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#176 それでも夜は明ける

しんどいね、この映画・・・・実話ってのがホント悲しい。12年間の奴隷生活をすごした一人の男性を描いたノンフィクション作品。最初から最後まで眉間にシワ寄せて観た作品マジ初めてだった。 by 上木原

『それでも夜は明ける』
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『それでも夜は明ける コレクターズ・エディション(2枚組)』
価格:3,800円(税抜)

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いつ夜が明けるのか・・・・

上木原 最近ジムで朝ジョグしながら映画観るコト多くてさ。朝って気分滅入るニュースばっかでしょ・・・・だから毎朝走りながら30分映画観るんだ。夜に酒飲みながらもいいけど、ランしながらもオススメだよ〜。
坂元 まず、朝ジョグすることから始めないとなぁ。
上木原 で、今回は「アカデミー受賞作はホントに面白いのか?」・・・・そりゃオスカー作品は面白いでしょ!ただやっぱり好みがあるからね、映画って。特にオスカーモノって政治的内容や社会派問題に国際問題って多い感じがするのは気のせいかな?海外の実話系作品はどうも馴染みがなく映画館ではどうしても寝てしまう(笑)。『ハート・ロッカー』は爆睡だったもんな・・・・。
まあでも最近はこんな世論のせいか重く暗い映画を観ることも多くなったんだけど、今回のお題では久しぶりに考えさせられる作品いっぱい観たよ。
アキサン しかもアカデミー賞作品って、大体が日本公開前だったり公開直後とかだったりするので、前評判だけ先行してる状況だから、評判だけ聞いた人が観に行っちゃって「あんまり面白くなかった」なんて評価受けてることが多いですよね。今回のテーマ作『それでも夜は明ける』なんかも決して「面白い」作ではないし。
上木原 『それでも夜は明ける』。しんどいね、コレ・・・・実話ってのがホント悲しい。12年間の奴隷生活をすごした一人の男性を描いたノンフィクション作品。北部では自由黒人として家族穏便に過ごしていたのに、騙されて酒を飲まされた挙句、南部に拉致されるという・・・・てかアンタ等いったい何してんの?最初から最後まで眉間にシワ寄せて観た作品マジ初めてだった。
アキサン まあ、ひたすらイライラするというか、アメリカ人頭おかしいんじゃねえか?って。ほんの160年ぐらい前まで何してたんだよ、って。てか日本もその頃はチョンマゲ結ってハラキリしてた時代なんですけどね。
上木原 特にエップスと彼の妻が酷い・・・・ニガー、奴隷、家畜「生き残りたいなら余計なことはするな。死にたければ別だが」あのセリフが未だに残ってる。
アキサン エップスは見事な屑っぷりでしたね。夜中に奴隷を起こして踊らせる、奥さんよりも綿花を大量に収穫するパッツィーを選ぶ、そんなパッツィーを手籠めにし、あまつさえ鞭打ち。奴隷をイビることに快楽を見出すド変態。逸材です。
上木原 あと、奴隷と家族が最初に連れてこられた家で子供と離れ離れになった母親が泣いているのに対して農場妻が言った言葉覚えてる?「かわいそうに、子どものコトは早く忘れなさい。今日はゆっくり休むといい」・・・・人として扱ってないってコトだよねコレ。性的奴隷であり、言いがかりをつけられムチでたたかれる女性黒人パッツィーの描写も酷い。ソロモンの手紙をチクられエップスに問い質されるシーンはコッチまで緊張した。それでも、何が何でも諦めないソロモン。
アキサン ソロモンの首くくりシーンとか下手なホラーよりよっぽどえげつない。見てらんないよね。ソロモンが必死に生きようともがいてる後ろで無邪気に遊ぶ子供達。それは子供達が残酷だったり冷血だったりするわけじゃなく、黒人が虐げられている状況が日常風景だったということを表してるわけで。人はこうも無神経になれるのか、と。そんなソロモンも首くくりにあってる黒人ふたりの姿を横目に通り過ぎる。命令されたとはいえパッツィーへの鞭打ち。もうまともじゃないですね。まともじゃなくなっちゃうんですね。
上木原 長い長いワンカットの首吊りのシーンはホント泣きたくなった。ブラピが終盤、地主に対して「奴隷を自分のものだと主張しているが逆の立場だったらどうだ?」と問うも「そんなことはありえない」金出した以上私の所有物だと反論。それに対してブラピは「白人も黒人も同じ人間で、その権利は誰のものでもない。社会的な法律には悪法もあっていずれ滅びるだろう」と。今現在はこの作品に見られるようなアメリカではなくなったけど、未だこの世界ではあるんじゃなかな。
アキサン そして何よりもこの映画から与えられるムナクソ要素はエンドロール前にテロップで流れるエピローグ。最ッ高にムナクソですよね。解放されたのに、家に帰れたのに、孫もいるのに、通常ならハッピーエンド要素満載なのにムナクソ。たまりません。 ずっとずっと「いつ夜が明けるんだよ」って思いながらの二時間強。ブラピが出てきてイイ奴っぽい空気出してる辺りで「ああ、ようやく夜明けか」と一安心でした。
上木原 日本人にとってはあまり実感がわかないテーマだけど是非沢山の人に見て欲しいと思うよね。

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