#179 friends もののけ島のナキ

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世界に誇れる日本アニメ

坂元 ところで、細田守監督の『バケモノの子』観た?凄い面白かったよ。この夏休みに子供連れで行くなら迷わずコレ!オススメです。
アキサン 細田監督といえば2006年の『時をかける少女』で一気に知名度が上がりましたよね。最初は全国でわずか21館のみの上映だったそうですけど、口コミで人気が増していったとか。特筆すべきは「エヴァンゲリオン」でお馴染みの貞本義行氏がキャラクターデザイン。それまでは難解且つ鬱屈したストーリーの中で動いていた貞本キャラが、明るく爽やかな世界で青春真っ盛りの活き活きとした表情で魅力的に動き回る。そして真琴の鉄壁スカート。あんなに爽やかなのに見ていると段々不思議な気分になってくる。その絶望的な青空。もう取り返せぬ青春の日々。嗚呼・・・・。
坂元 どんな学生時代を送ってたんだよ。
アキサン 続く『サマーウォーズ』も抜けるような青空。魅力的なキャラクターが揃って大活躍。細田ブランドの確立ですね。
上木原 こないだ『サマーウォーズ』観たよ。序盤はなんじゃコリャ?って思ったんだけどテンポよく、ある意味子供でも楽しめる作品だった。独特の世界観があって最後まで楽しめたなぁ。
昔からの日本の田舎で見る家屋、季節感と空気感・・・・でも、障子一つ開ければデカいサーバーがありアバターが登場したりと、CGと手描きの対比がスゴイ!背景はジブリで陰影のないシンプルな描画のキャラはガイナックスっぽいと思ったら、背景の監督は宮崎監督作品の美術担当で、キャラクターは貞本さんだったんだね。どおりで侘助がエヴァの加持さんと色々カブるんだよね(笑)。
細田監督って宮崎監督をリスペクトしていてどうしてもジブリで働きたかったんだってね。けど優秀な才能がスゴすぎて宮崎監督から直々に手紙で不採用を告げられたみたい。そして数年たって『ハウルの動く城』の監督の声がかかったんだけどトラブル続きで解雇されたそう・・・・ある意味、細田監督の『ハウル〜』も観たかったな。ポスト宮崎駿のアニメーション作家細田守、最近、勢いあるよね~。『バケモノの子』はじめコレから日本のアニメーション界から見逃せない人物っすね。
アキサン 前作の『おおかみこどもの雨と雪』も大ヒットしてましたよね。興業収入は42.2億。フランスでも公開され、世界34か国でも上映されたそうで。
ところが個人的には微妙に思う点が多くて。まず、ラストの花の心境の変化に付いていけないんです。「私はまだ何もしてあげられてない」と言ったすぐ後に「元気で!しっかり生きて!」って。おいおい。直前まで見てた夢の中で言われた「彼」の言葉。それがトリガーにもなってるんでしょうけど、それ夢ですから!嫁と一緒にDVDで観てたんですけど、嫁は「戸籍とかどうすんの?学校も行ってないの?児相何してるの?」・・・・母親としてはごもっともな意見ですよね。僕も納得がいかない。父親が居なかろうが田舎だろうが元々不登校気味だろうが、10歳ぐらいの我が子が1人山に入っていく。夢のお告げで言われたぐらいじゃ納得できないですよ。僕はまだ6年ちょっとぐらいしか親としての経験が無いんですけど、13年間1人で子供を2人育てるとそんな心境になっちゃうんですかね。そして雨を追っかけてる間、雪ちゃんは学校に置いてけぼり。学校の管理体制も大概ですよね。草平くんもその後どうなったのか。本当にいらない子になっちゃったのか。雪ちゃんと同じ中学に進学して寮住まいなのか。色々と心配になっちゃいます。
坂元 全く同感。そうか・・・・オレも観終わった後、なんか違和感感じてたんだけど、それだな。
アキサン そして今公開中の『バケモノの子』は何と貞本義行がキャラデザイン降板。脚本の奥寺佐渡子も名前を連ねていない。どうしちゃったんでしょうね。
