藁の楯 わらのたて©木内一裕/講談社 ©2013 映画「藁の楯」製作委員会

#178 藁の楯 わらのたて

孫を殺されたから犯人を殺してくれた人に10億!すべてが敵。盾の意味が無い。「藁の盾」って意味が無いもの、価値がないものってコトなんだろうね。問いかけの多い作品だった。 by 上木原

『藁の楯 わらのたて』
発売元:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
ブルーレイ&DVDリリース中
DVD¥1,429+税

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不愉快映画の金字塔『藁の楯』

上木原 今回は鬼才三池監督っすか。ホラー、時代劇、アニメ実写にバイオレンスなど、かなりのジャンルあるよね。でも彼は時代劇つくらせたら超一流なんじゃないかと・・・・。『一命』とかもう最高でした。号泣しましたよ。『藁の楯』より『一命』をテーマにしてほしかったです。何故『藁の楯』なの?
坂元 三池崇史監督の最新作『極道大戦争』の公開に併せて~だったんで、映画のノリ的に『藁の楯』かな、と・・・・。しかし『一命』観たことないです。そんな面白いんだ?観てみま~す!
上木原 しかも以前も#124『スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ』でやったよね?どうせなら園子温監督の方がよかったんじゃないすか?
坂元 『リアル鬼ごっこ』の公開もあるしね。なるほど、確かに。
上木原 で、『藁の楯』・・・・なんとも言えない作品だった。孫を殺されたから犯人を殺してくれた人に10億!世間が莫大な懸賞金に目がくらみ、ヤジ馬もヤクザも警察内部も護衛の仲間内もSPまでも、誰も信じられない状況設定は非常に脚本が上手くて魅力的だった。リメイクしてハリウッド版も観てみたい。
アキサン 完成記者会見で藤原竜也が「日本の全国民に嫌われたいなと思っています」と言ってましたけど、まさしく、ですね。「このボケェさっさと撃ち殺したらんかい」という、観てる側のイラつきを善人面でいなす大沢たかお。瑛太の弟は無駄死。デスラー総統は犯人射殺で連行。反町の嫁はどっちつかずでキャラブレまくり。もうしっちゃかめっちゃか。「全部お前のせいやんけ!」という観てる側のイラつきをさらに増幅させる藤原竜也のおとぼけっぷり・・・・。
坂元 ホント、この脚本が凄いよね。この設定を思いついた時点で勝ったも同然でしょ?
上木原 あの「ビーバップ~与太郎シリーズ」の木内さんが書いたんだってね。「コイツを生かしておく意味があるのか?」「なぜこんなクソ野郎を守るのか」「なぜこんな奴のために命をかけなければいけないのか」「いっそ殺したところで何が悪いのか」・・・・そんな問いが多かったよね。すべてが敵。盾の意味が無い。「藁の盾」って意味が無いもの、価値がないものってコトなんだろうね。クズの為に税金の無駄遣いがホントに許せないよね~。
藤原竜也クンは救いようのない役やらせたら1番上手いんだけど、清丸はホントにクズだったよね(笑)。「はよ殺せよ!!」って何度も思った。特に逃走したときに幼女見つけたシーンとSP白岩撃ったシーン・・・・最悪。「死んだ者は復讐を望んでいない!」って銘苅言ってたけど望んでるでしょ。俺なら望むよ。
アキサン そうそう。途中で射殺許可が降りちゃったもんだから、僕も「もう早く撃っちゃえよ」って気分で観てました。反町の嫁はよそ見して竜也逃がすし防弾チョッキ着てないから撃たれるし。てか、またよそ見してて鎖でシバかれてますよね。映画冒頭で優秀なSPだと聞いていたんですが何だったんでしょう?何か色々とモヤモヤしちゃうんですよね。
上木原 坂元さんもアキサンもカワイイ女の子いるよね?それがあんな姿にされたらどうよ?昔あった「幼女誘拐殺人事件」とか最悪だよね・・・・。関係ないけど、先輩で「宮里ツトム」って先輩がいて毎回名前間違えられてキレてるの思い出した(笑)。若い警官が幼女の遺体見て・・・・あの気持ちわかるわ。口の利き方はホント悪いけどね(笑)。
坂元 その先輩、ツライねぇ~(笑)。確かに、特に僕ら世代は宮崎勤って名前聞いただけでも不愉快な気分になるよね。死刑が確定した時、遺族にそれを執行させてやれ、と思ったもん。
アキサン 僕自身が娘を持つ父であるが故に、ペドフィリアに対しては嫌悪感しか抱かないんですよ。そんな嫌悪感をさらに増幅させる清丸のあのキャラクター。お芝居ですよ、映画ですよ、フィクションですよ、とわかっていても次々増していく嫌悪感。それを演じきった藤原竜也に賞賛を送りたいですね。ありがとう。久しぶりにムナクソ悪い2時間でした。
坂元 何言ってるのか全然わからないんだけど・・・・。
アキサン でも、ストーリーには色々ツッコミ所がありますよね。設定も何か『S.W.A.T.』に似てるんですよね。懸賞金出す立場が逆なんですけど。終盤のたかお発砲寸前シーンは『セブン』を思い出させるし。
序盤のタンクローリー爆発シーンで予算をほぼ使い切ったのか、あとはコンパクトなストーリー展開。わざわざ新幹線銃撃シーンを台湾まで撮りに行ったのに何かコンパクト。セットで撮ったの?って感じちゃって。電車降りてからは徒歩で移動(笑)。超エコ!クライマックスに向けて緊迫感が増していくはずなのに、段々緩いオフビートな展開。序盤の見てる人置いてきぼりな疾走感はなんだったんでしょうか。
上木原 で、ラストシーン・・・・最後のあのセリフ聞いた?「すっげぇ」だよ・・・・。清丸は法廷で死刑宣告を受けて最後に「後悔しています。どうせ死刑になるならもっとやっとけばよかった」。まぁ思ってもなかったセリフに胸糞悪すぎた。あと、清丸は蛭子さんにやらせたらもっと迫力あったかも・・・・。
アキサン 僕、あそこで清丸引き渡した瞬間にズドンって射殺されて、たかおが「俺のしていたことはなんだったんだ」と崩れ落ちる姿を想像していたんですよね。だったら後味悪くていいなあ、って。
そしたら、さっさと清丸確保すりゃ良いのにドテ転がしておいたままでたかおと山崎努のトークタイム。その山崎勉が向かい風を浴びながら歩くシーンは無駄に格好良い。風強すぎ。で、清丸の最後のセリフも想像出来ました。そうでしょうとも。そうでなくっちゃな。って。あそこで「反省してますぅ、ごめ゛ん゛゛な゛ざい゛!」って竜也お馴染みの濁点ついたセリフで唾たらしながら廷吏に引きずりだされてニヤリ、ぐらいでも良かったのかなあ、って。
坂元 後味を悪くさせる方向でしか考えてないでしょ?

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