#190 ワールド・オブ・ライズ

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テロと戦う映画といえば

アキサン 今回のテーマは「テロリストと戦う映画」ってことだけど、何か昨今のアクション映画って大概テロリスト相手に戦ってるイメージですよね。『ダイ・ハード』シリーズのマクレーン刑事とか。シュワルツェネッガーも『トゥルーライズ』でテロリスト相手に頑張ってましたし。
坂元 確かに。「テロVS」映画ってひとつのジャンルとして確立してると思うんだけど、作風としてちょっと前までは「娯楽作」としてだったのが最近では「シリアス・アクションもの」に変化している気がするよね。「娯楽作」としてはアキサンが挙げた二本が代表作でしょう!
アキサン 『トゥルーライズ』なんかしょっちゅうテレビでやってるイメージありますよね。やってると僕もついつい見ちゃうんですけど、結構好きなんです(笑)。何が好きって、ハリーの嫁さんのヘレンがコールガールに扮して諜報活動するシーン。冴えないオバチャンにしか見えなかったヘレンが廊下の鏡見て、ドレスをアレンジして急にセクシーになるあのシーン。あれはエロい!あのギャップはエロい!僕も四十路に入った今なら言えます。あれはエロい!
坂元 あの人って確か、超大物俳優の娘なんだけどその演技力の無さから『ハロウィン』とか『ブギーマン』『プロムナイト』『ザ・フォッグ』なんかの「古き良き時代のホラー映画」のヒロイン役(ただただ叫ぶ役)に(親の影響力で)軒並み出演し、初代“絶叫クイーン”って(小バカに)呼ばれてた人だよね?「ちょっと前の女優さん」ってイメージしかなかったけど、そんなにエロかったか?!今この歳で見たらそんなにエロいか!?
アキサン 続編の予定があったらしいんですけど、9.11の影響でお蔵入りしちゃったらしいですね。残念。
坂元 っていうか、あの人そんなにエロいの?
アキサン 対テロリスト映画といえば『ゼロ・ダーク・サーティ』も観応え充分で。『ハート・ロッカー』でアカデミー6部門を受賞したキャスリン・ビグロー監督作品。
坂元 そうか、そう言えばその二本共キャスリン・ビグロー監督だよね。女性監督初としてアカデミー賞を受賞した時はジェイムズ・キャメロンの嫁ってことで「その影響力だろ?」とも言われてたけど『ゼロ・ダーク~』で実力を実証した感じだね。女性が描くあの世界観は本当に凄いと思う。
アキサン 2時間半、いつ爆発するのかわからない爆破テロの恐怖にずっとピリピリしながら観ちゃいましたよ。劇中、日時と地名がテロップ出るともうドッキドキです。冒頭はアメリカ同時多発テロ事件の音声のみ。これも重い。映像が無いのに吸い込まれちゃいますよね。あとはひたすら神経すり減らす内容。拷問シーンは実際はもっとエグイことしてるんだろうけど、観ている側も感じる息苦しさ。そして爆発。
で、ようやく念願の奇襲作戦シーン。エリア51製のステルスブラックホークでいざ出撃!気分は忠臣蔵です。・・・・が!何故かカメラの映像までナイトビジョン映像。実際の作戦に同行しているかのような緊迫感はあれども、如何せん見えずらい!冒頭の音声のみの演出とは違って溜まるストレス。もう少し明るくしてくれたら。2時間待って、ようやくの突入シーンなのにカタルシスが圧倒的に足りない。 それでも観応えは抜群でした。CIAやアメリカのプロパガンダ映画なんて噂も聞いてたんですけど、そんなことは無く。とはいえ、都合悪い部分は描いてないんでしょうけども。『ワールド・オブ・ライズ』の後に続けて観たので、後日談のようで面白かったですよ。
上木原 「対テロ映画」・・・・僕が最も得意とする分野じゃん!『24』で「シーズン9」まで全204話、実に204時間僕もバウアーと共にテロリストと戦ってきたからね。テロについては何でも聞いて。てか、テロリストと戦う男が似合うのはこの世に4人しかいない。『24』のジャック・バウアー、『96時間』ブライアン・ミルズ、そして『ミッション・インポッシブル』のイーサン・ハントに『ダイ・ハード』 のジョン・マクレーン!この4人で『エクスペンダブルズ』並みの作品作ってほしいな。あと日本人だと『SP』の井上かな。
