#189 その男、凶暴につき

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北野武 と ビートたけし

アキサン そういえば、『仁義なき戦い』シリーズの深作欣二監督作『バトル・ロワイアル』では北野武がそのまんまの「キタノ」役で出演でしたね。皆が想像するであろう俳優ビートたけしのステレオタイプなキャラ。で、その『バトル・ロワイアル』には北野監督作『キッズ・リターン』の安藤政信も出てますよね。台詞が一切無いのにあの存在感は中々でした。
続編の『キッズ・リターン 再会の時』もよかった。監督は北野映画の助監督を多くつとめてた清水浩監督で。観るまではどうかなー?って思ってたんですけど、中々どうして配役変わったはずのシンジとマサルがそれっぽく見えてくるんですよね。ただ10年後にしちゃちょっと若々しすぎる気がしましたけど。
坂元 しかし深作欣二って凄い監督だよね。60年代始めから数々の名作を生み出して晩年まで『バトル・ロワイアル』みたいな斬新な映画を撮り続けたんだから。
上木原 今回の“Short cut”の為に最近ヤクザ映画ばっかり観てたら彼女に「ヤクザモノ好きだったっけ?じゃ、『任侠ヘルパー』観てみたら?」と言われ、あまり気がすすまなかったんだけど観てみたら面白かった。主人公のヤクザ彦一は全くヒーローではなくて。草なぎ君が優しくない・・・・むしろ怖い。ケンカ強いけど短気で口悪いしズルいけど弱者への情け、情にもろい。そして弟分が「金八先生・第五シリーズ」から好きな風間俊介のジャニーズコンビで「オルゴール」の長渕と哀川翔みたいな感じだった。
「ミナ帝」でも出てきた高齢者への生活保護詐欺がまさに地獄絵図!そこを任された彦一が施設や高齢者をいつの間にか変えていき、みんな得意な分野を活かして生き生きとしてくるんだよね。まるで彼のドラマ『僕の生きる道』みたいだった。「強きを挫き、弱きを助ける」彼の任侠道は北野映画にないそれだった。
坂元 オレ、SMAPが(中でも草なぎ剛が)大好きなんで『任侠ヘルパー』は気にはなったんだけど、観たことないんだよね。あまりにもイメージが違ってて面白く無いだろうって勝手に思ってた(笑)。けど、面白そうだね。
上木原 来月公開の『日本で一番悪い奴ら』楽しみだよなぁ~。『凶悪』の白石監督と綾野剛主演の作品で「日本警察史上最大の不祥事」ってキャッチなんだけど、警察内で“摘発のエース”になるためヤクザと協力してやらせ逮捕に覚せい剤の密輸とダークサイドに染まっていく・・・・「稲葉事件」って実際あった事件がベースになってるらしい。その時代の腐った警察組織制度で話題になったんだってね。好きな綾野剛主演だしコレは見てみたいなと思った。ヤクザや任侠映画より、似てるようで似てない“クライムアクション系”は結構好きなんだよね。しかし、綾野剛って最近スゴイ主演作多くない?去年は5本で今年の主演作も5本だって!
坂元 アレって実話なんだ?予告編見る限りはシリアスなのかコメディなのか分からなくてイマイチ中身が掴めなかったのだけど。
上木原 ひそかに「ミナミの帝王」毎週金曜読んでるんだけど、今回の内容が“覚せい剤検挙率ナンバー1”の刑事が実はヤクザとつながってて、そのヤクザに裏取引情報入手の代わりに食事から報酬やら渡さなきゃいけなく、自分の金が底ついて萬田から金借りて炎上するって話なんだけどソックリじゃない?
因みに、ヤンキーマンガやヤクザマンガでお勧めなのは先月のショートカットでも出た「代紋 TAKE2」と「サンクチュアリ」。あと、「ミナミの帝王」は面白い!勉強になるよマジ(笑)。最近の生活保護給付金詐欺や血液透析詐欺の話は勉強になった(笑)。
坂元 『ミナミの帝王』って竹内力主演で映画化されてなかったっけ?っていうか、オレの中で竹内力って『ミナミの帝王』のイメージなんだよね、観たことないくせに(笑)。ヤクザの金貸し屋&取立て屋っていう最恐のイメージがピッタリ!怖い顔してるよね~。
N氏 ヤクザ映画って、一種のファンタジー映画だとも思うんですよ(笑)。日常生活の中ではあり得ない(あってほしくない)世界に巻き込まれる物語を体感出来るっていう。だから、ファンタジー映画の「CG」の役割がヤクザ映画の「怖い顔してる俳優」のような(笑)。
上木原 「ヤクザ役やらせたらこの顔」って考えたら結構いろんな人浮かぶよね。(以下敬称略)昔は松方弘樹や菅原文太だったんだろうけど、ビーバップ世代な僕はやっぱ小沢仁志とか竹内力とか哀川翔とか浮かぶ・・・・思いっきり怖い顔してるもんね(笑)。最近はそうじゃない人相の方がウケるのかもしれないけど。
