







洋服という媒体を通し
ひとつのコミュニティを
今年の4月にオープンしたセレクトショップ〈crack floor〉。“crack”とは一般的に“割れ目や裂け目”という意味で使うことの多い言葉だが、実はこれ“麻薬”を意味する俗語でもある。「外国の方は意味がわかるからか、じっと覗き込んでいきますよ。ただ単純に“お利口さん”なお店にしたくなかっただけなんですけどね」と笑うのは、この店のオーナー・大迫さんと黒木さん。店内にはそれ一着で十分な存在感を持つ、個性的なアイテムが並ぶ。「カタログ的なファッション誌を見て、気に入ればすぐにネットで注文。確かに便利な時代ですが、店をするからには、僕らにしかできないことをしたい。ある意味“変態”的でもいいから、うちだけの個性が必要だと思っています」。インターネット上では決して作れない路面店ならではの空気感。売る側と買う側が、しっかりと顔を合わせ言葉を交わす。彼らは洋服という媒体を通し、ひとつのコミュニティも生み出したいという。「万人受けする店ではなくていいんです。僕らのセレクトに共鳴していただける方が集まって、ファッションの楽しさを共感する。さらにそこから新しい何かが生まれたら、僕らもお客様も刺激的な毎日が送れそうだなって。僕らはまだまだ未熟者ですから、あまり大きなことは言えませんが(笑)」。
互いに支え合いながら
ひとりの夢はふたりの夢へ
当然のことながら、店を開くのはふたりとも初めての経験。プライベートでもよきパートナーとして7年ほどの付き合いというが、さすがに準備期間は「色々もめました(笑)」と黒木さん。だが、そんなふたりを影で支え、サポートしてくれる人もいた。なかでも、大迫さんが学生時代から通っていたセレクトショップのオーナーは心強い存在だった。「何から何までお世話になりました。それはもう感謝しきれないほど。多くの方の支えがあってはじめてオープンできたお店。その期待を裏切るわけにはきません」。オープンから約半年が経った今、経営者としての仕事にも少しずつ慣れてきた。大迫さんは販売の仕事をしてきたが、黒木さんはほとんどが初めて。接客や仕入れなど、大迫さんから学ぶことも多い。「私は専門学校卒業後、デザインの仕事をしていました。だけど彼が本格的に準備を始める姿を見て、私も!って。シンプルに楽しそうって思えたし、彼の思いにも共感できた。私は直感で動くタイプなので、いつの間にか…(笑)」(黒木)。「僕は真逆でマイナス思考。ウジウジするタイプです(笑)。だから洋服屋を諦めていた時期も正直ありました。でも今は彼女の言葉で前進できたり、勇気をもらったりする。逆に彼女の行き過ぎを僕が止めることもあるけど(笑)」(大迫)。ひとりの夢から、ふたりの夢へ。性格は“真逆”でも、そのバランス感覚がいいのだろう。少しずつとは言うが、リピーターの数も確実に増えつつある。
もっとオリジナリティを
もっとファッションが楽しめる場所を
「鹿児島にはファッションで盛り上がれる場所が少ない」。ふたりは店を始めると同時にそう感じた。扱うブランドはマイノリティかもしれないが、だからこそ、ひとつのカルチャー。もっと楽しめる場所があってもいいのではないか。普段から交流のあるセレクトショップのオーナーとも話が合い、11月14日(土)あるイベントを開催することになった。「3店舗共同で音楽とお酒を楽しみながら、ファッション談義に花を咲かせます。と言っても、ただ単純に好きな洋服を着て、洋服が好きな人同士で楽しみましょうっていうシンプルなもの。それぞれのお店のお客さんは絶対に通じ合う部分があるから、楽しく盛り上がれると思うんです」。一方、彼らは商品のセレクト面においても、新しい動きに出ている。取り扱いブランドをいくつか増やし、店のオリジナリティをさらに追求しようというのだ。「鹿児島ではめずらしいねって言われても、他県に行けば似たような店がある。例えばAというブランドがあったら、必ずBとCがセットになってるって感じ。共通項が多いんです。僕らがしたいのはAもあるけどZもあるっていうお店。テイストがバラバラだからこそセレクトショップだと思うんです」。ファンション好きの心に刺激を与え、新しい発見ができるような、crack=裂け目を鹿児島に。彼らの店がそういう存在になる日は、そう遠くないかもしれない。
(2009.11.10)
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crack floor オーナー・大迫 和樹さん 黒木 歩美さん
大迫さん黒木さんともに鹿児島市出身。大迫さんは専門学校でインテリアデザインを専攻。卒業後はアパレル販売の仕事の他、精肉工場や家具屋の倉庫に勤めたことも。黒木さんはグラフィックデザインを学び、デザイン事務所に就職するが、大迫さんとともにセレクトショップを開くため退職。
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crack floor
セレクトするのは〈BLANK〉や〈Transvestite〉といった個性的な世界観を持つブランド。流行にとらわれず、テイストも固定しない、オリジナリティ溢れるアイテムが並んでいる。また、次の春夏からは新ブランドも入荷予定。男女問わず着られるアイテムや、アクセサリー・小物類も揃えている。11月14日(土)には〈nose glass〉〈hexe room〉と共同でDJイベント『pre dawn』を開催。音楽とファッションを楽しむ場として、3店舗が取り扱うブランドの春夏アイテムのサンプルやカタログなども展示予定。詳細は以下をチェック。
- 住所/鹿児島市照国町14-22 佐土原ビル1F
- 電話/099-210-7266
- 営業時間/11:00~20:00
- 定休日/無休
- 主な取扱ブランド/ACHIEVERS、ANTI SYSTEM PRODUCTS、bedsidedrama、BLANK、BLONDE CIGARETTES、STOF、Transvestite
- http://www.crackfloor.com
- 地図の詳細はこちら
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3つのセレクトショップがおくる、ファッションと音楽を楽しむイベント『pre dawn』開催
- 日時/11月14日(土)OPEN20:30 START21:00
- 会場/ipanema
- 住所/鹿児島市東千石町5-17 ステラビル3階
- 出演/chabin、osako、ayumi、,juntoki、matugano、kentaro.
- 料金/¥500(1D付・前売無し)
- 問い合わせ/099-210-7266(crack floor)
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第6回 HM CAJON
第4回 レノヴァ鹿児島
第3回 パラダイス食堂
第2回 南九州物産
第1回 NPO法人桜島ミュージアム