クール・ランニング©2015 Disney

#186 クール・ランニング

挫折だらけのイバラの道を(っていうか、そもそもが挫折からのスタートだし)南国らしい楽観的なノリで切り抜けていく爽快感!何度観ても素晴らしい!by N氏

『クール・ランニング』
発売:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
DVD発売中/デジタル配信中

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大傑作『クール・ランニング』とは?

アキサン 今回は「スポーツ映画」ですか?珍しいお題ですね。
坂元 こないだ上木原さんと飲みの席で「このコーナーも15年以上やってると、もうネタがなくなってきてるよね・・・・っていうか、何やっても以前のとかぶってしまうしなぁ~」とか話してて・・・・。
上木原 で、意外とスポーツ映画とかあんまりやってないよね?と。ハリウッド映画でスポコン作品といえばアメフトと野球が多いんだけど、最近では徐々にその幅が広がってきてるし、漫画でもスポーツジャンルは野球やサッカー、バスケ以外にもバレーや自転車競技モノなんかも増えてきてるんだよね。
ってコトで今回は『クール・ランニング』!因みに「クール・ランニング」って「旅に無事あれ」という意味みたいだね。
アキサン 『クール・ランニング』って何故かテレビであんまやらないんですよね。観たのが相当昔で如何せん内容がうろ覚えなため、久しぶりに(それこそ20年以上ぶり)に観直してみたんですけど、まあホノボノとした映画でした。昔の記憶だともっと笑いの要素が多かったと思ったんですけど。
それにしても作品自体は98分の短い尺なんで結構大味な映画。でも作中に流れる軽快なレゲエのBGMがまたホノボノとしていてそれを感じさせないんですよね。で、ジミー・クリフの「i can see clearly now」って、この映画の主題歌だったんですね。何かいろんなとこで流れてた記憶が強くて主題歌のイメージ全然無かったです。
N氏 この映画って、ジャマイカが初めて冬季オリンピックに出場した時の実話ベースなんだよね。舞台は88年のカナダ・オリンピック。挫折だらけのイバラの道を(っていうか、そもそもが挫折からのスタートだし)南国らしい楽観的なノリで切り抜けていく爽快感!何度観ても素晴らしい!大好きな一本です。
上木原 骨折だけじゃすまない、粉砕骨折覚悟という命がけのボブスレー見せられ希望者0のくだりがベタすぎて笑った(笑)。プッシュカートのスペシャリストと3人のアスリートスプリンター、よくもこれだけそろったものだ。僕はジュニアの存在が好きだな~。あの純粋でつぶらなまっすぐの眼差しが好き。車売ってまでみんなのために尽くすトコはさすが大胆だし、勇気を出してライバルや親父にガツンと言うトコがカッコいいわ~。
終始ブレーカーのドレッド野郎サンカも味あるよね。最初の「氷?」「雪やペンギン、氷のある冬?」そして冷凍庫イン!ラスタカラーのワーゲンにタイダイカラーがまさにレゲエって感じでかっこいい。決勝のトキの幸運の卵のユルのキスのくだりが笑った~!サードマンのユルはイカつくて喧嘩っ早いんだけど、ジュニアとの友情が最高によかったよね。
N氏 そもそも雪がないジャマイカで「ボブスレーで金メダルを目指そう!」って発想がメチャクチャだもんね(笑)。まず、どうやって練習する?っていう(笑)。一癖も二癖もある濃いメンバーがまた最高!中でも、何があっても絶対に諦めない超ポジティブ男・デリースが物語の要で。
上木原 冒頭と最後の「サンカ死んだか?」「デリース死んだか?」の、デリースとサンカのやり取りもイイ(笑)。てかアレ最後よく生きてたな。300キロのスピードから転倒、そして頭部を壁にぶつけながら疾走・・・・さすがジャマイカ人タフだわ。
委員会の前で元金メダリストのコーチが言った言葉に胸を締め付けられた。「委員会が方針変えたり、品位や適正はカンケーあるのか?」「彼らに責任は無いはず」「オリンピック精神で国旗を揚げて行進する姿が競技者にとっての誇り」だと。コレはマジで競技のほとんどに言えることだよね。先日あった「大阪国際女子マラソン」で優勝した福士加代子選手は元10000メートル選手から10年以上もかけてマラソン選手になったんだよね。陸連が出した設定記録を更新したのに決定させない五輪イヤー恒例の「マラソン選考問題」勃発。ぜひ名古屋で結果をだして勝ち取ってほしい。まあスポーツは連盟や協会がたくさんあるけど、色んな意味で選手や僕たちが心底楽しめる環境をもっと作ってほしいよね。
N氏 本作『クール~』でも、オリンピック最有力選手らが揃って転倒しまい、デリースらは選考のやり直しを!と訴えるんだけど「勝負は非情」と取り合ってもらえないんだよね・・・・。
アキサン ジャマイカでのオリンピック選考会。デリースを含めたユルとジュニアって結構速い方だったから、転んでなければ代表選手になってた可能性が高いんですよね。再選考になると公平性とか色々な問題あるんでしょうけど、国の代表なんだから速い人の方が良いと思うんですけどね。
実際その時のオリンピックにおいてジャマイカは100m走どうだったのよ?と思って調べようとしたら、その辺はフィクションだったようで。実際はジャマイカ国防軍の人が出場してたみたいで。ラストのソリ担いでゴールするシーンもフィクションだとか。軽くショックです。チナミにソウルオリンピックの100m走の金メダリストは言わずもがなのカール・ルイスです。今ではジャマイカといえばウサイン・ボルトが有名ですけどね。
坂元 あ、実際は担いでないんだ?それ、残念だな(笑)。
上木原 そして次第に会場のまわりもジャマイカの選手のトリコになっていき・・・・ボブスレーのタイムもスイスを上回る出来だし!誰もが驚き期待する中・・・・アナウンサーが「どこの国でしたっけ?」そう「ジャマイカ」!脚本は解りやすく明快。途中のレゲエもとても心地よく。そして決勝。会場の声援を受け順調な出だし!・・・・が、嫌なフラグが立ち込め・・・・。転倒する場面の映像は「実際のもの」を使用してるんだろうなと思ったらその通りだった。最後は感動して泣いたなぁ~。委員会のカートも最後は拍手。ジュニアの親父もTシャツ着て称える。コーチ役のジョン・キャンディはいい役者だったけど太りすぎだなと思ったら、コレが遺作だったんだね。
N氏 僕もこの映画、何度観ても泣けます。やっぱオリンピックってのはこうじゃないと。最近の何?エンブレム問題?もう・・・・情けないよね、世界的に。
上木原 2020年には東京オリンピックがある。そして鹿児島国体も。予算の問題やエンブレムの問題・・・・正直何やってるんだって思うよね。関係者はオリンピックの本質について是非とも『クール・ランニング』観て一息ついてほしい。
そしてオリンピックは世界一を決める為、国の為でもあるけど、スポーツを通じて肌の色や人種、国の差別無く平等と平等を感じることがその醍醐味ではないかと思う。開催国や東京だけが儲かり、市民には還元されないただの道楽事業だって思う人も多いだろうし、僕もそう思ってたけど、『クール・ランニング』から色んなコトを学んだ。
アキサン あと、塗料を扱ってる身として、あの地金むき出しのソリを一晩でテッカテカのツヤッツヤに仕上げた塗装技術が一番素晴らしいと思いました。

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