幹部クラスだと西田敏行、塩見三省、白竜、遠藤憲一、大杉漣。やられヤクザは石橋蓮司、國村隼、中尾彬と中野英雄。中堅クラスは椎名桔平、寺島進に青木崇高、草なぎ剛。へたれヤクザは加瀬亮や波岡一喜、やべきょうすけに遠藤要そして風間俊介。で、裏ボスは岸部一徳(笑)。このメンバーで『エクスペンダブルズ』みたいなヤクザ映画つくったらまじヤバそうじゃない?(笑)『アウトレイジ』以上のもの出来そう・・・・てか、まとまるかな(笑)。
坂元 北野武も極道役のイメージがあるけど、そう考えたら何処クラスかな?幹部クラス?中堅?やられ?・・・・不思議とその何処でもない気がする。やっぱり悪徳刑事って役が一番しっくりくるような(笑)。例え笑ってても次の瞬間何するか分からないあの不気味さは本物だよね。
アキサン 昔、テレ朝でやってた特番ドラマで「兄弟」っていうのがあって、作詞家なかにし礼の自伝的小説が原作なんですけど、そのろくでなしな兄を演じるのがたけしで。サブタイトルが「兄さん、お願いだから死んでくれ」でしたけど、やはりたけしの怪演が効いてるんですよね。
坂元 TVではあんなによく喋るのに、映画での北野武は基本無口な役で。その(よく喋るという)一般的なイメージも巧く利用しているんじゃないかと思う。
アキサン でも『御法度』でのたけしは饒舌ですよ。よく喋る。同性愛時代劇(そんなジャンルあるのか)かと思って観てると、意外や意外、ミステリ調の展開なんですよね。少々モノローグが多いんですけど。この映画におけるポイントは惣三郎こと松田龍平。そのインパクトたるや今観てもドキッとしますね。劇中では様々な新撰組隊士が惣三郎にウホウホするって話なんですけど、もしかしたら大島監督が一番松田龍平に強く惚れこんでた(勿論アッチの意味で)んじゃないかな、なんて下衆の勘繰りですかね。
ただ、たけし演じる土方歳三は土方ではなく、たけしにしか見えないという難点。そりゃ他のたけし映画も全部たけしが演じるたけしでしかないんですけど、時代劇の設定でもそれはやはり強く残ってしまう。同じ大島渚監督の『戦場のメリークリスマス』でもやはりたけしはたけしでしかない。それが味といえば味なんでしょうけども。
坂元 オレ一時期たけしが大嫌いでTVに出てきただけでチャンネル変えるくらいだったんだけど、最近また凄い好きなんだよね。北野武はずっと同じなのに。きっと「あ、コレって本物なんだ・・・・」ってようやく気が付いてきたのかも。フライデー襲撃事件後の記者会見の様子、あれは今見ても(聞いても)凄い!・・・・っていうか、今こそ見るべき!って思った。
アキサン 子供の頃、正月テレビの深夜映画で「コミック雑誌なんかいらない!」ってタイトルが新聞のラテ欄にあって「出演・ビートたけし」の文字も。「コミック」と「ビートたけし」という言葉は子供のハートをガッチリとフックしまして。しかも正月。夜更かししても怒られない。そりゃもう観るっしょ!って張りきってテレビの前で待ち構えていたら、画面に出てくるのはひたすら知らないオヤジ。しかも只々インタビュー。え?ニュース?何コレ?と思いながらずっと観るも全然面白くない(当時)。お目当てのたけしはいつまでたっても出てこないで見知らぬオヤジ(内田裕也)がひたすらマイクリポ。何かの修行のような時間を過ごしていると終盤でようやくたけし登場。やった!と思ってるとガラ悪い感じで、いつぞやテレビで見た豊田商事会長刺殺事件のような突入シーン。予備知識何もなかったんでポカンですよ、もう。あれ、あのニュースでやってたのってコレだったの?状況を飲み込めぬまま内田裕也の「アイキャントスピークファッキンジャパニーズ」で終了。不思議な映画でした。多分今観てもよくわかんないですもん(笑)・・・・あ、てかコレって北野映画じゃなくて内田裕也映画ですね。
坂元 えぇ~・・・・今更?
上木原 とにかく北野映画で一番覚えてるセリフは「ファッキンジャップくらいわかるよバカ野郎」そして銃乱射で踊らせる。あと『ソナチネ』で砂浜でのロシアンルーレットじゃんけん、『BROTHER』の寺島さんの「頼むぜオジキ」・・・・このシーンが一番印象に残ってる。
坂元 あぁ、分かる分かる!凄い同感です。
上木原 あとさ、カンケーないけど白竜って歌メッチャ上手いの知ってる?尾崎豊がリスペクトしてただけあってホントすごいよ。今度聴いてみて。
坂元 あ、はい・・・・っていうか、本当にカンケーないし。
上木原 あぁ、あともう一個。松村邦洋のビートたけしのモノマネは神だよね。

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