#200 バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

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“かっこ良い父親”とは

ツカヂ 上木原さんは、きっと僕とは全然違う父親像がありそうで気になります!
坂元 映画で例えると?さっきスタローン!って断言したから、敢えてそれ以外だと誰を思い浮かべる?
上木原 “良き父親像”をスタローン以外で?う~ん・・・ジム・ブラドック扮するラッセル・クロウかな。特に『シンデレラマン』には中盤からブラドック大仁多バリの男気に涙が止まらなかった・・・。しかも実在の人物で実話だそうじゃないか
坂元 オレ多分『シンデレラマン』観てないんだよな~。面白かった?
上木原 有望なボクサーとして活躍していたブラドック(ラッセル・クロウ)は1929年右手の故障で引退を余儀なくされる。その頃アメリカでは大恐慌時代に突入。妻と3人の子供を抱え日雇労働でわずかな日銭を稼ぐが毎日の生活には全く足りない。やがて家財を売り食費もわずか、家賃や光熱費も滞納する生活が続く・・・しかしある時、親友でもあるマネージャーから相手が欠場ってコトで世界ランキング2位というボクサーとの試合の話を持ち掛けられる。かませ犬的な一夜限りのカムバック!報酬を頼りに再びリングに立つブラドッグ。そこから奇跡の物語が起こりはじる・・・って話し。
坂元 あぁ、泣けそ~・・・・
上木原 ラッセル苦労・・・じゃなくてラッセル・クロウは困った顔や苦労した顔をさせたら右に出る人いないんじゃないの。途中で金が底をつき電気も止められ子供たちの体調が思わしくなく妻は決心して親戚に預けるんだ。ラッセル・クロウはプライドを捨てボクシング時代お世話になった人たちに涙浮かべて内情を話し助けてくれとカンパを求める・・・観てるこっちまで辛くなってさ。それでも妻や子供達は父親を信じて家族全員で生きていく姿に憧れ、とっくに全盛期を過ぎたボクサーブラドックが世界ランカー相手に勝ち上がっていくシーンはマジで感動した。満身創痍でも家族の為、どん底から這い上がる姿に号泣し僕はいつの間に作品の中に入り込み酒場や会場で応援してたよ。ちなみに妻役のレネー・ゼルウィガーはこの作品の前はあの『ブリジット・ジョーンズの日記』のあのブタ女ね。でも『シンデレラマン』の妻役メイは本当に愛おしかったな
アキサン それにしても、マイケル・キートンを始め、ミッキー・ロークもビル・マーレイもみんなオヤジというかジジイと呼んでもいい年齢なんですよね。僕らがあの頃(どの頃だ)活躍してた映画スター達、みんなオジイなんですよ。シュワルツェネッガーもスタローンもみんなオジイ。って、そりゃそうですよね。僕らがオジサン世代になっちゃてるんですから。とはいえ、『T2』公開時のシュワルツェネッガーがなんと44歳。『ランボー3』公開時のスタローンが42歳。・・・・ヤバいですね、そろそろ僕も格好良いオヤジと呼ばれなきゃならない年齢なのにいまだにゾンビゾンビ言ってますよ。
坂元 アキサンはそれでいい!(笑)
アキサン あと、紙媒体の頃にもテーマになってた『団塊ボーイズ』もオヤジ世代のバイカー映画でしたね。最後にピーター・フォンダが出てくるサービスも。今でも祝日なんかに観光地でオヤジ世代がハーレーでドコドコ走ってるの見るといいなあ、って思っちゃいますよね。僕ももう少し年取ったらバイクに乗ろうかな、って思っちゃいます。その前に免許ですけど。
坂元 オレも憧れるんだよなぁ~、一緒に免許取りに行く?ま、いっそトライクでもいいんだけど
アキサン それと、『世界最速のインディアン』のアンソニー・ホプキンスも良い感じのジジイでしたよね。どうせダメだろうと思ってたら「意外とやるやんけジジイ系」映画。
坂元 そんなジャンルあるの?
アキサン 以前、Shortcut #120でも取り上げた『ホノカアボーイ』での今は亡き喜味こいし師匠のセリフ「年をとったからってやっちゃいけないことなんか、ないんだぜ」ってセリフに通じるものがありますね。ヤッても良いんです、色々と。でも、高田純次がテレビで言ったセリフで「歳とってやっちゃいけないのは“説教”と“昔話”と“自慢話”」ってのがあるんですけど、これが凄い胸に刺さるんですよね。歳とって出来る話ってその3つしかないじゃないですか。でも、その3つって聞かされる方はダルいんですよね。うるせえよわかってんよ、って。本当にわかるのはきっとジジイになってからなんでしょうけど。ぼくもついつい後輩や後進に偉そうに語ってしまうきらいがあるので注意せにゃな、とも思うんですけど、誰かが好かんこと言わなきゃ、とも思いつつ。僕も高田純次のように生きて行きたいです。オッパイとか平気で触れるようになりたいです。
坂元 そっちか?
アキサン あと、邦画でジジイ系映画だと『龍三と七人の子分たち』とか。
坂元 いや、今回のテーマは「ジジイ系映画」ではないし。
アキサン これも#189で語っちゃってますけど、ジジイが悪巧みする若者達を懲らしめる話ですよね。高田純次とは真逆の位置にいるジジイ。それもまた良し。くつろぐときはステテコに腹巻にイモジャージでだらしない格好だけど、外に出るときゃパリッとした格好(少々ズレてる部分もありますけど)。服装って難しいですよね。いつまでも若いころの格好でいるのもマヌケですし、一時前に流行ったチョイ悪オヤジの格好なんかも逆にダサいし、落ち着いた格好ってのは下手するとオッサン臭いだけだし。僕は変なTシャツを着るのが好きなんですけど、いつまでも「しゃぶしゃぶ」って文字と注射器の絵が描いてるTシャツ着てるのとかヤバいですよね。
坂元 それは年齢に関係なくヤバいね

