#190 ワールド・オブ・ライズ

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結局「テロ映画」とは何を描くのか?

上木原 「テロリストは交渉に応じません」コレって今は世界共通のワードになりつつあるけど、でもそれじゃ映画的には面白くないんだよね。テロ対策組織やテロ護衛団体がいた方が映画的にはウケるワケで。テロはなぜ起きるのか?確かに対テロの映画は数多く存在して、アクション要素満載でテロやっつけて観た後はスッキリする。ベルギーやフランスでテロがあっても「うわ・・・・怖っ!」としか思わないでしょ?なのに日本はどうだ。平和すぎねーか?よそじゃテロといえば身近な脅威に感じるのにココじゃ「食テロ」「飯テロ」など「○○テロ」・・・・って、使い方間違ってておかしいってマジ!
坂元 確かにそう思う(笑)。やっぱり「テロ」っていうのがどうしても身近に感じられないからね・・・・。
上木原 日本ってまずテロがない国なんだよね。イスラム教徒のムスリムほとんどいないし。9.11やフランスのテロみても解るように国によってはムスリムの思想を傷つけていることも事実でパレスチナ問題や石油問題にシリア問題。タリバンにアルカイダにイスラム国・・・・テロ問題も複雑化してきて対立関係が何がなんだか解らなくなってきた。逆にムスリムは日本と精神が似てると思ってるらしいね。ウチのガキの学校にもスカーフ巻いてる女の子いるけど、取れっていう校則もないし誰もその子イジめたりはしないからね。でもヨーロッパやアメリカはいつも紛争に介入している。民主主義の素晴らしさと自由をもっと伝えたいアメリカ。イスラム教を信じて他の宗教に対して拒絶する中東。そして巻き添えを食う一般市民。いつまで経ってもこの構図はなくならない。
坂元 その辺を考えると映画を超えたところでの話になるよね。上木原さんとアキサンはかなり深い話になりそう・・・・(笑)。またみんなで飲みにでも行こうよ。
アキサン そろそろ恒例のビア祭りの打ち合わせしないとですね。
上木原 あとさ、俺、韓国映画も大好きなんだけど、韓国の作品でもテロ映画って多いんだ。中でも『テロ,ライブ』!コレオススメ。スゴいシチュエーション・ムービーなんだよ。あの『チェイサー』で殺人鬼演じた ハ・ジョンウ主演で。ラジオの生放送の最中に橋梁爆破のテロ犯行予告電話が入る。最初はいたずら電話と無視してたがホントに爆発!ウチのラジオ局のスクープと決め込み視聴率と出世目的でテロ犯とテレビを通じて接触する。が、時間の経過とともに記者の元妻や子供たちが犠牲に・・・・テロ犯の要望は大統領の謝罪のみ。中盤から切なくなってくるんだ。そして最後がとんでもないことになってしまいエンディングを迎える!あのエンディングは誰にも予想できない。
さっき話した通り「政府はテロリストとは交渉しない」「テロに屈しない」って言うけど、勿論それも間違いじゃないとは思うんだけど、テロ犯にもそれなりの理由があるんだよね。無理難題の押付けはよくないにしても、この作品に対してはテロ犯に同情した。まさに『シルミド』観終わった時と一緒の感情になったよ。
アキサン 『パラダイス・ナウ』って映画知ってます?パレスチナ、フランス、ドイツ、オランダの合作映画なんだけど。
坂元 また絶妙な製作国だね!?(笑)観たこと無いし知らないです。そういう情報求めてます(笑)。
アキサン テロリスト目線で描かれているんですけど自爆テロの実行犯に任命された若者たちの心境たるや。考えさせられます。「聖戦」なんて言われているけどそこにあるのは葛藤。名誉ある死とは何なのか。戦時下の日本でも赤紙と呼ばれた召集令状。アレを貰って我が子を万歳と叫んで送り出した親の心境、送り出された若者の心境。それと近しいモノを感じてしまうんです。『パラダイス・ナウ』ではその葛藤をじっくり描いていてるんですよね。子供の乗るバスと兵士で一杯のバス。その葛藤。サイードの正義。パレスチナ問題は根っ子がはるか昔過ぎておいそれと答えなんて出ないし、きっとずっと考えていかなければならない問題なんでしょうけど。如何せん遠くの国の出来事、ってのが正直な所ですね。
上木原 こないだパリでも同時多発テロが起きたよね。フランス・メディアはその捨て身の攻撃を「Kamikaze」と呼んだそう。神風特攻隊と自爆テロリストを同一視しているのはおかしいけど、日本の神風特攻隊とイスラムの自爆テロの違いって何だろうと思うよね。国と家族を守るための特攻と無差別殺人。別物であって欲しいし、反論は出来ないけど何かが違う気がする。特攻隊とジハードは一緒だったのか?
“THE BACKHORN”の「コバルトブルー」って、ダイブしたり盛り上がるナンバーあるんだけど、その歌詞は圧倒されるよ。聴く度この神風特攻のテーマを毎回思い出すんだ。特攻と自爆テロ自分の身をもって散る姿は一緒なのかな「俺たちは風の中で砕け散り一つになる、たどり着く場所も知らぬまま燃え尽きる」「めんどくせえな逃げちまおうか、今更誰も口にはせずにあどけない顔眠る横顔震える胸」・・・・・。

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