデンジャラスコンビみたいですよね。
坂元 全然。
上木原 昔からね、70年代のディスコミュージックが好きで“アースウィンド&ファイア”とかドツボなんだよね。普通はスラム街の黒人って言ったら“ヒップホップ”でしょ(失言でしたらスミマセン)、そこを敢えて“ディスコミュージック”!フィリップの誕生会でドリスが披露した“ブギー・ワンダーランド”、思わずコッチまで踊りたくなっちゃう。僕的に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でマーティが“ジョニー・B・グッド”を歌うシーンとカブるんだよね。フィットネスクラブで「リトモス」ってダンス系フィットネスやってるんだけどダンスミュージックに合わせてステップ踏むんだ。ただ音楽を聞くのもいいけど、やっぱり好きな音楽聞いて身体でノったり踊ったりってのが一番だよね。
坂元 上木原さんが「リトモス」やってるとこ見たことないけど、何故だかしょっちゅう見ているくらいに容易に想像できます。
上木原 で、最後「俺は席を外すよ。大丈夫きっと上手くいく」・・・・ドリスが文通相手に写真渡していたんだろうね。一度は店の外でニアミスですれ違ってるから。フランス人は時間にルーズってコトで・・・・そして二人の表情。ドリスもだんだん変わっていった。駐禁車両の注意の仕方観ても解るように。音楽も最初のスラム街で仲間と戯れるシーンで最初と最後じゃえらく違うんだよね。観れば見るほどいろいろ感じてくる作品。なんか胸がアツく何とも言えないエンドクレジットに感動感謝。余韻がハンパない!・・・・てか、あの美術工芸品のインペリアル・イースター・エッグって10億の値打ちするんだってね!ハリウッドでもリメイクの話があるようで・・・・その時は是非ダスティン・ホフマンとエディ・マーフィで!(笑)だってクリソツなんだもん。

他、オススメ映画

坂元 あと、コレ系で他に面白かった映画だと何を思い出す?
上木原 25年以上前の作品なんだけど『マグノリアの花たち』って知ってる?『プリティ・ウーマン』のジュリア・ロバーツ主演の。知り合いに勧められて観たんだけどスゴくいい作品。糖尿の娘が結婚。そして医者には止められていた出産を、危険を顧みず周りの反対を押し切り出産。当然、病状が悪化し母の腎臓を移殖。手術は成功し幸せな生活を楽しんでいたところ、またも病状が悪化・・・・。昏睡した娘は母が見守り続けるが目を覚まさず、母は人工心肺のスイッチを切るという・・・・「元祖女子会」って言葉が合う母親たちの姿に心が温かくなるんだ。美容室でのシーンとか最高でさ・・・・みんな笑顔でこんなサロンだったらなって思った。ハッピーエンドじゃないんだけど、凄く温かい気持ちになれる。娘を思う母。生まれてくる息子を思う母。多くの女性に見てもらい作品でした。ただね、メンズ軍団が全く役に立たないんだって(笑)。
坂元 あぁ、もう粗筋聞いただけでグッとくる。絶対観てみます。“尊厳死”がテーマの映画で『海を飛ぶ夢』って観たことある?アレハンドロ・アメナーバル監督にハビエル・バルデム主演のスペイン映画なんだけど、コレはもうメチャクチャ凄い映画!単純に泣けないくらいに深いんだよ。今回の『最強のふたり』観て真っ先に思い出したのがこの映画だった。
アキサン 少し古いとこでメル・ギブソンの『顔のない天使』とかどうですか?初めて観たときはビックリしましたね。『マッドマックス』『リーサル・ウェポン』で派手にアクションしてたのに急に良い人になっちゃって。当時、一緒に観てた母が「ズルい、いちばん格好いいとこ持ってった」と言ってて「ナルホド」と思ったのを覚えてます。しかもメル・ギブソンの初監督作品なんですよね。『ブレイブハート』といい『パッション』といい、メルギブは油断ならないですね。
坂元 『ブレイブハート』に至ってはその年のアカデミー賞で作品賞・監督賞はじめ主要5部門を独占しくらいだからねぇ・・・・でも、個人的には正直、彼の監督作はどれも好きでは無いなぁ・・・・。俳優としてのメル・ギブソンは大っ好きなんだけど!やっぱ、『マッドマックス』とか『リーサル・ウェポン』のイメージが強すぎ・・・・っていうか、あのイメージが彼の全てだ。『プリズン・ブレイク』のピーター・ストーメアと共演した『キック・オーバー』(12年)観た?久しぶりにカッコ良いメルギブだった。やっぱ、彼はあぁじゃなくちゃ!
みーちゃん コレ系ではないかもしれませんが、私が凄く感動した作品は『ワン・デイ 23年のラブストーリー』です。学生時代に知り合ったふたりの、毎年、同じ日の出来事が描かれています。いろんな作品ありますが、ワン・デイ、同じ「一日」だけに特化してるのは珍しいと思いました。回想シーンもとても上手く描かれていて、ラストまで見て更にジーンときました・・・・。
上木原 あと、王道『ライフ・イズ・ビューティフル』ね!僕は仕事ではなるだけ笑顔でいるんだけど家に帰ってからは意外と無表情。笑顔でいなきゃと解っているんだけど仕事とトレーニングでどうしても笑顔が出ない・・・・逆に毎回ニヤついてるヤツ見るとヒガミを通り越して腹立ってくるくらい(笑)。でもね、この作品見て思ったんだ、家族の前でいつも笑顔でいたら辛いこと悲しいことや“不安”って無くなるんだなって。コイツどうしてこんなにウソついて、しかも笑えるんだ?それを素直に受け止める息子。そしてナチスの強制収容所へ・・・・ソコでも息子に現実を悟られないようウソをつき続ける。けど、それは幸せにするウソ。我が子を思うためのウソ特に愛する妻へ拡声器で伝えるシーンが好きだなぁ・・・・。そして捕えられたグイードが最後に見せる笑顔!自然に身についた笑顔が羨ましい!笑っていたらどんなことでも楽しくなれる。愛する人、パートナーが出来たトキこそ笑顔でいなきゃと思う作品だったよね。
坂元 あと、外せないのが『ショーシャンクの空に』
アキサン じゃあ、いつかはシウアタネホに行かなきゃね!
坂元 ・・・・なに?
アキサン 出た!・・・・「好きな映画何?」って聞くと、条件反射かのように『ショーシャンクの空に』を挙げる人いますよね。得意料理は「肉じゃが」って言っとけば安心みたいな。僕もうアレが嫌で嫌で。「じゃあ、いつかはシウアタネホに行かなきゃね」って言うとポカンって顔するんですよね。劇中で「忘れようったって忘れられるもんじゃない」って言ってるのに。忘れてんじゃねえよ、って。で、あの映画観ると無性にビールが飲みたくなるんですよね。しかも屋外で。

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