さようなら、また会う日まで

パスキア しかし、いよいよラストなのですねー。お疲れ様でございました。
坂元 第一回目の参加メンバー・・・っていうか、このShort cutを始めるきっかけになったのがパスキアさんだったんだよね。当時、僕が一人称で書いていた映画コラムにパスキアさんがメールで絡んできてくれて。それがアイディアになってこのコーナーを作ったんだよ。で、最終回にも登場してもらえるなんて感慨深いです。
上木原 それにしても、200ヶ月・・・よく分からないけど16年以上ですか?ものすごいね、今までホントありがとうございました。今まで自分は何作の映画紹介したんだろうと数えてみようとしたんだけど、#118『スパイダーマン 3』~#140『アバター』までで約200作も紹介してた。200本まで数えたかったけど面倒で止めたよ・・・。けど平均でいくと全部で750くらいの作品紹介してることになるな。そりゃ語れるようになるはずだ(笑)
坂元 上木原さんも7年くらい毎月欠かさず参加してくれたんだよね。本当に感謝しています!有難う御座いました。
上木原 こちらこそ。ショートカットのおかげで観たい映画だけじゃなく色々なジャンルの作品を拝見して色々学び人生に反映させてきたつもりです。そしてアキサン、途中ほとんど3人だったけど、よくココまで頑張りましたよね(笑)ショートカットはコレでお終いですがインスタグラムでたくさんの映画マニアフォロワーと情報交換してるんでそっちでもまた宜しくお願いします!
坂元 いやホント、アキサンには感謝してもしきれない。一番永く、参加回数の多いレギュラーメンバーだもんね。毎月の原稿楽しみに待ってました!
アキサン 僕は紙媒体の頃から参加させて貰ってましたけど、ホントに多くの事を学ばせてもらえました。それこそ当初は「邦画なんて観ないっすよ(笑)」な立ち位置だったんですけど、そんな浅い考えはあっという間に吹っ飛ばされました。今までだったら間違いなく観ないであろうジャンルの映画を観る機会も沢山貰えました。何より、観た映画の感想を言語化する、というのが大変で。でも、言語化することでより深く認識、考察できるんですよね。「あー、楽しかった」的な事だけじゃなくて。僕の性格上、どこにケチつけたろかい、みたいな根性ババなとこも多く出ちゃってて迷惑かけたり不快に思わせるような表現も多々あったと思います。改めて坂元さんには感謝と謝罪の気持ちで一杯です。また定期的に年イチとか増刊的な感じでやれたら楽しいのにな、とも思います。いつでもまた根性ババなネタで絡みますんで(笑)
ツカヂ バーチャルの場はなくなりますが、ぜひリアルの場でまた映画談義したいです。シネパラで映画鑑賞後に天文館に繰り出す、みたいな・・・!
坂元 そうだね、またいつか是非やりましょー!上木原さん、もう終わるけど何か話し足りてないことある?
上木原 ・・・・あ、そういえば水野晴郎の『シベリア超特急』略して『シベ超』語ってなかった
坂元 それはまた飲みながら話すが!それでは皆さん、永い間本当に有難う御座いました。じゃ、またねー!

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