坂元 でも『バケモノ~』も海外でウケそうだよね。海外での評価も前作『おおかみこども〜』を絶対に超えると思う。
アキサン 海外ウケの良い映画といえば「ジブリ映画」も重要ですよね。海外アニメといえば「ディズニーアニメ」が幅効かせてそうなんですけど、ディズニーアニメは若干年齢層が低めでもいける内容なのに対して、ジブリ映画は子供向け、とは言い切れない内容のものもあるんですよね。ウチもまだ娘に『となりのトトロ』『魔女の宅急便』しか見せてないんです。次辺り『天空の城ラピュタ』行ってみようかとは思ってるんだけど。
坂元 確かに。ジブリ史上歴代一位の『千と千尋の神隠し』なんてとても子供向けとは言えないもんね。
アキサン 海外で取ったアンケートで「好きなジブリ映画」のデータを見てみたんですけど、最もよく観られているのは『千と千尋の神隠し』で、次が『もののけ姫』。好きな映画もこの2本でワンツーフィニッシュ。海外で受賞してるってのが大きいですね、やっぱり。個人的に好きな『紅の豚』『ラピュタ』はそれほどでもないという。残念。
坂元 海外ではやっぱ日本アニメといえば『GHOST IN THESHELL / 攻殻機動隊』とか『AKIRA』なんかが人気なんじゃないの?
アキサン 確かに「日本が世界に誇れるアニメ」と聞いて真っ先に思いつくのはその二本ですよね。『攻殻』『AKIRA』はいわゆるコアな映画オタクに受けてて、「ジブリ映画」は幅広い層に受け入れられてるのかな?と思うんですよ。どっちがどう、ってことは無いんですけども。従兄弟の兄ちゃんがそういうの凄い好きな人で、家に遊びに行くと大友克洋の「AKIRA」や「ハイウェイスター」「気分はもう戦争」「童夢」なんかがゴロゴロ置いてあって。他にも士郎正宗の「アップルシード」なんかも。小学生時分の頃からそういう漫画に触れることが出来たってのは幸運でしたね。そりゃ内容は難しかったですよ。周りの友達が「キン肉マン」や「聖闘士星矢」で大喜びしてる中、何でこんな難儀な漫画読まにゃならんねん、と思ってました。
坂元 じゃ、読まなきゃいいじゃん。
アキサン だから「AKIRA」はへえ、映画するんだ、という感じだったんです。まだ完結してないんじゃないの?どうすんの?って。それでも映画『AKIRA』は強烈でしたね。有名な「金田ァ!」「さんをつけろよ!このデコ助野郎ぉおお!!」のセリフ。これ原作マンガは無いセリフなんですけど、このイメージの強さたるや。一度使ってみたいセリフの3位ですよ。
坂元 3位?・・・・1位は?
アキサン 「ここは俺に任せて先に行け!」です。
坂元 ・・・・・一応、2位も聞いとこうかな。
アキサン そして特筆すべきはその動き。ヌルヌル動く!モブシーンもヌルヌル!有名なテールライトの残像表現は今見ても鮮やか。今ならCGで表現できちゃうんでしょうけど、それを日本中のアニメーターかき集めて作画したって話で、ウソかホントか当時のアニメはアニメーター不足で軒並み作画が低下したって話ですよ。
実写映画化の話も昔っから上がってるのにいまだに大した進展も無く。先月に脚本家が決定したとか、どうなってるんでしょ。「寄生獣」みたいに結局放り投げて日本で実写化、みたいなパターンになりそうですね。その時はまた多分変な英語サブタイトルが付けられるんでしょうか。
坂元 一度使ってみたいセリフの2位は何なの?
アキサン 『GHOST IN THESHELL / 攻殻機動隊』はこないだ「2.0」を観てみたんですけど、3DCGシーンが追加されてるんですね。もの凄い違和感。そこだけ質感違い過ぎるんですよ。ただ、SEが大幅リニューアル。アメリカのスカイウォーカー・サウンドで作り直したらしく、中々の迫力でしたね。「1.0」と聴き比べるとその差は歴然。やはり映画は大画面ってのもありますけど、大音量で聴くってのも重要なんですよね。

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