坂元 もう10年くらい前の映画だけどスピルバーグの『ミュンヘン』観た?派手なドンパチもなく、それこそ地味でやたらと長い映画なのだけど個人的にはコレも「テロ映画」の大傑作だと思う。
上木原 こないだ『エンド・オブ・ホワイトハウス』『ホワイトハウス・ダウン』観た。まぁ、『アルマゲドン』『ディープ・インパクト』が同時公開あったみたいにコノ2作品もテロリストにホワイトハウスが襲撃、占拠されるって作品でかなりカブる(笑)。どっちも面白かったけどね。ホワイトハウス占拠、大統領がピンチ、内通者がいる、元シークレットサービスにガキも巻き込まれる、ヘリが墜落して主人公は最初は撤退させたいほど煙他がれるが最後は英雄扱い・・・こんな感じかな。違うとこっていったら『エンド・オブ~』の主演ジェラルド・バトラーはメッチャ強くてシリアスなのに対し『ホワイトハウス~』のチャニング・テイタムとジェイミー・フォックスはコミカルで~ってとこくらい。まぁ、北朝鮮絡めたり過去のトラウマ重ねる『エンド・オブ~』 もいいけど今までと違う脚本がしっかりしたエメリッヒ作品の『ホワイトハウス~』の方が好きかな。とにかく世界最強の要塞といわれるホワイトハウスが陥落していく様子はどちらも負けてない。『24・シーズン7』でもホワイトハウス占拠あったもんね。あれも凄まじかったな。
坂元 ホント似てたよね。シーンを思い出してもどっちの映画か分からないもん(笑)。
アキサン さっきから何の気なしに「テロ」とか「テロリスト」とか言ってますけど、冷静になって考えてみると何を以て「テロ」とするか、って疑問も生まれるんです。『ゼロ・ダーク・サーティ』で中盤、「アメリカのテロを阻止せよ」ってカードを持ったパキスタンの住民が出てくるんですよね。現地で暮らす彼らからしたらアメリカのほうが余程テロリストなのかもしれませんよね。先にも言ったように、色んな立場、色んな思想での信念と正義があるわけで、そこに善悪感情持ち込むのって怖いんですよね。有名な言葉ですけど「正義の反対は悪でなく、また別の正義だ」って。でもまあ爆弾抱えて突っ込んでくる人とは友達になれないですけど。
坂元 物凄い共感します。もしも自国や地元(地域)、もっと言えば自分の家族を攻撃してくる人がいればもうそれがオレにとっては「テロ」だと思うんだよね。いかなる理由があっても(っていうか、いかなる理由があるからこそ)攻撃してくる相手は自分にとっては“敵”であり“テロ”になってしまう。
アキサン 世界中には色々なテロ組織と呼ばれるような団体はいくつもあるわけで、9.11以前はハリウッドでもIRAIことアイルランド共和軍を描いた映画も多くあったんですよね。『パトリオット・ゲーム』とか『デビル』とか『ブローン・アウェイ/復讐の序曲』とか。言われてみれば昔のテロ映画ってIRAの爆破テロも多かったような気もします。で、中東情勢になるとアルカイダとかタリバンとかISILとか。この辺の関係も分かりにくいんですよね。どこも同じようなイスラム過激派だと思ってたら、ISILとアルカイダは対立してるとか。何かもう複雑です。日本でもオウム真理教が公安からテロ組織認定されてますけど、過去には日本赤軍なんてのもありましたし。2年ほど前には北海道の学生がISILに参加しようとして拘束されたりしてますし、いつまでも他人事気分ではいられないのかもしれませんね。
坂元 どこで突っ込もうかと構えてたんだけどアキサンにしては珍しく真面目過ぎて最後までちゃんと聞いてしまいました。すみません。

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